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サイケおやじの生活と音楽

追悼:平尾昌晃、その和洋折衷の天才は不滅

2017-07-24 17:48:43 | 歌謡曲
恋にゆれて c/w 夏に萌えて / 小柳ルミ子 (ワーナーパイオニア)

我が国歌謡界の大作曲家のひとり、平尾昌晃の訃報に接し、何かレコードをご紹介するべく、あれやこれやと私有盤を引っ張り出していたら、個人的には意識的に集めていたソングライターではなかったはずが、しかし相当な枚数になってしまい、あらためて故人の偉業に畏敬の念を覚えるばかりです。

もちろん、全てがメガヒット盤ではありませんが、しかし一聴して、これはっ!

と確信を抱かせられる、所謂「平尾メロディー」とも云うべきツボがあり、殊更洋楽と和風旋律の融合の上手さは、ヒット作連発の大切なポイントだったように思います。

それは例えば小柳ルミ子が昭和48(1973)年初夏に出した掲載のシングル盤両面にも顕著で、作詞:安井かずみの綴った歌詞に附された平尾昌晃のメロディは、ハワイアンポップスと和風の演歌節が、まさに正統派歌謡ポップスに昇華されたという感じで、しかも森岡賢一郎のアレンジが微妙にジャズっぽく、さらにソフトロックな響きも滲むという上手さですから、これが小柳ルミ子の声質にジャストミートの仕上がりなんですねぇ~~♪

現実的にはメガヒットには届かず、彼女の代表作には入らないシングル曲だとは思いますが、平尾昌晃が残した夥しい楽曲群の中では、隠れ名曲かもしれません。

そして、そ~ゆ~裏傑作という事であれば、文字どおりB面に収録された「夏に萌えて」は本当に秀逸で、まずは酒井チエの作詞中にある「萌えて」という表現が、この当時からあったという真相には今更ながらに愕きますが、平尾昌晃が附したメロディがラテン風味のムード歌謡調でして、しかも森岡賢一郎のアレンジにはレキントギター風のエレキギターやタンゴのリズムをブーガールーで敲いたようなドラムスまでもが入っているのですから、これって、ほとんど東京ロマンチカの世界でありながら、結果的に小柳ルミ子だけの純正和風ポップス歌謡が成立しているのですから、たまりませんよ♪♪~♪

個人的には今後、こっちの「夏に萌えて」を愛聴していきそうですっ!

ということで、平尾昌晃はロカビリー歌手としてスタートしつつも、やはり作曲家としての功績が絶大ですから、近い将来には所謂「ワークス物」や「アンソロジー」が編まれることは必至なれど、果たしてその中に本日ご紹介の2曲が入る可能性は、それほど高くはないでしょう。

しかし、小柳ルミ子という歌手にポイントを絞れば、堂々と「平尾昌晃を歌う」というコンピレーション盤は出せるはずですし、これは他の多くの歌謡スタアにとっても同様だと思います。

また、現在活躍中の女性歌手による新録企画としての「平尾昌晃作品集」だって、絶対にウケるんじゃ~ないでしょうか?

サイケおやじとしては、川中美幸の「夏に萌えて」を聴いてみたいと願っておりますが、故人には名曲名作が山の様に残されていますからねぇ~~、他にも希望はどっさりです。
 
あぁ……、平尾昌晃はなんでも知ってる星になったのかなぁ……。

合掌。
コメント (6)
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