■ひまわりの夏 c/w プチ・プチ・チャチャチャ / 森まどか (ビクター)
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きっちり歌唱力が認められるアイドルシンガーがそれなりに多かった昭和歌謡曲の世界において、中でもサイケおやじを驚かせたのが、本日ご紹介のシングル盤で昭和53(1978)年に公式デビューした森まどかでした。
それはビート感のはっきりしたアルトボイスとぶれない声量のバランスが見事な節まわしが何よりの魅力だったんですが、既に述べたようにサイケおやじを最も驚かせたのは、当時の彼女がなんとっ!
13歳だったんですねぇ~~~!?!
実は最初に作詞:山口あかり&作編曲:あかのたちおが提供したA面曲「ひまわりの夏」を聞いたのは飲み屋の有線からだったんで、このヘヴィなリズムが入ったR&B風味の歌謡フォークは、てっきり20代の女性シンガーの持ちネタかと思いましたし、もちろん即、サイケおやじは気に入ったもんですから、レコード屋に出向いてみれば、それがジャケ写からも一目瞭然、ほとんどロリ系ルックスの森まどかは実年齢が13歳だったというわけでして、だいたい曲タイトルが「ひまわりの夏」なぁ~んていう爽やかフィーリングとは些かズレたサウンドは、なんともある意味じゃ~倒錯的な印象でありました。
そして、そ~したイメージはテレビ出演時にも確かにあり、サイケおやじが覚えているだけでも、アイドルど真ん中の超ミニスカの衣装で、大人っぽい歌唱力を発揮していた彼女は、なかなか異彩を放っていたような記憶があります。
ですから、決してヒットしたとは言い難いレコードだった現実とは反比例して、業界内や歌謡ポップス好きのリスナーにはファンが多かったと言われていますし、自らのレコード以外にも、スタジオセッションの仕事もあったかもしれないという推察も可能なのが、森まどかという若き実力派シンガーだと、サイケおやじは強く思っています。
また、その意味でB面収録の「プチ・プチ・チャチャチャ」はアップテンポの歌謡ポップスがストライクゾーンにドンズバながら、歌詞の内容がちょっぴりアブナイ少女期の恋愛遊戯みたいな、これもまた正統派アイドル歌謡曲ですので、上手過ぎるアルトボイスの節回しを存分にお楽しみいただけますが、部分的には竹内まりや、あるいは山口百恵を想起させられるあたりは、ニクイばかりでしょうか、サイケおやじは好きです。
ということで、森まどかは残念ながら大きなブレイクもなく、それでも地道に今も活動しているという実力派ですので、残された音源は全て絶大な価値と人気があるはずです。
願わくば、それが集成され、今こそ堂々と評価されるべきボーカリストだと思い続けているのでした。