■表通り c/w ひとつのお部屋 / 木川かおり (RCA)
今の世相を表しているのか、最近は雨の日ばっかりが続いている様に思いますが、皆様はいかがでございましょう。
そこで掲載したのは、先日の猟盤活動での獲物の中から、掲載したのは昭和52(1977)年に発売されたらしい、これまた全くサイケおやじの知らない女性歌手の木川かおりのシングル盤であります。
それはA面に収録された「表通り」が作詞:千家和也&作曲:井上忠夫が提供した、なんとも微妙な雨の歌でして、ジメジメと降り続く小雨と自らの失礼というか、実は男に捨てられそうになっている女性心理が、その現実の厳しさを表わす様な、幾分エキセントリックなソウルジャズ風のメロディで演じられているからでして、全体の印象としてはミディアムテンポのフィリーソウルにフレンチポップスを混ぜた感じに思えるんですが、川上了のアレンジが殊更間奏で飛び出してくる管楽器のソロパートでひっくり返されるという印象でして、加えて木川かおりのボーカルが所謂ヘタウマ系!?
いゃ~~、ど~にも捉えどころが見つからない仕上がり……。
しかし、B面に収録された「ひとつのお部屋」は一転して穏やかな胸キュン歌謡フォークでありまして、クレジットを確認してみれば、これがA面「表通り」と同じ制作スタッフの仕事なんですから、いやはやなんとも、今となってはヒット性感度のズレがあったんでしょうか、失礼ながら。
もちろん、当時から今に至るも、サイケおやじは彼女の動く姿には全く接した事がありませんから、これ以上は書く事も儘なりません。
それでも、様々なスタイルがミックスされた汎用性の高い音楽としての面白さが昭和歌謡曲の特質だとしたら、そこへ全てが収斂していく快感(?)が、このシングル盤には確かにあると思っています。
ということで、鬱陶しい日々は明日になっても晴れることは無いでしょう。
でも、負けてらんないですよっ!
その心の支えを探すのも、楽しい作業と思いたいサイケおやじです。