■わかれうた / 中島みゆき (キャニオン)
例年、今頃の季節になると、忘年会とか新年会とか、クリスマスパーティ等々も含めれば、すっかり世間は浮かれ気分でスケジュール調整に余念が無かったのは今や昔……。
世界的なコロナ禍の現況を鑑みれば、宴会なんてものは無用の長物に成り果てた感が確かにありまして、そこで文明の利器であるネットでリモート宴会ってなものが推奨されるんですから、いやはやなんとも……。
しかし、そ~した遠隔宴会であっても、カラオケぐらいはストレートに楽しめるんじゃ~ないでしょうかねぇ~~。
そこで本日から、所謂「カラオケ定番」について、不定期ながら諸々を綴ってみたいと思い立ち、その初っ端としての「お題」が昭和52(1977)年秋に発売され、中島みゆきの最初の大ヒットになった掲載盤A面収録曲「わかれうた」であります。
もちろん作詞作曲は中島みゆき本人の自作自演ですから、歌いっぷりにケチはつけられるはずもありませんが、執拗なマイナーキーで節回されるメロディが中近東風であり、加えてリズムがブンチャカ系の時代遅れ感に満ちているあたりは、如何にも確信犯的でありながら、実は編曲を担当した福井崚と吉野金次の企みだとしたら、これはノー文句でイイ仕事だと思いますねぇ~~。
なにしろ、説明不要とは思いますが、中島みゆきの綴った歌詞が突き放した様な「やるせなさ」を伝えてくるのは常套手段ながら、出会いと別れのループから、ど~しても抜け出せない哀しさがジワジワと伝播した挙句、う~ん、これは刷り込まれてしまうなぁ~~~、なぁ~んていう気分させられるわけですよ。
ですから、カラオケで歌う場面が宴席であったとしても、決して暗く沈み込むなんてこたぁ~、心配ご無用!
件のブンチャカリズムに合わせての手拍子さえ、自然に発生する状況には何度も遭遇したサイケおやじが、あえて分析させていただいたのが、この駄文であります (^^;
ちなみに、この「わかれうた」は、確か年末頃にはチャートでもトップに輝いたほどの大ヒットになりましたから、明らかに我々日本人の琴線に触れるものがあったはずですが、個人的には問題の「中近東メロディ」は決して好きではなく、むしろ苦手なのに、何故か「わかれうた」に限っては、そんなに気にならないいのは、これ如何に!?
そこんとこは、つまりは自分でも分からないなりに、「わかれうた」を口ずさんでしまうのは、これまた、いやはやなんとも……。
ということで、ちょいと思い出してみても、既に述べたとおり、中島みゆきは「わかれうた」が大ヒットしていながらも、当時全盛だったテレビのヒットチャート歌番組には、ほとんど出演していなかったと記憶しているんですが、いかがなものでしょう。
しかし、その代わりと申しましょうか、昭和52(1977)年末から翌年新春の商店街や飲食街には、「わかれうた」が流れまくっていましたですねぇ~~~♪
それもまた、今や昔の物語というわけですが、楽しく歌っても「わかれうた」のせつなさは不滅かと (^^;