■GS / DOWN TOWN BOOGIE WOOGIE BAND (東芝)
A-1 フリフリ
A-2 好きさ 好きさ 好きさ
A-3 君に会いたい
A-4 長い髪の少女
A-5 ノーノーボーイ
A-6 おかあさん
A-7 想い出の渚
A-8 青い瞳
B-1 シーサイドバウンド
B-2 神様お願い
B-3 スワンの涙
B-4 小さなスナック
B-5 恋はもうたくさん
B-6 白いサンゴ礁
B-7 ブルーシャトウ
B-8 Yesterday's Yesterday
我が国で一番熱くロックが盛り上がっていたのは昭和40年代前半、西暦に置き換えれば、1965年からの4年ほどで、つまりはグループ・サウンズ=GSと称されたロックバンド形態のグループが洋楽のカバーと日本語歌詞によるオリジナル曲をゴッタ煮で演奏披露していた時期でありましょう。
もちろん、そこから影響された音楽性を前面に出したソロシンガーやコーラスグループも次々に登場し、ですから、昭和40年代後半に殊更無理強い的に議論されていた「日本語のロック]なぁ~んていう難題にしても、全ては件のGSに収斂するのでは?
というのが、サイケおやじの偽りない本音です。
そんなわけですから、学生時代に入れてもらっていたバンドのリアルな実演現場が夏場のビアガーデンや年末のダンパ等々だった所為で、往年のGSやエレキインスト、そしてエレキ歌謡を演じる事に対しては何らの抵抗感も無く、むしろ嬉々としていたんですが、それに納得出来ずにバンドを去ってしまう先輩諸氏の気持ちも分からないではありません。
その頃は歌謡フォークの大ブームから、アマチュアであっても自作自演が出来なければ、所詮ハコバン!
なぁ~んていう風潮が当たり前になっていて、まだまだ数が少なかったライブハウスのオーディションにしても、カバーよりはオリジナルをメインにやれるバンドやグループに需要が高まっていたもんですから、サイケおやじが入れてもらっていたバンドがカバーに拘っていたというか、現実的には、そっちの方がバイトであるにせよ、お金を貰える演奏の場があった事も大きいのです。
第一、これはサイケおやじばっかりじゃ~なかったと思うんですが、つまんないオリジナル曲を作って、ターヘな演奏を披露するよりは、しっかり有名曲のカバーをやっていた方が楽しいんですよっ!
しかし、それでも矜持らしきものは確かにあって、一応はアメリカンロックを標榜していたもんですから、往年のカバーをやるにしても、イーグルスやドゥービー・ブラザーズっぽい味は付加追及していたんですけどねぇ……。
さて、そこでGSのカバーをやる時、参考書的に大いにコピーさせてもらっていたのが、昭和51(1976)年にダウン・タウン・ブギウギ・バンド=DTBWBが出した本日掲載のLPで、スバリっ! 中身は「GS」のタイトルに偽り無しという有名GSヒットのカバー曲集なんですねぇ~~♪
それは上記した収録演目をご確認願えれば、皆様にも納得していただけるはずと思うばかりなんですが、ここでは宇崎竜童(vo,g)、和田静男(g,vo)、千野秀一(key,vo)、新井武士(b.vo)、相原誠(ds,vo) という当時のDTBWBに加えて、演目のオリジナルバージョンに関わっていた往年のGSスタアがゲストで登場しており、それがスパイダースの「フリフリ」では、かまやつひろし! またブルー・コメッツの「青い瞳」と「ブルーシャトウ」では井上忠夫(ts,fl)、ゴールデン・カップスの「長い髪の少女」ではデイブ平尾(vo)、ダイナマイツの「恋はもうたくさん」では瀬川洋(vo) という豪華版♪♪~♪
ちなみにレコードにクレジットされたデイブ平尾の担当が「dozo vocals」となっているのは言わずもがな!? オリジナルのシングルバージョンのリードを歌っていたのはマモル・マヌーで、デイブ平尾が演じていたのはサビのキメ「どぉぞぉ~~」っていう合いの手だった事に由来するはずと思うんですが、いかがなものでしょう。
いや~~、これが本家本元の魅力と申しましょうか、実にイイいですねぇ~~♪
このあたりの面白さは、DTBWBならではの歌謡ロックでは無い、ロック歌謡との対比でもあり、演目各々のオリジナルバージョンについては、一応リンクを拙ブログ内で入れておきましたので、よろしくお願い致します。
そしてアルバムのオーラスに置かれたのが、作詞:阿木燿子 &作曲:宇崎竜童が書いたGSへの渾身のトリビュートソング「Yesterday's Yesterday」で、歌詞の中には有名GSのグループ名がテンコ盛りに出て来るもんですから、それで泣くとか、泣かないとか言う以前に、偉大なる先輩達に対する深い敬意と感謝、そして愛情を感じてしまうのは、サイケおやじだけでしょうか。
ということで、コロナ禍の現況からすれば、今年は忘年会とかクリスマス会なんかは無理に決まっているとはいえ、実は流行り病が収束していたら、昔の仲間とバンドをやろうってな話が盛り上がっていたんですけどねぇ…… (>_<)
何時か、また、そんな機会が再燃する事を願いつつ、このアルバムを聴いているのでした。