OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

こんな時代に俺たちの花

2020-12-12 19:15:11 | 歌謡曲

俺たちの花 / 橋幸夫 (日本ビクター)

今年は公式デビューから「60周年」だったとかでテレビ出演も多かった橋幸夫は、それこそ名曲名唱を夥しく残しているので、代表作を選ぶ事は至難ではありますが、それゆえに強い印象を与えてくれた楽曲は十人十色でありましょう。

で、サイケおやじ的には本日掲載のシングル盤A面曲「俺たちの花」が、そのひとつとして大好き ♪♪~♪

なにしろ作詞:橋本淳&作編曲:筒美京平が企図・提供したのは、橋幸夫が十八番の民謡風味の正統派歌謡曲でありながら、全篇からに染み出て来るR&B~ソウルミュージックのフィーリングが、これぞっ!

ミスマッチな魅力を大いに発揮していると申しましょうか、具体的には祭太鼓やお囃子を随所に響かせながら、ソウルフルなグルーヴが隠し様も無いほどに溢れてくるんですから、たまりません ♪♪~♪

そして、これは昭和45(1970)春に発売されたものですから、歌謡界には洋楽ポップス調が既に蔓延(?)していたとはいえ、こんな奇態な楽曲を当然の如く普通に歌ってしまう橋幸夫の実力は怖いほどに最高だと思いましたですねぇ~~♪

もちろん、得意技の軽妙なコブシ回しをソウルミュージックに適合させたと言うよりも、最初っから存在感の強い橋幸夫のコブシ回しを活かしたソウル歌謡という深読みも可能かもしれません。

ちなみに、以下はサイケおやじの全くの独断と偏見ではありますが、我が国の歌謡界に「コブシ」を持ち込んだのは、もしかしたら橋幸夫だったんじゃ~ないでしょうか?

それは前述、昭和35(1960)年のデビュー大ヒット「潮来傘」で顕著に表れているわけで、映像では当時から顔を左右に振りながら回すコブシの潔さっ!?

正統派歌謡曲でありながら、強いビート感を表出させていたのはスバリっ!

橋幸夫ならではの「コブシ」だったと思えば、この「俺たちの花」におけるミョウチキリンとも受け取られかねない仕上がりだって、狙っていたと思う他はありませんが、いかがなものでしょう。

それと、うろ覚えではありますが、この年のNHK紅白歌合戦に出場した橋幸夫が、歌う予定だった「俺たちの花」を本番中に別の曲に変更させられたという演出(?)があった様な……?

なんとも不可思議な状況にテレビの前のサイケおやじは、青少年特有のシラケた気分にさせられたわけですが、今となっては、名曲には、そ~ゆ~逸話も必要なのだと思うばかりです。

ということで、今年はコロナ禍により、企画されていた慶祝行事の中止が頻発してしまい、殊更「周年祭」は、取り返しがつかないという残念な事態になってしまいました。

特に当事者や関係者にとっては不条理な痛恨事でありましょう……。

しかし、こんな時代であればこそ、何かしらの「花」を求めたくなるのでした。

コメント
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