■This Magic Moment / Jay & The Americans (United Artists / キング)
現在から見た表層的ロック&ポップス史では、1960年代からはバンドスタイルのグループが主流となっていた感さえありますが、実際のヒットパレードでは相当数のコーラスグループが活躍していました。
中でもアメリカ東海岸地域で殊更盛んだった所謂ホワイト・ドゥーワップ、つまり白人によるR&B系のコーラスグループは、その普遍的親しみ易さゆえに長年のファンを掴み、本日ご紹介のジェイ&アメリカンズも決して忘れられません。
しかし、もちろん彼等は、本国アメリカではどうなのかは知る由もありませんが、我国では同系最高のグループだったフォー・シーズンズの様に派手な人気があったわけではなく、それでもラジオから流れてくるジェイ&アメリカンズの歌声による素敵な楽曲はその都度、ハッとするほど良い感じ♪♪~♪
特に掲載したシングル盤A面曲「This Magic Moment」は大好きでしたねぇ~♪
そしてジェイ&アメリカンズこそ、サイケおやじがアメリカ東海岸のポップス系音楽業界のあれこれを探索する足掛かりとなったグループのひとつなんです。
メンバーはジェイ・ブラックをリードボーカルに、ケニー・ヴァンス、サンデー・ディーン、ホウイ・ケーン、マーティ・サンダースの5人が全盛期の顔ぶれとされていますが、当然ながら1959年の結成から1961年の公式デビュー以降も度々のメンバーチェンジがあった事は言うまでもありません。
なにしろグループの看板であるジェイが、その時既に二代目であり、最初に参加していたジェイ・トレイナーがレコードデビュー翌年に脱退した事から、代役で入ったデヴィッド・ブラックが「ジェイ」に改名させられたという真相は如何にも芸能界でしょう。
ちなみに、彼等もフォー・シーズンズ同様にイタリア系アメリカ人いう系譜は、様々な点において深い意味合いがあるのかもしれません。
それとグループの黒幕というか、その裏方には当時第一線のソングライターコンビにして各方面のプロデュース活動も手広くやっていたジェリー・リーバー&マイク・ストーラーの存在があり、それゆえにコネや楽曲にも恵まれていたわけですが、実質的にグループのリーダー格だったケニー・ヴァンスの人脈や先進性も調べるほどに侮れません。
なんとっ! この「This Magic Moment」をヒットさせていた1969年春頃の巡業用バンドには、後にスティーリー・ダンとなるドナルド・フェイゲン&ウォルター・ベッカーが雇われていて、既に例のミョウチキリンな歌を作っていた2人の良き理解者として、デモテープ制作を手助けしていたというのですからねぇ~!?
また他にも末期ラスカルズとの交流やアメリカ東海岸の芸能界に脈々と受け継がれてきたイタリア系ミュージシャンの多くが、何らかのルートでジェイ&アメリカンズに関連している事象は知るほどに唸ってしまうばかりで、そのあたりは追々に拙プログで書いていく所存ではありますが、もちろんそれは政財界や例の裏組織にも繋がっているので……。
で、肝心の「This Magic Moment」は洒落たセンスで人気の黒人R&Bコーラスグループだったドリフターズが1960年に放ったオリジナルヒットのリメイクなんですが、なんらの遜色も無い仕上がりは好き嫌いはあるにせよ、長く聴き継がれるものと思います。
ということで、今となっては軽んじられている白人コーラスグループも、ラジオで洋楽に親しんだサイケおやじを含む世代の皆様には、なかなか忘れ難いんじゃないでしょうか。
決してロック云々では括れないところが、洋楽のひとつの魅力であって、それが1970年代末頃までの美しき流れだったとしたら、メロディ優先主義のルーツはそこにあると確信しております。
コメントありがとうございます。
アメリカンズの歌声は不滅だと思いますよ♪
PC用の外付スピーカーとして、「Olasonic USBバスパワー」を私は愛用しています。1万円位ですが、なかなか使えますよ♪
買っただけで詳しくは知りませんが、スティーリダンが関係していたとは知りませんでした。
ユーチューブでこの曲聴いてみます。
あの美声がパソコンの小さいスピーカーで満足できるかな~。