OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

帰って来たレット・イット・ビー

2021-10-16 19:58:51 | Beatles

Let It Be Special Edition (Super Deluxe) /The Beatles 
   (Apple / ユニバーサルミュージック=5SHM-CD+Blu-ray Audio)

ついに……、やって来た……、この日がっ!

ということで、以前から発売が予告されながら、諸事情で延期になっていたビートルズ最後のオリジナルアルバム「レット・イット・ビー」の特別復刻盤を昨日ゲット (^^♪

もちろん、当初の企画では所謂「50周年」だったところから1年遅れとはいえ、やはり期待が大きかったのは、拙ブログでも独善的に書いていた当時のビートルズの新作レコーディングに纏わる人間関係とビジネスの成り行き、そしてビートルズならではの創作過程が歴史として成り立っている現在からの考察に、ひとつの回答が得られる様な気がしていたからです。

で、今回の復刻プロジェクトからは例によって何種類かの商品が市場に出たわけですが、とりあえずサイケおやじが入手したのは、CDが5枚にブルーレイオーディオ盤を加えた6枚組なんですが、発売元は我が国のユニバーサルミュージックでして、それは輸入盤に日本語解説を入れた限定版仕様になっていました。

まあ、価格的にも純粋な輸入盤と変わりなかったもんですから、それなら子細な英文ライナーを日本語で読めれば疲れないという事情も大きく、それが掲載した画像にあるとおり、ボックス系アルバム本体をビニール袋に入れ、その上から国内仕様を明らかにするシールを貼り付けたというブツになっておりました (^^;

そして昨夜から本日の明け方まで、一応は通して聴いてみたんですが、個人的には正直、物足りなかったのが本音です……。


★Disc One:New Mix Of Original Album
   01 Two Of Us
   02 Dig A Pony
   03 Across The Universe
   04 I Me Mine
   05 Dig It 
   06 Let It Be
   07 Maggie Mae
   08 I've Got A Feeling
   09 One After 909
   10 The Long And Winding Road
   11 For You Blue
   12 Get Back
 最初のディスクにはアナログ盤LPと同じ曲順でアルバムが構成され、しかも「2021 Mix」と明記された、つまりは新しくリマスター&リミックスされた「レット・イット・ビー」が聴けるという事なんですが……。
 サイケおやじとしては新鮮な気持ちと違和感が入り混じった気分でして、オリジナルバージョンや後々の再発バージョン等々との細かい聴き比べに心を導かれているというか、ちょいと落ち着いて聴いていられませんでした (^^;
 つまりは……、結論先送りというこで、ご理解くださいませ <(_ _)>

★Disc Two:Get Back - Apple Sessions
   01 Morning Camera (Speech - Mono) / Two Of Us (Take 4)
   02 Maggie Mae / Fancy My Chances With You (Mono)
   03 Can You Dig It?
   04 Don’t Know Why I’m Moaning (Speech – mono)
   05 For You Blue (Take 4)
   06 Let It Be / Please Please Me / Let It Be (Take 10)
   07 I've Got A Feeling (Take 10)
   08 Dig A Pony (Take 14)
   09 Get Back (Take 19)
   10 Like Making An Album? (Speech)
   11 One After 909 (Take 3)
   12 Don't Let Me Down (First Rooftop Performance)
   13 The Long And Winding Road (Take 19)
   14 Wake Up Little Suzie / I Me Mine (Take 11)
 2枚目のディスクは主にアップルスタジオでのレコーディングから、アウトテイクやリハーサル音源を抜粋し、上手く流れを作り出した構成になっているんですが、このあたりは付属の解説書を読みながら聴くと、なかなか興味深いものがあります。
 ただし、これまでに出回っている海賊盤では、もっと大量の音源や音声が時系列というか、そのまんまの未加工で聴けてしまうので、音の良さという利点はあるものの、なんとも物足りなさは否めません……。

★Disc Three:Get Back - Rehearsals An Apple Jams
   01 On The Day Shift Now (Speech – mono)
         / All Things Must Pass (Rehearsals – mono)
   02 Concentrate On The Sound (mono)
   03 Gimme Some Truth (Rehearsal – mono)
   04 I Me Mine (Rehearsal – mono)
   05 She Came In Through The Bathroom Window (Rehearsal) 
   06 Polythene Pam (Rehearsal – mono) 
   07 Octopus’s Garden (Rehearsal – mono)
   08 Oh! Darling (Jam)
   09 Get Back (Take 8)
   10 The Walk (Jam)
   11 Without A Song (Jam) – Billy Preston with John and Ringo 
   12 Something (Rehearsal – mono)
   13 Let It Be (Take 28)
 3枚目のディスクには、主にトゥイッケンナム・フイルム・スタジオでのリハーサルからの音源をメインにしつつも、アップルスタジオでのレコーディングから幾つかの音源を組み合わせて、これまた上手い流れを構成していると思いました。
 しかし、ここもまた……、これまでたっぷりブート音源で親しんだ(?)歌や演奏があるもんですから、やはり…… (^^;
 それでも、これを契機にビートルズを聴いてみようと決意されているお若い皆様にとっては、何も夥しく虚しささえ感じさせられるブート音源に時間を費やすよりは、ここに収められたCDの2&3枚目を存分に聴きまくられる事をお勧めするばかりです。 
 つまり、なかなか、これはこれで素敵なアルバムなのかもしれませんよ、この2&3枚目は、ねっ!?!

★Disc Four:Get Back LP - 1969 Glyn Johns Mix
   01 One After 909
   02 I’m Ready (aka Rocker) / Save The Last Dance For Me
             / Don’t Let Me Down
   03 Don’t Let Me Down
   04 Dig A Pony
   05 I’ve Got A Feeling
   06 Get Back
   07 For You Blue
   08 Teddy Boy
   09 Two Of Us
   10 Maggie Mae
   11 Dig It
   12 Let It Be
   13 The Long And Winding Road
   14 Get Back (Reprise)
 実は、これこそが今回の記念盤の目玉と申しましょうか、今に続く「レット・イット・ビー」というビートルズ最後のオリジナルアルバムの原初的なスタイルを確認出来るパートでありまして、それが当初は「ゲット・バック」と題され、グリン・ジョンズによって纏められたLPの1969年バージョンなんですねぇ~~!?
 それらの経緯については以前に拙ブログで書き連ねてありますので、ご一読願いたいところなんですが、ここに収められたのは、その最初の完成形と云われる「Get Back with Don't Let Me Down and 9 other songs」を新規リマスターしたものというクレジットがあり、そこでこれまでに出回ってしまっていたブートと聴き比べてみたんですが、妙に音が綺麗過ぎて、当初、ビートルズが狙っていたラフ&ワイルドな質感が損なわれている気がします……。
 しかし、同時に、これはこれでロックの歴史的な醍醐味を堪能出来る名作かもしれませんよ (^^♪
 ちなみに、今回の記念エディションに収められた6枚のディスクは、それぞれがミニLPスタイルの紙ジャケットに入っており、この4枚目は当然ながら、最初に企画されたジャケットデザインが使用されていたのは、なかなか嬉しかったですねぇ~♪

★Disc Five:Let It Be EP 
   01 Across The Universe (1970 Glyn Johns Mix)
   02 I Me Mine (1970 Glyn Johns Mix)
   03 Don’t Let Me Down (Single Version)
   04 Let It Be (Single Version)
 5枚目のCDは所謂ボーナスディスクみたいな感じで、上記のとおり、「レット・イット・ビー」関連音源からシングルバージョンや別ミックスの楽曲を4曲集めてはいるものの、それが逆に今回の復刻の中途半端な印象を強めている感があります (^^;

★Disc Six (Blu-ray) 
 これは所謂ブルーレイオーディオ盤で、1枚目のCDに収められていたオリジナルアルバムの新規ステレオミックスのハイレゾ(96kHz/24-bit)、5.1サラウンドDTS、ドルビー・アトモス・ミックスが収録されています。
 それらが満遍なく再生出来る環境の皆様であれば、聴き比べも存分に楽しめるでしょう。
 残念ながら、サイケおやじの貧弱オーディオセットでは、それが無理ではありますが、確かにブルーレイならではの音像が聞こえている気はしています。
 そして本音では、せっかくのブルーレイなんですから、映像を入れて欲しかったですよねぇ~~~!
 これは全人類の希望だったと思うのですが…… (^^;

 

ということで、まだまだ聴き込みが不足しておりますので、本日は……、ここまでとさせていただきます。

冒頭で述べたとおり、個人的には物足りなさを感じておりますが、ひとつの商品としての纏まりとしては、それなりに上出来かもしれません。

なにしろ、ここに一緒に付属されているブックレットはポール・マッカートニー直々の序文、ジャイルズ・マーティンによるイントロダクション、グリン・ジョンズの回想記、ビートルズ研究家のケヴィン・ハウレットによる詳細な解説、ノンフィクションライターのジョン・ハリスが書下ろしのエッセイ等々が掲載され、さらにイーサン・ラッセルとリンダ・マッカートニーが撮影した未公開写真、手書きの歌詞、セッションのメモやスケッチ、ビートルズのメンバーが交わした手紙、テープボックス等々の未公開画像も様々収録されているんですから、持っていないと安心出来ないという感情が沸き上がって来るのですよっ!

実際、これを眺めているだけで、幸せな気分になりそうな自分を感じて、面映ゆいです (^^ゞ

そして、申し訳なくも中断している拙ブログの「The Beatles Get Back To Let It Be」を再開させねばならないという、独り善がりの決意を固めておりますので、よろしくお願い致します <(_ _)>

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