■黒くぬれ / Eric Burdon And War (MGM / 東芝)
自ら歌ったり、演奏するようになると、ど~しても自分の好みをやりたくなるのが人情、本音でしょう。
本日の主役たるエリック・バードンも、なかなかそういう部分に素直であったらしく、掲載シングル盤A面曲「黒くぬれ / Paint It Black」は説明不要、ストーンズが1966年に放った大ヒットのカパーなんですが、公式レコーディングだけでも実に2度目のリメイクバージョンなんですねぇ~♪
もちろん最初は、新生アニマルズを率いていた1967年という、まさにサイケデリックな時代の流行を取り入れたヘヴィなロッキンソウルの味わいに仕上げていましたが、1970年に出たこのシングルバージョンは、ニューソウルやラテンジャズをゴッタ煮で演じていたウォーとのコラボだけに、一筋縄ではいきません。
それは一応、エリック・バードンの顔を立てながらも、実はバックのウォーが完全にリーダーシップを握っているが如き様相が……。
もはや「逆もまた真なり」という定理(?)なんて、全く成り立ち様も無いでしょう。
このあたりは、まあ、あくまでもサイケおやじの独断と偏見ではありますが、実際に聴いていただければ、きっと皆様も納得されると思います。
う~ん、庇を貸して、なんとやら!?
それほど、ここでのウォーは強烈な存在感を誇示していますよっ!
そしてご存じのとおり、エリック・バードンとウォーは離別、以降のウォーが大ブレイクを果たした事は、今や歴史です。
結局、ウォーにしてみれば、エリック・バードンは確かにスタアであったとしても、優先では無く、対等な関係として、コラボしていたのでしょう。
しかし当時のロックファン、アニマルズ以来のエリック・バードン信者にとっては、そうした結果が不条理としか思えず、ウォーを忌み嫌う者が続出していたと言われています。
実際、告白すればサイケおやじも、そうしたひとりだったんですよねぇ、最初は。
ところがウォーが自らの名義で出し続けたレコードを聴く度に、そういう気持は自然と消えました。
そこであたらめて、この「黒くぬれ」を聴いてみると、あ~ら不思議♪♪~♪
なんともラウンジ系ソウルミュージックとでも申しましょうか、適度のサイケデリック風味も好ましく、ちょいと中毒してしまうほどの好ましさです。
ということで、最後になりましたが、このシングルバージョンはアルバム「エリック・バードンの黒い世界 / The Black-Man's Burdon」収録の組曲形式から編集抜粋したものですから、要注意!
明らかにアルバムの流れの中で聴く印象とは異なる、妙に人懐っこい仕上がりが感度良好ですし、エリック・バードンの黒人音楽愛が溢れ出ていると思うばかり!
エリック・バードンは、本当に真っ黒な歌手で、ウォーが逆に白っぽく感じるんですから、シビれが止まらないのも納得しております。
>しかし当時のロックファン、アニマルズ以来のエリック・バードン信者にとっては、そうした結果が不条理としか思えず、ウォーを忌み嫌う者が続出していたと言われています。
遅れて聴きだしたわたしからすると、へ~そうなんだ、です。
いつもありがとうございます。
コメントありがとうございます。
ウォーと作ったアルバムは2枚、共に名盤認定されていると思いますが、リアルタイムでは賛否両論というか、エリック・バードンに期待して聴くと、些か肩すかし??
後にウォーが大ブレイクを果たして以降、名盤にされた(?)のが、真相かもしれませんよ。
ただし虚心坦懐に接すれば、エリック・バードン&ウォーは素晴らしいグループである事は明白です。
まあ、時代がついていけなかったのでしょう。
尤も個人的には本格的なブラスロックをやるエリック・バードンが聴きたかったんですけどねぇ~(笑)。
エリック・バードンが「エリック・バードンとアニマルズ」となってからのヒットは「サンフランシスコの夜」「スカイ・パイロト」さらにウォーとは「スピル・ザ・ワイン」
どれも好きな曲ですが、どちらかというと軽く歌ってます。
「黒くぬれ」は兄がLPを買ってきたのですが(エリック・バードンは兄の領分)歌があまりにしつこくて辟易した思い出があります。
彼は元々ブルースなのでこうなっちゃうんだろうと解しています。
私たちが聞き出したときは「エリック・バードンとアニマルズ」だったので、B面を含めて大好きでした。
ベスト盤を買ったが良かったです。
「モンタレー」は最初の「イン・ザ・ビギニング」から始まったし「スカイ・パイロット」はPart1とPart2がつながっていましたし。
コメントありがとうございます。
私も同様、貴兄のプログは日々、拝読しております。
さて、当時のエリック・バードンは、やっぱり迷い道だったような気がしています。
しかもウォーが大ブレイクしてしまったのも、マイナス要因でしょうか、実は表舞台から消えてしまった時期から懐メロサーキットでアニマルズを再度やり始めた頃からの数少ないレコーディングは、予想外に素晴らしいんですよ。
ただし、時代遅れ感は否めず、評論家の先生方からはウケが悪くて、浮かびあがれないんじゃ~ないでしょうか。
エリック・バードンもきっちりしたアンソロジーが組まれるべき偉人だと思うんですが。