OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

沢口靖子への告白

2019-12-07 18:06:25 | 歌謡曲
■Follow Me / 沢口靖子 (東芝)

スタア女優の証明のひとつとして、自ら歌うレコードを出すという時代が昭和の芸能界であり、おそらくは……、その最後のひとりが昭和63(1988)年に本日掲載のシングル盤を出した沢口靖子かもしれません。

ご存知のとおり、彼女はデビュー当時から東宝の箱入り娘という扱いでしたから、直ぐに映画やテレビドラマの世界で良いポジションを得ていたのですから、シングルヒット狙いのレコードも作られていて当然の存在だったでしょう。

確か、ほとんど最初の頃の出演映画の劇中でも、歌唱シーンとかあった様な記憶があるんですが、だからと云って、沢口靖子の歌唱力が素晴らしいとは決して言えないでしょう。

しかし、それでも沢口靖子が最高なのは、正直ターヘな歌を堂々と臆面も無く演じきっている事で、それもスタア女優の確固たる存在意義と思うんですよ。

サイケおやじがそれに気づかされたのが、このシングル盤A面に収録の「Follow Me」をテレビの歌番組で演じている彼女を見た瞬間でして、それは決して「歌っている」じゃ~なくて、「演じて」いたんですよ、印象としてっ!

だってメロディは曖昧に節回すし、リズムに対するノリもイマイチながら、決して臆する事の無い佇まいと表情から放出されている自信は、絶対スタアでなければ表現出来ない世界だと思ったんですねぇ~~。

正直、感銘を受けましたですよ。

で、それからしばらく後、中古屋でその時の楽曲「Follow Me」が入っているシングル盤を発見すれば、是か非でもゲットせずにはいられなかったというわけです。

そして実際に針を落としてみれば、作詞:川村真澄&作曲:小室哲哉が提供している事の理由は分からずとも、楽曲そのものは相当に秀逸な歌謡ポップスで、何よりも一般的なイメージとしての小室哲哉流儀の無機質なモードを使ったダンスミュージックになっていないのは高得点!

極言すれば、全く普通っぽい構成でありながら、ちゃ~んと歌手本人の音域やリズム感を考慮して作ったと思われるフシが感じられ、また同時に大村雅朗のアレンジも巧みなシンコペーションを用いていて、流石の手際と思います。

もちろん、だからこそ、のっぺらぼう的な沢口靖子の歌唱が活かされていると言えば、贔屓の引き倒しではありますが、まあ……、いいか (^-^;

ということで、沢口靖子は美人女優というのが通り相場なんでしょうが、失礼ながら、個人的には「鼻フック」顔が小憎らしいというか、どんな役でも生臭みを感じさせない演技に魅力を感じる事はありません。

もちろん出演しているテレビドラマや映画も興味の対象外なんで、積極的には接していないので、そんなこんなを断言する事は中途犯がなんですが、それでもサイケおやじは妙に彼女の歌の世界が気になってしまいます。
 
うむ、今度はLPをゲットしようっ!
 
と、昔っから思いつめていながら、なかなか実行に移せない、そんな不安定な欲望に誘ってくれるのが、サイケおやじにとっての沢口靖子であります。
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