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サイケおやじの生活と音楽

永遠のメリー・ジェーン

2010-02-27 12:01:55 | 日本のロック

メリー・ジェーン / つのだ★ひろ (日本フォノグラム)

今や日本のスタンダードロックとなった、所謂「泣きのスローパラード」ですが、それは全篇が英語詞で歌われるというのが、なかなかでした。

というのも、これが世に出た1971年には、ロックは英語が本道!?!

つまり、日本語のロックは邪道!?!

な~んていう、今となっては曖昧な議論が真剣にあった中でのヒットでしたから。

ご存じのように、つのだ★ひろは十代の頃から天才ドラマーとしてプロ活動をスタートさせ、モダンジャズでは渡辺貞夫のレギュラーカルテットのメンバーとなって海外でのツアーにも参加したり、あるいはジャックスやミカバンド等々で日本のロックを作る助っ人もやっていたわけですが、やっぱりこの「メリー・ジェーン」のイメージが強いのは否めません。

確か初出は昭和46(1971)年、つのだ★ひろが元フィンガーズの成毛滋と組んでいたストロベリー・パスというバンド名義のアルバム「大鳥が地球にやってきた日」に収録されていたんですが、リアルタイムではそれほどの評価もなかったと思いますし、アルバムそのものも売れなかったと記憶しています。

ただし先輩から聞かせてもらったその内容は、ハードロックからプログレ、フュージョン系のインスト等々も含んだ幕の内弁当のようなバラエティ盤で、それゆえにイマイチ、私にはピンッとこなかったという……。

それが同年の秋の終り頃から、何故か「つのだ★ひろ」名義のシングル盤となって、ラジオの深夜放送から人気を呼び、ジワジワと売れていったのです。

なにしろ曲メロが抜群に良いですからねぇ~♪ 間奏のギターも泣いていますし、地味~なペースや如何にものドラムスにビートの芯があり、さらに作り物っぽいストリングやコーラスも胸キュンフィーリングを増幅させるのですが、なによりもフィリーソウルなつのだ★ひろの歌いっぷりが琴線に触れまくり♪♪~♪

ちなみに作曲はもちろん本人ですが、作詞の Christopher Lyn とは、これまた元フィンガーズの蓮見不二男で、アレンジが成毛滋になっていますから、まさにニューロック歌謡ですよねぇ~♪

そして既に述べたように、今日までロングセラーの名曲名唱になっているわけですが、その秘密のひとつが、1970年代の我国のゴーゴー喫茶やディスコでは、チークタイムの定番になっていたからでしょう。実際、本当に良いムードが広がるんですよね♪♪~♪

で、ちょっと余談になるんですが、学生時代の私が入れてもらっていたバンドが、夏休みのバイトで仲間のひとりの実家が経営していた地方の海浜ホテルで演奏出来たという思い出があります。それは10日間、昼夜2回の演奏をやって、後は海の幸がどっさりの食事と遊び時間がいっぱいという、大変に美味しい話だったんですが、実際にはビアガーデンの掃除もやらされたし、酔っ払いに物を投げつけられたりして、現実の厳しさを思い知らされました。しかし、それでも夜の部でやっていた、この「メリー・ジェーン」はウケましたですね。

もちろん演奏は相当にトホホだったんですが、それでも良い雰囲気をなんとか醸し出せたような自己満足の気分になったのは、曲の魅力というところだと感謝しています。

ということで、誰しも一度は耳にする名曲として、これからも様々な思い出と共に生き続けるんじゃないでしょうか。

最後になりましたが、「つのだ★ひろ」は何時の頃からか「つのだ☆ひろ」になったようですね。でも、このシングル盤を出していた当時は「★」でした。

また曲そのものにも幾つかのバージョンがあって、まず前述したアルバム「大鳥が地球にやってきた日」には当然ながらフルバージョン、そして掲載したシングル盤には部分的に編集されたショートバージョンが収められているんですが、実はその間には最初に出されたジャケット違いの初版シングル盤があり、これまたミックスや編集ポイントが微妙に異なる別パージョンが入っているという未確認情報があります。

というか、その初回シングル盤にしても、この再発シングル盤同様のバージョンが使われているという事実も確かににありますので、う~ん……。

そして現在ではアルバムバージョンに統一されてしまったようですねぇ。

まあ、それはそれとして、これも立派な日本のロック!

最初に目をつけたのはフィリピンバンドだったという説もありますが、当時から大抵のハコバンがやっていましたし、後年にはブラターズにもカパーされ、国内はもちろん、外国向けのカラオケも作られているんですから、もう永遠のスタンダードなんでしょうね。

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11 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (Log)
2019-03-19 06:48:15
こんにちは。宜しくお願いします。私の中でつのださんは、ナベサダグループとセッション・グランプリの方なので、「メリージェーン」はちょっと違和感あるんですね。それに、他にバラードの名曲がいっぱいあるのに、「メリージェーン」だけが特に定番扱いされるのも違和感がある。確かに名曲ですけどね…。
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Unknown (サイケおやじ)
2010-02-28 15:29:24
☆fuky alligator様
結果報告、ありがとうございます。

やっぱり、別バージョンでしたか。
吉野藤丸、懐かしいですね。
西城秀樹のバックバンドやスタジオの仕事から、shogunなんていう凄腕バンドでヒットを飛ばしましたですね。

それとつのだ☆ひろは作曲家としても有能で、確か「失恋レストラン」も書いていたと思います。そのあたりも評価されるべきでしょうね。
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別バージョンの様ですね (funky_alligator)
2010-02-28 09:30:33
サイケおやじ様

貴重なヒントを有難うございます。
改めて聞きなおしたのですが、鋏が入っている気配は無く、3分40秒の演奏になっています。

そう思って聞くからかも知れませんがギターのソロも芳野藤丸さんっぽい感じがします。

ちなみにスペースバンドのレコード会社も同じ日本フォノグラムのヴァーティゴです。

印税の件ですが、まだPDにはなっていないので継続してかなり入って来ているのではないでしょうか?

また、★☆の件は時期については述べれていませんが理由については、Wikiに記載されていました。★で検索するときちんと☆へ転送されます。

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はっぴいえんど (サイケおやじ)
2010-02-28 07:32:20
☆あずき様
コメント、感謝です。

はっぴいえんど、同時期ですよ。
ただし、リアルタイムじゃ、はっぴいえんどは売れないバンドでしたよ。今日の伝説なんて、後付けでしょうね。

メリー・ジェーンが売れたのは、英語で歌ったからでしょう。だからディスコでも違和感がなかったというわけです。
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英語vs日本語 (サイケおやじ)
2010-02-28 07:29:19
☆TK様
コメント、感謝です。

日本語のロック云々は時代の要請というか、寝返った者も納得するしかなかったんじゃないかと(笑)。

まあ、最初っから日本語でロックすると、GSとの差別化が図れなかった所為じゃないてしょうか。
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ナベサダ時代 (サイケおやじ)
2010-02-28 07:25:40
☆bob様
コメント、感謝です。

ナベサダカルテット時代はヤジられたことも半端ではなかったそうですよ。演奏にムラっ気があったのがいけなかったと、本人が後に語っています。
昔、楽器屋でのデモ演奏で間近に接したドラミングは驚異的に上手くて、凄かったです。腰が抜けましたですね。
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スペースバンド (サイケおやじ)
2010-02-28 07:22:23
☆funky alligator様
コメント、感謝です。

所有されているスペースバンドのCDは聴いたことがありませんので、確証はありませんが、スペースバンド名義だと、再録じゃないでしょうか。確かレコード会社も違っていると思われます。
一応、このシングル盤のランニングタイムは、4分34秒と記載されていますので、何かの参考になれば幸いです。

あと以前に本人が語っていたんですが、この曲で大儲けしたんで、恩返しの意味でスペースバンドをやって、スッテンテンになったそうですよ(笑)。
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Unknown (あずき @ねこや)
2010-02-27 20:07:58
はっぴいえんどはこの後でしょうか?
日本語のロック云々がずいぶん話題になってましたよね。
どういうわけか私の場合はっぴいえんどの後にこのメリー.ジェーンだったもので最初は日本人の曲じゃないと勝手に思い込んでました(笑)
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Unknown (TK)
2010-02-27 19:15:55
真剣に喧嘩腰で討論してましたよね、日本語のロックは有りか無しか。


日本語でロックは出来ないと断言したクリエイションの竹田和夫が、日本語で歌ってるのテレビで見た時は唖然としました(笑)
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こんにちは (bob)
2010-02-27 16:43:59
彼が在籍したナベサダ・カルテットのライヴに接したことがありますが、驚きましたね。何せ予備知識がなかったものですから、星条旗をあしらったタンクトップにアフロヘアという出で立ちは強烈なインパクト。とんでもないロック野郎がなだれ込んだものだ、と思いました。

この曲はロングセラーですね。
まさにチークタイムの定番で、初聴きのときは外人さんが歌っているのかと思ってしまいました(笑)。
曲の良さに助けられ、私も何回かカラオケで「メリジェ~ン、オンマイマイ~ン♪」と自己満足の極みに…(笑)。口ずさみたくなる曲なんです。
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別バージョン? (funky_alligator)
2010-02-27 15:17:27
私は「キャプテンひろ&スペースバンド」の "Lost & Found"? を持っているのですが、このアルバムのメリー・ジェーンは別バージョンなのでしょうか?
ストリングスが入っていて、間奏もストリングスによるもので途中からギター・ソロになります。

ちなみに、この曲での印税は凄いんでしょうね。
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