■くちづけが怖い ~ COBALT SEVEN ~ / 久美かおり (日本コロムビア = 7吋EP)
掲載したのは、久美かおりが昭和43(1968)年に出した、33回転の4曲入りEP盤で、収録されているのは下記のとおり――
A-1 くちづけが怖い
A-2 夜明けの海
B-1 今日から私は
B-2 草の鏡
――という、つまりはデビューシングル「くちづけが怖い c/w 夜明けの海」と続く2作目「今日から私は c/w 草の鏡」を組み合わせた徳用盤なんですが、あらため本日ご紹介するのは先日来から借りているトランクルームの移転&整理整頓により、すっかり忘れられていたブツの再発見(?)によるバチアタリ懺悔の一環であります (^^;
で、収録の4曲は全て作詞:なかにし礼&作編曲:東海林修が提供した都会派歌謡曲であり、デビューヒットの「くちづけが怖い」から顕著になっていたジャズっぽい節回しやブレスの妙が、件のシングル盤B面に入れられていた「夜明けの海」でも全開♪♪~♪
とにかくスローなボサノバタッチの曲展開に附されたアレンジは流麗なストリングスをメインにしているもんですから、久美かおりのソフトな声質による歌唱がオシャレ過ぎて、リアルタイムじゃ~日本人には敷居が高かった雰囲気が今も感じられるほどです。
それは2nd シングルのA面曲として出された「今日から私は」にも受け継がれ、全体の雰囲気は西田佐知子っぽいムード歌謡路線を企図してはいると思うんですが、やはりアレンジはジャジーですし、仄かなボサノバフィーリングにジャストミートの久美かおりのボーカルに酔わされてしまうのは必然でありましょう (^^♪
ですから、そのB面に収められた「草の鏡」が欧州系セミクラシック調のストリングを用いたスローなボサノバ歌謡に仕立てあげられているのも納得して感銘を受けるばかりで、平たく言えば、シビレが止まらないってわけですよ (^^♪
あぁ~~、ノーブルな声質とソフトな節回しが中間部で8ビートでグルーヴする瞬間の刹那のフィーリングが、実にたまりせん (^^♪
もう、このあたりになるとサイケおやじの稚拙な筆なんかは戯言であり、ぜひとも皆様に聴いていただきたいと願うばかりなんですが、それでも最後に申し述べておきたいのは、どんなに下世話な楽曲であっても、どこかしら犯しがたい気品を感じさせるのが、久美かおりの歌の世界だと思います。
ということで、最後になりましたが、このEP盤をゲットしたのは、もちろん中古の猟盤活動による獲物だったんですが、特にサイケおやじがグッと惹きつけられたのは、ミニスカファッションのピンナップ風ジャケ写でありました (^^♪
言うまでもなく、これが昭和43(1968)年のトップモードであり、あのイイ時代を懐かしてしまうのでした。