OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

永遠のダスティー姐さん

2013-10-08 12:01:08 | Pops

Wishin' And Hopin' c/w 行かないで / Dusty Springfield (Phillps / フィリップス)

ダスティー・スプリングフィールドは、1960年代のイギリス大衆音楽界を代表する歌手のひとりですが、様々な事情から1970年代に入ると急速に売れなくなった所為で、一時は忘れられた存在でありました。

しかし、何かの機会に彼女のハスキーな歌声や自然体でソウルフルな節回しの妙、それでいてチャーミングな表現に一度でも接すれば、必ずや虜になることは請け合い!

それほど素敵な歌手がダスティー・スプリングフィールドであります。

と、いきなり大上段に構えた書き出しをしてしまったわけですが、それでも彼女については、もう、それしかありえない魅力と凄さを感じるのがサイケおやじの立場であって、大袈裟ではなく、予断は禁物!

ただしサイケおやじが英国の音楽に興味を惹かれたのはビートルズが最初ですから、そのまんまの勢いでホリーズキンクスに夢中になっていた間に、実はダスティー・スプリングフィールドが実力派としてポップスの王道を邁進していた実情は後追いで知ったのです。

それと、もうひとつ、これは恥ずかしながらサイケおやじの少年時代からの性癖として、年上の綺麗なおねえさまが大好きですから、当時の洋楽雑誌に掲載されていた彼女の写真を眺めては、憧れが♪♪~♪

そして最初に買ったのが中古ではありますが、本日掲載のシングル盤でした。

ちなみにダスティー・スプリングフィールドは既に述べたとおり、イギリスの歌手なんですが、アメリカでも絶大な人気をあり、このシングル盤にメイン収録の「Wishin' And Hopin'」はアメリカ優先の大ヒットになった1964年の傑作で、曲を書いたのはご存じ、バート・バカラックとハル・デヴィッドの名コンビですから、売れて当然とは言いながら、やはりダスティー・スプリングフィールドならではのソフトハスキーな声質によるソウルフルな節回しがあればこそっ!

以下は全くサイケおやじの独断と偏見になるんですが、確かに彼女がブラックミュージックの影響下にある事は間違いないとしても、モロにコピーしてるわけじゃ~なくて、白人である個性を埋没させない上手さがあると思います。

それは所謂「ブルーアイドソウル」という音楽用語で括られる事もありますが、聴くほどに染み込んでくる彼女の魂の歌声は、筆舌に尽くし難いんですねぇ~♪

もう、こんな稚拙な筆を弄するまでもありません。

ただしダスティー・スプリングフィールドに接する「きっかけ」は、例えばエルビス・プレスリーの「この胸のときめきを / You Don't Have To Say You Love Me」やベイ・シティ・ローラーズの「ふたりだけのデート / I Only Want To Be With You」等々のカーバー&リメイクヒットによってもたらされている事も、また事実でしょう。

つまり急速に表舞台から消えていった彼女の諸事情が、あれこれ気にならないと言えば、嘘になるのです。

さて、そうして時が流れた1987年、突如としてヒットチャートを賑わしたのがペット・ショップ・ボーイズとの共演「What Have I Done To Deserve This ?」でありましたが、如何にもヒネリの効いたダンス系ポップスには、ダスティー・スプリングフィールド持ち前の個性がジャストミート♪♪~♪

本国イギリスはもちろん、アメリカや世界各国でも売れまくり、息を吹き返したダスティー・スプリングフィールドは、続けて幾つかのヒットを放っていったわけですが、ここまで書いてきた諸々に関しては、ちょうどその頃、イギリスで放送された彼女の特番(!?)に接したサイケおやじの後追いの知識でありまして、輝かしくも波瀾万丈のキャリアが綴られた往年の映像や音源に感動した記憶が今も鮮烈です。

もちろんそこには落目になっていた1970年代の実相、悪いクスリやバイセクシャル問題等々も含めて、光と影の世界があるわけです。

そのあたりについては、あえてここでは触れませんが、そういうものがあっての歌の味わいが無いと言えば嘘になるような気がします。

また彼女は不治の病により、1999年に意外なほどあっさりと言えば語弊があるとは思いますが、まだまで花を咲かせる時期に亡くなってしまった現実は、如何にも「らしい」と思うばかり……。

だからこそ、サイケおやじはダスティー・スプリングフィールドのレコードを愛でる度に神妙にもなりますし、その歌の力に心底夢中にさせられるのです。

ということで、ダスティー・スプリングフィールドについては、いくら書いてもキリが無いんですが、そのキャリアの初期には兄や友人と組んだスプリングフィールズというフォーク系のグループがあり、幾つかのヒットを飛ばしていた頃の巡業中にアメリカの黒人ソウルミュージャンと邂逅!?

それによってR&Bやジャズに目覚めた(?)た彼女は前述したスプリングフィールズを人気絶頂時に脱退し、ソロシンガーに転身! いよいよブルーアイドソウルの元祖的活動に入ったというのが歴史になっています。

掲載の私有シングル盤B面に収められた「行かないで / Stat Awhile」は、ちょうどその上昇期であった1963年の大ヒットであり、当時の世界的な流行になっていたモータウンサウンドと白人ポップスの幸せな結婚、あるいはフィル・スペクターの流儀がちょっぴり滲み出た素敵な仕上がり♪♪~♪

個人的には、こっちのB面に多く針を落していたのがサイケおやじの好みの表れでしょうか。

今回、この拙文を書くにあたって久々に数次、聴きましたが、やっぱり何度でもサイコォ~~~~♪

という気持はますます強くなるのでした。

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6 コメント

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Unknown (プレイボール)
2013-10-08 14:24:57
私の知人は「行かないで」は弘田三枝子の「人形の家」に曲が似てるといってました。またダスティのDVDを見せたら弘田三枝子もこんなかっこしてたなあ~ともいってました。ダスティはやはり60年代から70年代かけての頃がよいです。洋楽のオールディズ特集をFMできいて歌声が少しドリカムの吉田美和に似てると感じ以降虜になりました。ドリカムの機械音楽をきくより断然こちらしかいいです
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007 (ちんたろ男)
2013-10-09 07:23:28
その昔、デヴィッド・ニーヴン主演のカジノロワイヤルという007のコメディ映画がありましたね。タイトル曲をはじめとするサウンドトラックも最高におしゃれですが、私がはまったのはベッドシーンに挿入されるルックオブラブという曲。今みたいにネットの無い時代、必死で探してダスティーの曲だと知りました。その後、ダスティーの頭の大きさに驚かされましたが、バート・バカラックなんかもこれがきっかけで知ることができました。話はそれますが60年代のイギリス映画は曲がおしゃれですね。
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Unknown (毎日がYukiYuki)
2013-10-09 09:23:04
ダスティー・スプリングフィールドと言えば「この胸のときめきを」をリアルタイムできいていたのですが、日本で大ヒットしました。
高校の時、このシングルを売ってしまいましたが、どうしてもききたくて探したところ「ラブ・ムード ベストヒット20」という安価なCDに入っていました。
The All-Time Populiar Hit-Paradeにも入っていましたが、音のバランスがレコードと違っていましたので、好みのものが入手した時は本当に嬉しかったです。
彼女が「ザ・ヒットパレード」に出演予定だったのが、どういうわけか歌うのを拒否したとき、ザ・ピーナッツが変わりに歌ってくれたと「すぎやまこういち」が言ってました。
ブロッサム・ディアリーが彼女の名前を褒めている歌があってブロッサム・ディアリーの変人さがわかります。
とにかく彼女の声、歌は何度きいても飽きない、いや逆にひきこまれて行く魅力がありますね
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ダスティーの魅力一番 (サイケおやじ)
2013-10-09 10:11:59
☆プレイボール様
コメントありがとうございます。

ダスティー・スプリングフィールドの影響は昭和歌謡ポップスにも大きいと思いますよ。特にバック演奏とボーカルの位置関係というか、雰囲気の出し方は弘田三枝子の諸作にも滲んでいるんじゃ~ないでしょうか。
ただしボーカリストとしての資質は誰もが真似出来るものではなく、唯一無二の個性があるからこそ、今でも崇められ、ファンを増やしているわけですよねぇ~♪

なによりも人間味のある歌唱表現に惹かれます。
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007再考 (サイケおやじ)
2013-10-09 10:16:54
☆ちんたろ男様
コメントありがとうございます。

「Look Of Love」も素敵ですよねぇ~♪ あの吐息まじりのボーカルは最高だと思います。

「カジノロワイヤル」も公開当時は賛否両論だったと言われていますが、あの世界は絶対的に何時の時代も面白く観られるはずですし、なによりもリアルタイムの感性が記録されたところは貴重でしょう。

最近の真面目一方の007よりは、ずぅ~~っと素敵ですねぇ~、私には♪
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納得の度合い (サイケおやじ)
2013-10-09 10:23:34
☆毎日がYukiYuki様
コメント感謝です。

再発盤はアナログでもCDでも、第一印象が異なっていることが少なくないのが実情でしょう。
もちろんオリジナル音源のソースが痛んでいる等々の事情があるにせよ、それならガタガタになった最初のアナログ盤を聴いていた方がマシ!? と思わせられたら、おしまいですよ……。

それとダスティー姐さんは妥協しない人だったらしく、殊更仕事、つまり歌については納得しないと何も出来ないとか!?
だとすれば、もしも存命なら、安易なリマスター再発なんか許すはずもないでしょうねっ!
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