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サイケおやじの生活と音楽

この人だぁ~れ part-90:多川美紀

2022-07-05 17:36:40 | 歌謡曲

二人の別れ c/w わたしの銀座 / 多川美紀 (クラウン)

古今東西、夥しく作られた音楽の曲名には、大きく分けて「ストレートに分かり易い」もの、それとは逆に「難解で、リスナーに想像力を要求する」ものがある様に思うんですが、いかがなものでしょう。

もちろん、そこには「歌詞の有無」も大きく関わっているわけですが、やっぱり大衆音楽であれば、「分かり易い」曲タイトルがヒットに結び付く要因かもしれませんし、だからと云って、その全てが受け入れられるほど、芸能界が甘くない事は言わずもがな…… (^^;

例えば、多川美紀と名乗る女性歌手が昭和44(1969)年に出した本日掲載のシングル盤は、収録両面とも、これ以上無いほどにストレートなタイトルの2曲がA&B面に振り分けられているんですが、何れも仕上がりの良さに反して、全くヒットしていたという記憶がサイケおやじにはありません。

もちろん、ですから、このシングル盤にしても、時代が平成に移り変わってから中古ゲットした1枚ですし、多川美紀についても、サイケおやじには完全に「この人」シリーズの歌手です。

で、肝心のA面曲「二人の別れ」は作詞:荒川利夫&作曲:麓裕司が提供の典型的なムード歌謡であり、彼女の歌唱にも青江三奈の影響下にある様な声質を活かした節回しが滲み出ているんですが、ここでの尚更にベタベタした歌いっぷりが個性の証?

既に述べたとおり、歌詞の世界が男女の別れをストレートに綴っているだけに、この泣き節は正鵠を得ていると申しましょうか、加えて小杉仁三のアレンジに微妙なカントリー&ウェスタン風味が漂っているもんですから、たまりません (^^)

そして一方、B面に収録された「わたしの銀座」は作詞:臼井ひさし&作曲:麓裕司による、そのものズバリの銀座ご当地ソングではありますが、具体的な地名や名物(?)よりは、あくまでも歌っている本人の抽象的な好き嫌いをアップテンポの明るいメロディに乗せました――

という感じでなんですが、、その曖昧なところを多川美紀は、これまた青江三奈っぽい節回しで軽快に歌ってしまったという、これはこれでムード歌謡と歌謡ポップスの素敵な結婚みたいな仕上がりは、やっぱり小杉仁三の編曲がイイ仕事でしょう (^^)

ちなみにサイケおやじが、このシングル盤をゲットしたのは、それなりに高値が付いていた値札にセールの赤線があり、ほとんど半額だった所為でして、つまりは本来、相当の人気盤なんでしょうねぇ~、サイケおやじが知らないだけで (^^;

う~ん、実際に聴いてみると、それも納得させられてしまう「何か」があると思う外はありません (^^;

ということで、大衆音楽の曲名は大切な要素にして、楽しみのひとつでもあるんじゃ~ないでしょうか?

ある高名な評論家の先生の至言によると、洋楽で「Blue」という単語が入っているタイトルの楽曲に駄作は無いそうですし、だとすれば邦楽じゃ~、「悲しき」でしょうか?

そんなこんなの題名が付けられた楽曲だけを集めたオムニバス盤が出ている様な気もしますし、なぁ~に、自分で集めたコンピファイルを作るのも一興と思っているのでした。

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