■愛されたいの / 緑魔子 (東芝)
緑魔子は、その小悪魔的キャラの濃さにおいて、我が国の映画演劇界に強い印象を刻み続ける名女優だと思うのはサイケおやじだけではないと思うんですが、しかし、それとは真逆というか、そんなイメージを逆手に活かしたが如き、薄味の表情を見せてくれるあたりが、これまた彼女の魅力かもしれません。
例えば、昭和43(1968)年に発売された本日掲載のシングル盤は、当時流行のエレキ&ビート歌謡を聴かせてくれた人気作なんですが、作詞:平田淳&作曲:東京之助から提供のA面曲「愛されたいの」は、強いビートを伴ったアップテンポで湿っぽいメロディラインに幾分ネチッコイ女心の刹那の願望が綴られた歌詞が附されているんですが、それを緑魔子は、意外にも「さっぱり」した感覚で節回しているんですねぇ~~♪
つまり、彼女の一般的なイメージからして、こ~ゆ~楽曲であればこそ、もっともっと濃厚な雰囲気を作り出して歌っているのが望ましいと思うんですが、ある意味、それが裏切られてしまったというあたりの逆説的快感が、ここにある様な気がするんですよ、少なくともサイケおやじには、そ~思えてしまいます (^^)
ちなみに、ここでのアレンジは小谷充が担当しているんですが、仕上がったステレオミックスが左右片方のチャンネル毎にドラムスとエレキギター、そしてベースとストリングス等々に完全に分離されているあたりにも、これまで述べてきた「すっきり感」を増幅される狙いがあるのかもしれません。
そして、だからこその面白さが、このレコードに刻まれたと思えば、そんなこんなも昭和歌謡曲全盛期の大きな魅力と思うばかりでございます。
ということで、本日は特段のオチもありませんが、それにしてもトルコ ~ シリアを襲った大地震による甚大な被害・惨状には心が痛みます。
サイケおやじは直接的な手助けは出来ないものの、それでも募金とか、微力を尽くす所存です。
そして、明日は我が身と、あらためて気持ちを引き締めているのでした。