OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

ペドロ&カプリシャスのリアルなグルーヴ

2013-12-25 15:40:44 | 歌謡曲

別れの朝 c/w 夜のカーニバル / ペドロ&カプリシャス (ワーナーパイオニア)

本日掲載したのは説明不要、ペドロ&カプリシャスを一躍有名にした初期の大ヒット「別れの朝」を収録したシングル盤なんですが、B面「夜のカーニバル」も侮れません。

これが発売された昭和46(1971)年秋の我国音楽状況の中では、なかなかファンキーなラテンロック歌謡に仕上がっているんですねぇ~♪

実はサイケおやじが初めてペドロ&カプリシャスのライプステージに接したのは、その年の12月、ちょうど「別れの朝」がジワジワとヒットし始めた頃、確か某ファッション関係の無料イベントだったと記憶しているんですが、当時はあれほど盛んだったGSブームが過ぎ去り、メジャーな活動をやっていたロックバンド形態のグループが極めて少なかった事から、高校で入れてもらっていた学内同好会のバンドメンバーと一緒に、そこへ見学(!)に赴いたというわけです。

そうです、ここであえて「見学」と書いたのは、前述したような状況から、確かにニッポンのロックバンドは存在していながら、そういうグループはディスコやゴーゴー喫茶等々、現在のライブハウスと似て非なる、不良の溜まり場的な店で、しかも夜~深夜に演奏している事が多かったので、トーシロながらロックを志す青少年にとっては、そうした貴重なライプの現場は敷居が高く……。

そこで日中に行われる公開放送やキャンペーンの無料ライプの情報を得た場合、出演グループの有名度よりは、とにかくロックバンド形態のプロの技を「見学」する機会が極めて大切なチャンスだったんですよっ!

で、そこに登場したペドロ&カプリシャスはペドロ梅村(per) 以下、前野曜子(vo)、ヘンリー広瀬(fl,sax,per)、古城マサミ(g)、関森清(key)、佐渡岩男(b)、鈴木正夫(ds) という7人組だったと思われるんですが、とかにくバンド全体から発散されるリズム的興奮は圧巻!

そのグルーヴは流石、プロの成せる技でありました。

中でもサンタナでお馴染みの「Black Magic Woman」におけるラテンパーカッションの強烈なビート感、ジャニス・ジョプリンの人気曲「ジャニスの祈り / Move Over」での前野曜子のソウルフルな歌いっぷりは圧巻でしたねぇ~~♪

また、当然ながら「別れの朝」も聞かせてくれましたが、やっぱり素敵な歌ですよ、これはっ!

ちなみに作曲はヨーロッパで活躍していたウド・ユルゲンスで。、本人の自作自演バージョンもそれなりにヒットしていたんですが、なかにし礼の綴った日本語詞をハートウォームに歌いあげる前野曜子のボーカルに接してしまえば、その決定版はペドロ&カプリシャス♪♪~♪

というか、前野曜子が歌ってこその「別れの朝」でしょうねぇ~♪

しかし、サイケおやじが件のレコードをゲットしたのは、これまた当たり前に中古でありまして、それはあまりにも大ヒット曲であったがための安心感というか、何時でも聴けるという現状認識でありました。

ところが実際にそれを入手して吃驚仰天!

冒頭に述べたとおり、B面収録の「夜のカーニバル」がクールで熱い名演名唱!!

それを最初に接したイベントステージでやっていたかは覚えていなんですが、確かに強靭なファンキーグルーヴは、ライプバンドとしてのペドロ&カプリシャスの実力をしっかりと記録したものと思います。

とにかくイントロから炸裂するな剛直なギターとハードドライヴィングなフルート、幾分押さえた前野曜子の節回しも素敵ですが、またまた間奏で飛び出すフルートのエキセントリックファンクなアドリブも絶品ですからねぇ~~♪

作詞:なかにし礼&作曲:かまやつひろし、そして編曲:前田憲男が企図した世界が、完全に演じられているんじゃ~ないでしょうか。

また、A面曲「別れの朝」のスタジオバージョンが、オーケストラの大々的な導入で仕上げてある事から、この「夜のカーニバル」のカラオケパートもセッションミュージシャンが?!?

なぁ~んていう疑惑を抱かれそうですが、個人的にはきっちりペドロ&カプリシャスの自前だと思っていますよ。

だって、一度でも彼等のライプに接すれば、これと同質のグルーヴに酔わされてしまうんですからっ!

ということで、なにか当時のライプ音源や映像が纏まって出ないものかなぁ~~、それを長年待ち望んで、幾年月……。

前野曜子、そしてペドロ&カプリシャスには今こそ、それが絶対に必要だと、強く確信しているのでした。

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8 コメント

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Unknown (プレイボール)
2013-12-25 18:18:22
前野さんといえばアニメ「スペースコブラ」の主題歌が印象的です。エンディングテーマ「シークレットデザイァー」はアニメソングとしてはかなりしゃれたジャズナンバーです。
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サンタナ! (ちんたろ男)
2013-12-25 22:03:45
おおペドロ&カプリシャス。そうですか、ライブを見たことがあるんですか、そりゃすごい。私は例によって歌謡曲的な見地からリサイタルレコードを入手して聴きました。あれ?この人たちロックやりたかったの?それもサンタナ!?すごい驚きでした。もろサンタナをやっているところに限界を感じますが、これもロック過渡期の頃の
日本には重要な記録と言えますね。
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真価 (サイケおやじ)
2013-12-26 14:35:00
☆プレイボール様
コメント感謝です。

前野曜子は何を歌っても、前野曜子の世界にしてしまうのが大きな魅力です。
真にコンプリートコレクションするに値する歌手だと思いますよ。
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どれが本当かは… (サイケおやじ)
2013-12-26 14:38:59
☆ちんたろ男様
コメント感謝です。

ペドロ&カプリシャスはサンタナばかりでなく、セルジオ・メンデスやウォーの路線もやっていた感じです。
もちろんハコバン的な扱われ方もあったとは思いますが、個人的にはあのノリは、歌謡ロックの王道かと(笑)。

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ペドロ&カプリシャス (Flendyshelty5)
2014-01-21 23:29:02
1月30日に久しぶりにスキー仲間と六本木のAll of Me ClubでP&Cのライブを聴いてきます。どんな音を聞かせてくれるか楽しみです。

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羨ましいですねぇ~♪ (サイケおやじ)
2014-02-03 14:38:38
☆Flendyshelty5様
コメントありがとうございます。

レス、遅れて申し訳ございません。

ライブはいかがでしたか?
ファンにとっては、たまらない時間であったと推察しております。
時が流れても、彼等の音楽性は不滅かと(笑)。
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ペドロ梅村さん (Flendyshelty5)
2014-02-05 01:56:45
当日はラテンの中でもキューバが中心で佐々木誠がおしゃべりと唄をリードしていてキューバ音楽になじみのない私はちょっと乗れませんでしたが、フルートの井上信平さんが切れの良い音を出していました、ベースの北原実産の弦をなでるテクニックは抜群でした。後のメンバーはドラムが大野孝、ピアノが斎藤崇也という紹介でした。ペドロさん本人は全く治ったよと言ってましたがまだ若干脳梗塞の影響が残っているようで、演奏中はときおり手を休めたように顔を拭いたりていたのが気になりました。やはりお歳ですね。
でも、前野曜子さんのファンの集いにはスケジュールが合えばぜひ参加したいと言ってました。「唄の上手い子だったね」と一言。
All of Me Clubは久しぶりでしたが相変わらず屈託ない
店で楽しい夜でした。
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回帰と本領 (サイケおやじ)
2014-02-05 15:31:03
☆Flendyshelty5様
コメント&仔細なレポート、ありがとうございます。

そうですか、最近のペドロ&カプリシャスはキューバ系のサウンドを出しているとは、原点回帰なんでしょうか。
メンバーもジャズ畑の実力者ばかりで、個人的には井上信平のラテンジャズが好きなんで、気になりました。

リーダーも健康問題を抱えながら頑張っておられるご様子、まだまだやれると思いますよ。

とにかくライブの現場主義がミュージシャンにとっては本領ですからっ!
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