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サイケおやじの生活と音楽

バンド・オブ・ジプシーズの切実:其の五

2019-11-13 17:17:08 | Jimi Hendrix
Hendrix Live At The Fillmore East / Band Of Gypsys (Experience Hendrix / Universal = CD)

 ☆Disc-1
  01 Stone Free (1970年1月1日:2nd show)
  02 Power Of Soul (1970年1月1日:1st show)
  03 Hear My Train A Comin' (1969年12月31日:1st show)
  04 Izabella (1969年12月31日:1st show)
  05 Machine Gun (1970年1月1日:2nd show)
  06 Voodoo Child (1970年1月1日:2nd show)
  07 We Gotta Live Together (1970年1月1日:2nd show)
 ☆Disc-2
  01 Auld Lang Syne (1969年12月31日:2nd show)
  02 Who Knows (1969年12月31日:2nd show) 
  03 Changes (1969年12月31日:1st show)
  04 Machine Gun (1969年12月31日:2nd show)
  05 Stepping Stone (1970年1月1日:1st show)
  06 Stop (1970年1月1日:1st show) 
  07 Earth Blues (1970年1月1日:2nd show)
  08 Burning Desire (1970年1月1日:1st show)
  09 Wild Thing (1970年1月1日:2nd show)

いよいよバンド・オブ・ジプシーズの全容解明に向け、これまで混乱と商魂が入り混じった状況の中で世界中を騒がせて来た経緯は、凡そ前回までに述べたつもりですが、ついに近々、フィルモアイーストにおける年越しライブ音源がリマスター集成される運びとなり、あらためて現在までの様々な音源を聴いております。

で、本日取り出したのは、1999年に公式発売された2枚組CDで、その内容はバンド・オブ・ジプシーズが前述のライブギグで残した4ステージ分の音源から選び抜かれたトラックを、あたかも一夜のショウの如く纏めたにライブ盤の体裁になっています。

そして特筆すべきは、まず公式&非公式に出回っていたアナログ盤やCDと比べて、抜群に音が良くなっている事で、これはジミヘンの復刻作業に関わっているエディ・クレイマーの手腕であろうと思えば、流石はジミヘンの遺族が運営している財団「Experience Hendrix」が公認しているだけの事はあります。

同時に収録トラックのほとんどが公式には初出という快挙で、これまでに聴けた「Hear My Train A Comin'」や「Stop」にしても、既に述べたとおり、トンデモ盤の「バンド・オブ・ジプシーズ 2」とは雲泥の差という大迫力! また「We Gotta Live Together」にしても、初出盤「バンド・オブ・ジプシーズ」よりも演奏時間が長くなっているので、それは編集バージョンであった事が確定されています。

ご存知のとおり、このライブがレコーディングがされたのは、ジミヘンの契約問題の拗れを解消する目的があった事は以前に書いたとおりですので、必然として新曲が求められていた前提に鑑みれば、場当たり的に作り出した演奏もあったかもしれませんが、ジミ・ヘン(vo,g) 以下、ビリー・コックス(b,vo) にバディ・マイルス(vo.ds) というトリオ編成のバンド・オブ・ジプシーズとして、それなりに積み重ねたリハーサルやスタジオレコーディングの成果は確かに出ている事が、この新装版2枚組CDを聴けば納得されるように思います。

中でも2枚目の冒頭、新年を迎えるアナウンスとカウントダウンに至る観客のざわめきから「Auld Lang Syne / 蛍の光」が演奏され、そのまんまナチュラルなグルーヴを湛えて「Who Knows」へ入って行く期待値の高い緊張感、さらにロッキンソウル全開の「Changes」から収拾不能気味の「Machine Gun」へ続く流れは感度良好 ♪♪~♪

また、1枚目ド頭の「Stone Free」の爆裂演奏にもシビレますっ!

しかし、上記した収録トラックの演奏データからもご推察のとおり、実は曲毎に終わりと始まりにフェードアウト&フェードインが確かにあり、それは観客の拍手歓声の部分だったとしても、もう少し臨場感を大切にした編集が望まれるところ……。

実はブートやハーフオフィシャルとして出回っている4回のステージ毎に「通し」で聴ける無編集音源(?)が、この公式2CD盤が登場した後にも熱烈に支持されているのは、当然ながらジミヘンの凄さを少しでも完璧に堪能したいという欲望が基本ではありますが、さらに自然なライブ感が求められているからでしょう。

そのあたりが冒頭に述べた発売予定のリマスター集成盤で、どのようになっているのかにも大きな意味合いを感じるところです。

また、書き遅れてしまいましたが、この2CD盤と同時期には、なんとっ!

一部ではありますが、このフィルモアイースト公演からの映像も発売されていて、サイケおやじは、またまたそこで新しい事実に気づかされたのですが、今回はここまでにさせていただきます。

最後になりましたが、やはりバンド・オブ・ジプシーズはリズムとビートがシンブルで重い分だけ自由度も高い印象で、どっしり打ち出される8ビートや反復リズムからは間違いなく黒人だけのファンクな感性が噴出している事を思い知られました。

この2CD盤には「Machine Gun」が2テイク収められていますが、そのあたりを感じつつ聴き比べというか、それぞれに異なる思惑で情念を爆発させるジミヘンに対し、クールで熱いリズムとビートで対抗するビリー・コックスとバディ・マイルスのシンブルなファンク魂!

個人的には1枚目の「Machine Gun」から「Voodoo Child」へと続く混濁と激情の嵐に中毒しているのでした。
 
……続く。
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