OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

バンド・オブ・ジプシーズの切実:其の拾

2019-11-22 15:54:38 | Jimi Hendrix
■2 Nights At The Fillmore 3rd Show 7.30pm 1.1.1970
                                               / Jimi Hendrix and The Band Of Gypsys (Voodoo Chile = CD)

  01 Bill Graham Introduction / Who Knows ※
  02 Machine Gun ※
  03 Changes
  04 Power Of Soul ◎
  05 Stepping Stone ◎
  06 Foxy Lady ▲
  07 Stop ▲◎
  08 Earth Blues
  09 Burning Desire ◎

      ※バンド・オブ・ジプシーズ
      ▲バンド・オブ・ジプシーズ 2
      ◎ライブ・アット・ザ・フィルモアイースト

さて、いよいよバンド・オブ・ジプシーズのお披露目ライブも2日目ともなれば、それなりに纏まり、リラックスしつつも相当に激した熱演が楽しめます。

それは初っ端の「Who Knows」から既に全開 ♪♪~♪

バンド紹介のMCに続いて始まる演奏からは何の気負い感じられず、それでいてジミヘンとバディ・マイスルのボーカルの掛け合いを追いかける様なギターソロが実に良い味出しまくり ♪♪~♪

しつこいようですが、本当にリラックスして弾きまくるジミヘンのギターソロから噴出するスリル、そして後半からはバディ・マイスルのスキャットボーカルがソウルジャズの領域に踏み込んだものならば、終始クールでシンプルなベースラインを提供し続けるビリー・コックスも潔く、最後の詰めへ突進するジミヘンのギターソロがちょい聴きには地味ですが、実は本当に「らしい」ジミヘン節で、このあたりがバンド・オブ・ジプシーズの狙いだったのかなぁ~~、と思いますが、いかがなものでしょう。

それは次の「Machine Gun」へも同じ雰囲気で継続され、いやぁ~~、それにしてもここでのギターソロは凄すぎますよっ!

バディ・マイルスのドラムスもリズムキープだけでなく、例のマシンガンの連射をイメージしたSEヒット(?)も冴えていますし、後半からの敲き語り(?)も熱く、さらにビリー・コックスの混濁した蠢きベースも土台作り以上の働きと思います。

あぁ~、この2曲が最初に出たアナログ盤LP「バンド・オブ・ジプシーズ」に採用されたのもムベなるかなっ!

ちなみに気になる音質はライン録りのモノラルミックスで、幾分厚みはありませんが、それゆえにエッジの効いた聴感はロックの基本姿勢として、なかなか聴き易いんじゃ~ないでしょうか。

ですから、ほとんどバディ・マイスルが独り舞台の「Changes」も快調で、当時の黒人ソウルショウの如きノリとハードロックの醍醐味が全開なんですが、ここで幾分引っ込んでいるジミヘンのギターは賛否両論? このあたりは近々発売予定のリマスター集成盤での扱いが楽しみでもあります。

そしてさらに盛り上がるのが新装版の2枚組CDにも入れられた「Power Of Soul」と「Stepping Stone」で、モノラルミックスではありますが、音に重量感と臨場感があり、素直にグッと惹きつけられますねぇ~~♪

バンドとしての纏まりもバッチリですよっ!

また問題のフェイク盤「バンド・オブ・ジプシーズ 2」に入れられた「Foxy Lady」と「Stop」にしても、こ~して自然の流れのステージライブ音源として聴けば、それなりの必然性と申しましょうか、やっぱりジミヘンのギターから放出される暴虐と熱気に圧倒されるのは言わずもがな、ここでもシンプルなバンドとしての勢いが結果オーライでしょう。

特に「Stop」は流石に新装版の2枚組CDに入れられたのも納得の名演で、これがジミヘンの目指していた新しき方向性と思えば、この興業以降、実質的に自然消滅してしまったバンド・オブ・ジプシーズという「幻」の質量の大きさが眩しいばかりです。

ところが続く「Earth Blues」が演奏途中のギターソロからのフェードインというテイクで、それがあまりにも凄いもんですから、勿体ないの残念無念!
 
実は以前に出ていたアナログ盤のブートから知れていた情報なんですが、この「Earth Blues」の前には「Hear My Train A-Comin'」が演奏されていて、それもここでは入っていない事から、おそらくはネタ元から既にダメになっていたのかもしれません。

ですから、このテイクの完全バージョンが出るのなら、サイケおやじは思わず手を合わせ、神様に感謝するに違いないと自覚しております。

いゃ~~、本当に凄いんですよぉ~~~!

演奏終わりのMCからして、これがステージ最後の演目だった様ですが、だとすれば「Burning Desire」はアンコールでしょうか、既に述べたとおり、ここでもリラックスムードが良い方向へと作用した快演で、しかもステレオミックスになっていますから、ジミヘンのボーカルの定位が動いたりもするんですが、それはそれとして、要所でリズムとビートが黒人ソウルミュージック丸出しになっていたり、ジャズ&フュージョンっぽくなっていたりして、なかなか面白く聴けると思います。

ということで、個人的には大好きなライブ音源であり、世評とは逆にバンド・オブ・ジプシーズの凄さを痛感させられたのは、全くこのおかげであります。

う~ん、リアルタイムの観客が羨ましくなるばかりですっ!
 
……続く。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« カラオケ難曲:其の壱 | トップ | バンド・オブ・ジプシーズの... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

Jimi Hendrix」カテゴリの最新記事