OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

50年目のアビー・ロード

2019-10-03 18:27:55 | Beatles
■Abbey Road 2CD Anniversary Edition / The Beatles (Apple / Universal)

★Disc 1
  01 Come Together
  02 Something
  03 Maxwell's Silver Hammer
  04 Oh! Darling
  05 Octopus's Garden
  06 I Want You
  07 Here Comes The Sun
  08 Because
  09 You Never Give Me Your Money
  10 Sun King
  11 Mean Mr Mustard
  12 Polythene Pam
  13 She Came In Through The Bathroom Window
  14 Golden Slumbers
  15 Carry That Weight
  16 The End
  17 Her Majesty

★Disc 2
  01 Come Together (Take 5)
  02 Something (Studio Demo)
  03 Maxwell's Silver Hammer (Take 12)
  04 Oh! Darling (Take 4)
  05 Octopus's Garden (Take 9)
  06 I Want You (Trident Recording Session & Reduction Mix)
  07 Here Comes The Sun (Take 9)
  08 Because (Take 1 Instrumental)
  09 You Never Give Me Your Money (Take 36)
  10 Sun King (Take 20)
  11 Mean Mr Mustard (Take 20)
  12 Polythene Pam (Take 27)
  13 She Came In Through The Bathroom Window (Take 27)
  14 Golden Slumbers/Carry That Weight (Takes 1-3 / Medley)
  15 The End (Take 3)
  16 Her Majesty (Takes 1-3)

ここ数年、所謂「50周年記念エディション」なるアーカイヴ商法を展開しているビートルズが、いよいよ満を持して出して来たのが世紀の名盤「アビー・ロード」という事で、例によって「スーパー・デラックス・エディション」からアナログ盤LPの「ピクチャーレコード」まで、総計6種類を買わされてしまったサイケやじは大散財とはいえ、やっぱり持っていないと精神衛生上よろしくありませんと言い訳するのも情けない話です。

結局、本篇LP「アビー・ロード」は中学生の時から浴びるように聴き、意味は不明でも歌詞のフレーズはしっかり覚えていますし、その節回しや演奏展開、さらには効果音等々の細かい部分までも刷り込まれている事を思えば、いまさらなぁ……、というのが偽りの無い気持ちでもあります。

しかし、やっぱりですよ、トンデモ騒動の「Hot As Sun」事件とか、今も出し続けられている諸々の関連ブートに毒されて来たサイケおやじにとっては、ここで聞かなかったら後は無い!?

なぁ~んていう強迫観念にも苛まれ、珍しくも届いたブツの荷を速攻で開け、まずは「スーパー・デラックス・エディション」を聴いてみたんですが、本篇アルバムの最新ステレオリミックとアウトテイクやデモ音源を収めたCD3枚を通して鑑賞後、確かに新しい発見がどっさりありましたが、疲れたのも正直な感想……。

ですから、ハイレゾ音源を入れたBD盤には手も触れていません。

そんな理由ですから結局、繰り返し聴くという楽しみがあるとすれば、本日ご紹介の「2CDエディション」が心地好いです ♪♪~♪

なにしろ前述した本篇アルバムの最新リミックス盤はもちろん、「スーパー・デラックス・エディション」盤ではCD2枚に入れられていたアウトテイク&デモ音源の中から、本篇アルバムと同じ曲の並びで抜粋構成した所謂「アナザー・アビー・ロード」が楽しめるんですよっ!

そのあたりの詳細は上記しておきましたが、各々のトラックには如何にもの「お喋り」や「本音(?)っぽい独白」等々が楽曲の前後や途中に入っていて、だからこそアナログ盤LPでは見事な構成力を示したB面のメドレーが、この「アナザー」盤では、ど~なっているのか!? 

という興味は深々でありましょう。

結論から申し述べれば、それなりという感じではありますが、流石にこれまで多々出ていたブート盤「アビー・ロード」よりは、遥かにきちんと仕上げられていますので、ホッとしてしまいました。

で、気になるアウトテイク&デモ音源の中身は掘り下げれば、どこまでも深いとは思いますが、簡単な印象としては、まず「 I Want You (Trident Recording Session & Reduction Mix)」での狂おしく暴れるビリー・プレストンのオルガンが強烈至極!

また「Something (Studio Demo)」は以前に「アンソロジー3」で公にされたテイクとは異なり、ギターが数回はダビングされ、ピアノの入ったバンドバージョンですし、「She Came In Through The Bathroom Window (Take 27)」ではジョンのボーカルも局部的に入っています。

しかし、こ~ゆ~未完成なテイクを聴いていると、ジョンが交通事故で不参加だったレコーディングセッションも行われていた所為でしょう、ポールとジョンの密接感が刻まれていないパートが確かにあります。

逆に言えば、だからこそ「アビー・ロード」は個性とグループの表現が絶妙にブレンドされた名作という、聊か贔屓の引き倒しになりそうな書き方ではありますが、ジョンの「Come Together」で始まり、ポールの「Her Majesty」で終わるまでの間にジョージとリンゴが持ち味を強く発揮した傑作曲を出している事は、プロデューサーのジョージ・マーティンがなかなかの策士であった証明と思えないこともありません。

それと「アビー・ロード」が1969年の段階で神々しく輝いたひとつの要因は、その「音」のロックっぽさにあったと思うのがサイケおやじの独断と偏見です。

皆様ご存知のとおり、この「アビー・ロード」の前には、後年「レット・イット・ビー」というアルバムや映画として世に出たレコーディングセッションがあったわけですが、その中でフィル・スペクターによって再構成されたLP「レット・イット・ビー」がイマイチ不評だったのは、入っていた「音」が全然ロックぽくなかったからとサイケおやじは思っていて、何故ならば、それより前に出ていた「アビー・ロード」の絶対的な「ロックの音」にリスナーは支配(?)されていたんじゃ~ないでしょうか。

少なくともサイケおやじは、そうです。

さて、そこで気になる本篇アルバムの「2019ステレオミックス」は、プロデュースを担当したのがジョージ・マーティンの息子であるジャイルズ・マーティン、エンジニアはサム・オケルという、これまでのアーカイヴプロジェクトに関わってきた両名ですから、それなりのポリシーは貫かれていると思う他はありません。

全体的には低音域、特にベースは重量感が増し、またコーラスパートも低い声がかなり聞こえるようになった印象です。

そしてミックスも従来とは異なる部分が夥しく、楽器やボーカルの定位ばかりか、個人的にはギターの音が小さめになっている曲が多いかなぁ……、という感じさえあって、このあたりは聴き込んでいかないと分析不可の領域ですから、本日はここまでとさせていただきます。

しかし、ど~しても述べさせていただきたいのが、ジョンのボーカルにギスギス感が強くなり、少~~し細くなったような気が……。

それゆえに冒頭で述べたように、この「2019ステレオミックス」を聴いていて疲れるのは、そのあたりにも原因があるのかもしれません。

もちろん、それはあくまでもサイケおやじの個人的感情ですから、悪しからず。

ということで、ご紹介するには完全に言葉も研究も不足していて、本当に申し訳ございませんが、これから新しい「アビー・ロード」を楽しまれんとする皆様には、掲載した「2CDエディション」を強くオススメ致します。

巷の噂では「期間限定盤」らしい事も要注意と思います。

う~ん、それにしても「50年目のビートルズ」は、嬉しくも罪深いような気がするばかりです。
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