■すてきなテンプターズ / ザ・テンプターズ (フィリップス)
A-1 Valleri / すてきなバレリ
A-2 Lady Jane / レディー・ジェーン
B-1 Stop The Music / ストップ・ザ・ミュージック
B-2 Boom Boom / ブーン・ブーン
タイトルどおり、テンプターズが昭和43(1968)年に出した、全く素敵な4曲入りのコンパクト盤で、中身が洋楽カバーだけというロック志向がたまりません♪♪~♪
もちろん、これは彼等が同年に発売した1st アルバムからの抜粋なんですが、あえてロック曲に拘ったところに当時のテンプターズの立ち位置が明確な気がします。
というのは、その頃のGS全盛期においては、タイガースが些か少女趣味であったのに対し、テンプターズは不良っぽいイメージが強く、当然ながらヒット狙いのシングル盤では歌謡曲をやっていたとしても、実演ライブやLPの中ではロックに邁進して欲しいという願いが、少なくともサイケおやじにはありました。
しかし、そうは言っても実際問題として、乏しい小遣いではLPどころか、このEPすらも当時は買えず、悔しい思いで幾年月……。ようやくゲット出来たのは、世紀を跨いで今年の買初めの中のひとつだったんですから、聴いている繋がりの強さや思い込みは必要以上とご理解下さい。
で、まずA面の「Valleri / すてきなバレリ」と「Lady Jane / レディー・ジェーン」はテンプターズ以外にも当時のGSがステージ演目にしていた人気曲なんですが、モンキーズがオリジナルヒットの前者はアップテンポの勢いが空回り気味で、ちょっぴり残念……。しかしストーンズに敢然と挑んだ「Lady Jane / レディー・ジェーン」は意図的に丁寧にやろうとして心が逸ったようなショーケンのボーカルが賛否両論ではありましょうが、個人的には好きです。
一方、B面の2曲は共に素晴らしい仕上がりで、まずはスウェーデンのビートバンドだったレーンとザ・リー・キングスがヒットさせた「Stop The Music / ストップ・ザ・ミュージック」が、なかなか良い感じ♪♪~♪ 掛け声も含めて、ショーケンのノリがイケてますよ。
そして続くのが黒人ブルースマンのジョン・リー・フッカー、というよりもアニマルズが世界的に流行らせた「Boom Boom / ブーン・ブーン」におけるテンブターズならではの大快演! ここでは松崎由治がリードを歌っているんですが、その切迫感溢れる泣き節と衝動的なファズギター、さらにはショーケンのブルースハープに大口広司のタイト&パワフルなドラミングがバンド全体の突進力を強烈に表現していて、個人的にはスパイダースのバージョンよりも好き!
あぁ、これを聴かずして、テンプーターズ、そして日本のロックは何処へ!?
ということで、最後はかなり熱くなってしまいましたが、それもこれもサイケおやじの本性とご理解願えれば幸いです。
ブンブンブンブゥ~~ン。
ありがとうございます。
望外の幸せです♪