OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

復活せずとも悲しからずや

2022-11-02 16:58:24 | 歌謡曲

謝肉祭 / 山口百恵 (CBSソニー)

先日のハロウィンに事寄せた韓国での大惨事には、哀悼の意を表するしかありませんが、それにしても今や宗教的な意味合いを失い、アメリカ以外の世界各国で民間行事と化したハロウィンそのものについても、賛否両論が再燃するのは必至でありましょう。

サイケおやじとしては、宗教行事は厳粛さとか、信仰心を大切にする基本姿勢が必須という立場ではありますが、しかし、祝祭そのものを否定する気持ちは毛頭ありません。

ただし、だからとて、節度を失った行動は極めて危険であり、見苦しい限りという実態は、残念ながら発生してしまった今回の韓国での事故によって、図らずも認識されてしまったというか……。

だいたいハロウィンという行事そのものは、決してキリスト教の行事ではなく、確かケルト人の風習だったと思うんですが、それが何時しか、アメリカにおいて、季節の風物詩的な夜祭みたいな状況となり、毎年の様に各地で騒動が勃発してしまうのは、やはり信仰心が基本的に欠如している疑似宗教行事だからでしょうか……。

いやはやなんとも、せつなくなるばかりなんですが、さて、そこで本日掲載した山口百恵のシングル盤A面曲は、そのものスバリの「謝肉祭」というタイトルなんですから、当時も今も、サイケおやじには、しっくりこないものがあります。

それは発売されたのが昭和55(1980)年3月でしたから、折しも彼女と三浦友和の関係が公となり、婚約 ~ 結婚という流れが出来上がっていた頃であれば、本来はキリストの復活祭前の期間に行われる「謝肉祭」という宗教行事を曲タイトルにしてしまった制作側の意図も、なんとなく透けて見える気がしたものです。

ところが、それでいて歌詞中には「ジプシー」という言葉が楽曲のキメのパートで用いられているという、聊か的外れな展開に加えて、その言葉自体が当時は差別的として疎まれ、結果として、しばらくの間、彼女のベスト盤等々には収録されなかったのが、この「謝肉祭」というエスニック歌謡の名曲・名唱でありました。

なにしろ、作詞:阿木燿子&作曲:宇崎竜童、そして編曲:大村雅朗というヒットメーカーの狙いは本当に的確で、基本的には歌謡ロックでもイケる楽曲を恣意的なエスニック~スパニッシュ調を入れたアレンジで山口百恵という、当時最高にインパクトの強かった歌手に演じさせたのですから、たまりません ♪♪~♪

ズブ濡れのショットを使ったジャケットスリーブの激しさ(?)共々に、引退が既定路線になっていた山口百恵という稀代の歌手の「復活祭」をお膳立てしたかの如き企画なのか?

そんな穿った想いが、サイケおやじの心中にあったのは確かでした。

しかし、あらためて述べるまでもなく、山口百恵は引退されて以降、本格的な芸能界復帰は全くありませんから、その潔い節度には、生意気な事を考えていたサイケおやじなんか、身も縮む思いであります……。

ということで、何事も節度と基本理念を大切にするのが肝要とはいえ、これが……、なかなか難しいのが、浮世の実情……。

あぁ……、悲し……。


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