OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

ボー・ブラメルズも、よろしく

2012-04-22 15:54:49 | Rock

One Too Many Mornings / The Beau Brummels (Warner Bros. / 東芝)

フォークロックの元祖はボブ・ディランでも、バーズでもなく、ボー・ブラメルズというサンフランシスコ出身のバンドだという説があって、確かに公式デビューとなった1964年頃からの音源を聴いてみると、12弦(?)エレキ&アコースティックギターの混在とか、ちょいと気だるいコーラスワークや妙に胸キュンのハーモニカ等々が後々の流行に繋がったのか?

そんな印象を与えられてしまいます。

しかし似た様なと言うよりも、同種のサウンドは既にイギリスのサーチャーズホリーズだってやっていたという事実だってあるわけですし、とすれば何故にボー・プラメルズが?

という疑問を抱くのは、サイケおやじだけでしょうか……。

ちなみにメンバーはサル・ヴァレンティノ(vo)、ロン・エリオット(g,vo)、デクラン・マリガン(g,vo)、ロン・ミーファー(b)、ジョン・ピーターセン(ds) の5人組というのが定説ながら、バンドの中核はサル・ヴァレンティノとロン・エリオットであり、デビュー曲にしてアメリカでは大ヒットした「Laugh Laugh」によって有名になってからは、それなりにメンバーの出入りもあり、レコーディングにはスタジオミュージシャンの参加が当然だったようです。

またデビュー期のプロデューサーが、後にスライ&ファミリーストーンで一躍トップスタアとなるスライ・スチュアートであった事も、なかなか興味深いポイントかもしれません。

しかも人気上昇期だった1966年、地元サンフランシスコにあった所属レーベルのオータムレコードが倒産し、それまでの音源共々ワーナーに移籍する事態は、尚更にボー・ブラメルズの存在を曖昧なものにしたんじゃないでしょうか。

それは新会社で最初に制作発売されたレコードが、当時流行っていた他のミュージシャンによるフォークロックヒットのカバーであった事にも要因が!?

本日掲載したシングル盤A面曲「One Too Many Mornings」にしても、書いたのはボブ・ディランであり、ボー・ブラメルズが発表する前に幾つかのバンドや歌手が既にフォークロック調のアレンジでレコード化していたという現実があったんですねぇ……。

まあ、このあたりの安易さは、せっかく獲得したボー・ブラメルズを人気があるうちに売ってしまおうという思惑だったとは思いますが、サル・ヴァレンティノとロン・エリオットのリアルタイムでの音楽性はサイケデリックなサウンドに向かっていたのですから、如何にも中途半端な事は後に出てくる新作アルバム&音源等々を聴けば納得する他はありません。

ところが、そんなこんなは我国の一般的な洋楽ファンには知る由もなかったのです。

当然ながらサイケおやじにしても、既にバーズが大好きでしたから、この「One Too Many Mornings」の力強いエレクトリックポップサウンドに強烈なフォークロック風味を感じ、忽ちボー・ブラメルズは気になる存在になりましたですねぇ~♪

しかし度々書いてきたように、当時は小遣いの乏しさゆえにレコードを買うことが出来ず、掲載の私有盤は前世紀末にようやくゲット出来たほどなんですが、それというのも、このシングル盤収録バージョンは所謂アルバム未収録曲でしたから、まさに苦労の甲斐もあったというわけです。

ということで、ボー・ブラメルズはデビュー当時のブレイクが結果的に長続きせずに終わったバンドであり、後に評価される秀逸なアルバムも作っていますが、在籍メンバー間のゴタゴタやグループの再結成、さらには懐メロショウ的な活動も含めて、その真価は今日でも未確定のような気がしています。

そこで冒頭の話に戻ってみると、やはりボー・ブラメルズはビートルズを目標にしていたんじゃないかと思います。もちろんバーズもビートルズを強烈に意識するところから始まっているわけですが、ボー・ブラメルズの場合は途中から、そのバーズや他の人気グループがやっていた事に接近する道を選んでしまったのかもしれません。

まあ、こうやって書いてみると如何にも後付けの理論ではありますが、ひとつにはボー・ブラメルズにはデビュー期のレコード会社倒産という不運から絶対的に導いてくれるプロデューサーの不在も大きかったと思われます。

今となってはボー・ブラメルズが残した音源はそれなりに纏められ、CD復刻も進んでいますので、虚心坦懐に鑑賞すればするほど、バーズやバッファロー・スブリングフィールド等々にも劣らない業績が残せたはずなのに……。

ですから、前述したとおり、ホリーズやサーチャーズと共通するサウンドを作り出していたデビュー期の音楽性も、充分に納得出来るのでした。

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