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サイケおやじの生活と音楽

チコビーは歌謡GSの王者だった

2023-10-16 17:18:38 | 歌謡曲

夕日に祈りを c/w 傷だらけの人形 / チコとビーグルス (ビクター)

チコとビーグルスはGSブームが爛熟していた昭和43(1968)年末が公式デビューとされているだけに、最初っから歌謡曲色が極めて濃いレコードを出しており、例えば最初のヒットになった「帰り道は遠かった」、そして今では決定的な名曲・名唱とされている「新宿マドモアゼル」という、正に昭和の歌謡ロックを貫いたバンドだとサイケおやじは思っておりますから、その必然として昭和45(1970)年4月に発売された本日掲載のシングル盤にしても、なかなか愛着の1枚になっています。

それは作詞:橋本淳&作編曲:寺岡真三のクレジットが確認出来るA面曲「夕日に祈りを」からして、ミディアムテンポでマイナーキーが全開の泣き節歌謡がド真ん中♪♪~♪

イントロからのオーケストラサウンドがモロに「そっち系」ならば、ギターやベース、そしてドラムスが作り出す基本的なバンドサウンドにしても、決して歌謡曲保守本流から逃れる術は無く、だからこそ、チコのソフトなコブシ回しが演歌とロックの橋渡しの様でもあり、サビにおける熱情の迸りもイイ感じ♪♪~♪

ちなみに以前にも書きましたが、チコとビーグルスのメンバーは流動的だったと推察している次第とはいえ、この頃はチコ=硲千鶴子(vo)、石橋治虫(g,vo)、関森清(key.vo)、富岡隆広(b,vo)、吉田俊夫(ds,vo) という顔ぶれになっていたらしく、それゆえにチコのボーカルをバックアップするコーラスも、それなりに纏まっているんじゃ~ないでしょうか (^^)

ですから、同じ制作スタッフが提供のB面曲「傷だらけの人形」がラテンリズムも入れ込んだムード歌謡っぽい仕上がりになっているあたりの俗っぽさは、GSという日本芸能史におけるロックの最盛期が、やはり歌謡曲という我が国特有の大衆音楽とは無縁では無かったという屁理屈よりも、素直に素敵な歌と演奏にシビレるのが正解なんでしょうねぇ~~ (^^)

なによりも、チコのベタベタしつつも、実はクールなボーカルと絶品の節回しが最高なんですよねぇ~~ (^^♪

ということで、チコとビーグルスはピンキーとキラーズの亜流だとか、全然GSじゃ~無い!?

―― みたいな、あまり芳しくない評価も確かにございましょうが、サイケおやじは殊更チコのボーカルに強くロックを感じてしまいますし、残念ながらグループそのものは、この掲載盤を出した後、最後のシングル盤を残して昭和46(1971)年頃に解散してしまったそうですが、個人的妄想として、チコには正統派歌謡曲 ~ 演歌ロックのフィールドで更なる活躍を!?!

う~ん、芸能界には「もしも」が許されるんじゃ~なかろうかと (^^;


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