■Some Velvet Morning / Vanilla Fudeg (Atco / 日本グラモフォン)
昨日ご紹介の里見洋と一番星は、有名演歌ヒットをプログレっぽい破天荒なアレンジで聴かせる特性があり、当時は「ショッキング演歌」なぁ~んて言われ方もしていたんですが、その先輩格というか、似た様な事をやって世界的に売れまくったのが、バニラ・ファッジですよねぇ~~♪
今更説明不要とは思いますが、とにかく世間一般に知れ渡っている有名ヒット曲を題材に、勿体ぶった姿勢とネクラな情熱を爆発させたようなハードコアなアレンジが絶対の持ち味であり、そこにバニラ・ファッジの存在意義が認められていたんですから、バンドとしての煮詰まりも早く、1966年の結成から3年後、グルーブ自らが全盛期に終止符を打ってしまったんですが……。
しかしリアルタイムのリスナーはもちろん、後追いでファンになった皆様も含め、一度虜になったら麻薬的な魅力があるバンドだと、サイケおやじは強く思っています。
そして実際、何かのはずみで突然に聴きたくなるのが、その証!
本日掲載のシングル盤は、まさにそんな気分で取り出してしまった1枚なんですが、きっかけが件の里見洋と一番星であった事は、言わずもがなです。
また、もちろんA面収録の「Some Velvet Morning」はカバー曲であり、オリジナルはナンシー・シナトラとのお目付け共演で有名なリー・ヘイズルウッドらしいんですが、ご推察のとおり、バニラ・ファッジの演奏がイントロから厳かに勿体ぶったキーボードアレンジ優先になっているのは、リー・ヘイズルウッドのバージョンも、それなりにゆったりとした説得力に溢れているのですから、あながちキワモノとばかりは言えません。
ところが流石はバニラ・ファッジ!
なんとっ! 全篇7分30秒に及ぶパフォーマンスがダレる寸前と言うよりも、イキそうでイケないという、なんとも寸止めな快感地獄なんですよっ!
ちなみにこの「Some Velvet Morning」は、1969年に発売されたLP「ニア・ザ・ビギニング」からのカットなんですが、通常はそんな場合、シングルバージョン用に編集されるのが普通のところを、この日本盤シングルには、そのまんまの長さで収められておりまして、告白すると、サイケおやじは、シングル盤でその長さを楽しめるのは徳用♪♪~♪
そんな思惑優先で、当時の乏しい小遣いを注込んだというわけですが、全く後悔しませんでしたよ。
なにしろ、400円で「全篇7分30秒」ですからっ!
ということで、果たしてバニラ・ファッジを里見洋と一番星のメンバーが聴いていたのか?
なぁ~んてのは愚問に他になりません。
何故ならば、バニラ・ファッジは当時の洋楽最前線だったアートロックの旗手であり、へヴィ&ハードなサイケデリックバンドのトップに君臨していた人気バンドでしたから、音楽でメシを食う立場であれば尚更に影響を受けないはずはありません。
今となっては「大袈裟」が笑いの対象にしかならない世相においても、それが芸能の本質のひとつであるという認識に立てば、バニラ・ファッジの様なグループこそが、その本気度の高さで求められるにちがいありません。
さあ、へヴィに耽溺しましょうね♪♪~♪
コメントありがとうございます。
バニラ・ファッジは当時のアメリカのバンドにしては、ドロドロにへヴィで、本物らしさに満ちていました。
問題発言かもしれませんが、ドアーズよりも高く評価されていた気がしています。
しかもギターが一番に目立たないところは、ザ・フーと双璧かもしれず、しかしやる時はきっちりやってくれた感じでしたねぇ~~♪
ボガード&アピスのおっちゃんコンビは、およそロックスタアらしいルックスでは無かったのも、結果オーライだったかもしれませんよ。
あぁ、全盛期のライブに接したかったなぁ~~~。
この曲ってなんかドントバサーミーにちょっと似てますね。
私は当時バニラファッジは知らなくて(既にカクタスだった?)BBAから知り始めた次第でした。(ToT)サイゼンセンナノニ…。
このベースの音は典型的なマエストロのブラスマスターのサウンドですね。
この音を近くで聞くと、お腹にきます(経験者は語る)