OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

求むるは単純痛快!

2013-02-08 15:34:00 | Rock

Magic Carpet Ride c/w スキ・スキ・スー/ Steppenwolf (Dunhill / 東芝)

ストレートなハードロックが聴きたい!

それを希求する気分にジャストミートなのが、ステッペンウルフの歌と演奏でしょう。

正直、このバンドはロックの歴史云々で語られるよりも、所謂B級の味わいが好まれるところで、一番有名なのが映画「イージーライダー」の劇中でテーマ曲のように思い込まれている「ワイルドでいこう!/ Born To Be Wild」が、そのものスバリ!

ダーティーなギターカッティングに唸るオルガン、叩きつけるようなドラムスと剛直なペースをバックに吠えまくるボーカルというのが典型的なステッペンウルフのスタイルであって、それが顕著だったデビューからの初期の勢いは、決してハードロック中毒者を裏切りません。

本日の1枚は、まさにそうした最高の魅力を我国独自にカップリングした徳用シングル盤です。

なにしろA面の「Magic Carpet Ride」からして、1968年に世に出た2ndアルバムに収録の人気曲ですし、B面の「スキ・スキ・スー / Sookie Sookie」は、やはり同じ年に出たデビューアルバムからカットされた黒人R&Bのハードなロックカパーですからねぇ~~♪

もちろん時代的にはサイケデリックロックの風味も良い感じ♪♪~♪

ちなみに当時のメンバーはメンバーはジョン・ケイ(vo)、マイケル・モナーク(g)、ゴールディ・マックジョン(org,p)、ジョン・セント・ニコラス(b)、ジェリー・エドモントン(ds) とされていますが、スタジオレコーディングの現場では助っ人の参加も当たり前だったようです。

しかし、それでも統一イメージとしてのステッペンウルフが揺るぎないのは、ジョン・ケイの豪気で荒っぽい歌いっぷりとソリッドなバンドサウンドを常に提供してくれたからでしょう。

特に後期になると、ステッペンウルフも煮詰まりから様々な方向性を模索しつつ、落目になってしまったんですが、そういう歴史を知っていると、初期の痛快なハードロック直滑降が尚更に熱いわけです。

さて、本日は何でこうした事を書いてしまったかと言えば、現在の仕事にモヤモヤした気分が打ち消せないサイケおやじの焦燥ゆえに!

そういう感じですかねぇ……。

確かに愚痴っても、何らの進展が望めないのならば、後は豪気に構えるのが得策と居直り、本日は「草原の狼」というカッコ良さに思い入れているのでした。

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旅先で苦境

2013-02-07 15:27:39 | Weblog

うむむむっ、仕事でトラブって、臨時出張していますが……。

なんとか今日中に帰りたい気持ちばかりが焦りの象徴!

それを周囲に読まれて、ますます苦境に立たされているのを自覚しております。

ど~しても、今日は帰るぞっ!

本日の1枚、またまた休載も心苦しく、どうか皆様にはご理解をお願い申し上げます。

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東京は春の雪

2013-02-06 14:41:05 | Weblog

三寒四温とはいえ、都会の雪は殊更大変なんて言ったら、雪国の人から笑われますが……。

それでもあまり難事にはなって欲しくないのが本音です。

さて、今日は朝から定期健診で病院内を転々とさせられていますので、本日の1枚は休載させていただきますが、先日ゲットした「キンドルホワイト」での読書は、なかなか有意義な待ち時間を過ごせます。

まあ、ちょいと目は疲れますが、軽いし、あれこれ無料作品を流し読んだり、面白そうな文献を漁っていると、あっという間に時が流れてしまうんですから、そういう贅沢には感謝しなければならないのでしょう。

それと肝心な自分自身の健康状態は、とりあえず自覚症状が特に無いので、結果にも心配はしていないのですが、それとて何か宣告された時の覚悟が出来ていない言い訳かもしれません。

ということで、本日は失礼致します。

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ファンであればこその幻影

2013-02-05 15:13:35 | 歌謡曲

女は小さなチャンスに賭ける / 津々井まり (RCA)

中古レコード屋巡りに勤しんだ皆様であれば、思わぬ獲物(?)に遭遇し、手が震えんばかりにアドレナリンが噴出した経験があろうかと推察する次第ですが、本日ご紹介のシングル盤は、サイケおやじにとって、まさにそれでした!

と言うのも、まずジャケ写から一目瞭然、これはテレビのセクシーアクションドラマでは最高峰「プレイガール」でレギュラーメンバーのひとりだった片山由美子!?

完全にそのイメージですよねぇ~~~~♪

しかも曲タイトルの「女は小さなチャンスに賭ける」が、これまた「プレイガール」毎回のエピソードタイトルを強く想起させるのですからっ!?

う~ん、片山由美子は歌手として、公式デビューしていたのかっ!?!?

と、驚愕した次の瞬間!

再び仰天させられたのが、「唄 / 津々井まり」という鮮烈な文字列なんですから、もはやサイケおやじの心臓はパクパクしまくりでしたよっ!

それは昭和50(1975)年2月の強烈な体験であり、毎年今頃のなると自然に蘇ってくる思い出なんですが、もちろんサイケおやじが片山由美子と津々井まり、ご両人の痛切なファンである事が大きな要因です。

で、結論から言うと、これはやっぱり津々井まりが昭和45(1970)年11月に出した、本人名義では3作目のシングル盤なんですが、それにしてもデビュー曲「人魚の恋」、そして2作目「首ったけ」とは、あまりにもジャケットに写っている彼女のイメージが違いすぎるでしょう。

もちろん、これまたヒットしたとは決して言えなかったレコードである事も、なにやら不可解な裏事情でも???

まあ、そんな興味を刺激されるわけですが、様々に調べてみると、津々井まりは昭和42(1972)年に東映映画「不良街(野田幸男監督)」で谷隼人と共演し、劇中では歌も披露しているらしく!?!

う~ん、ここでもまたまた片山由美子の接点が浮かんでは、消え……。

残念ながら、サイケおやじは件の映画は観ていませんので、ますます妄想が強く渦巻くというわけですが、肝心のこのレコードA面曲「女は小さなチャンスに賭ける」も決して侮れません♪♪~♪

なにしろイントロからサブトーンで泣くテナーサック、盛り場演歌ど真ん中のメロディ展開に仄かなR&Bフィーリングを塗した作編曲も好ましく、刹那の女心が綴られた歌詞をお色気歌唱の真髄で聞かせてくれる津々井まり♪♪~♪

あぁ~、何度聴いても、辛抱たまらん状態ですよっ!

ちなみに作詞:いまいずみあきら、作曲:野々卓也、そして編曲:植原道雄のトリオは、彼女の次回作「女は恋して夢をみる」も担当していますが、どちらかと言えばデビューからのポップス歌謡路線から、正統派歌謡曲への方向転換は賛否両論だったかもしれませんねぇ……。

実際、後追いのファンの中では、圧倒的に前者が支持されているようです。

ということで、世の中には自分に似た者が3人は居る!?

なぁ~んて言われますが、このレコードが存在している以上、それもまた真実なのでしょう。

そして個人的には、片山由美子本人にも公式にレコードを出して欲しかったと思わずにはいられないのでした(敬称略)。

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ニール・ダイアモンドに瞠目

2013-02-04 15:27:02 | Singer Song Writer

Song Sung Blue / Neil Diamond (Uni / 日本ビクター)

ヒット曲の大きな要件のひとつとして、う~ん、どっかで聞いたような?

というメロディのフックは欠かせないと思うんですが、逆に言えば、それが書ける作曲家こそが重宝される世界でもあるんでしょう。

例えば本日掲載のシングル盤A面曲「Song Sung Blue」は、実力派のシンガーソングライターとして殊更大きな存在のニール・ダイアモンドが1972年に出した、実に親しみやすい大ヒットなんですが、それが前述した「う~ん、どっかで聞いたような?」の決定的な証拠物件??!?

ご存じの皆様も大勢いらっしゃるにちがいないほど、これは元ネタが「モーツァルトのピアノコンチェルト21番 / Mozart's Piano Concerto No.21」でありまして、その潔さは天下一品ですよねぇ~♪

こういうクラシックのメロディを剽窃したポップス&ロックヒットは数あれど、絶対上位にランクされる傑作と思うばかりです。

さて、そこでニール・ダイアモンドの存在なんですが、歌手としても、また作曲家としても、本当に王道路線であるがゆえに、我国では幾分薄い人気しか得られていない感じがしています。

もちろんサイケおやじにしても、この才人を知ったのは1970年初頭に「Sweet Caroline」や「Cracklin' Rosie」等々の洋楽ヒットをラジオを通じて流行らせていた事に所以していますので、当初は普通のポップスシンガーだと思っていました。

つまり有能なソングライターであった実績、あるいはシンガーソングライターという、リアルタイム最先端の流行に位置づけられる存在であろうとは、全く想像も出来なかったのが個人的な心象です。

ところが時が流れ、アメリカの音楽業界について様々な内幕を知ってみれば、ニール・ダイアモンドはサイケおやじが好きだった往年のヒット曲の数々、例えばモンキーズの「I'm A Beliver」やディープ・パープルの「Kentucky Woman」等々を書いていた事が判明!

それが1960年代中頃からの話だったので、後は一気呵成に調べてみれば、ニール・ダイアモンド本人も地道に自らのレコードを出し続けていたんですねぇ~~~♪

残念ながら、それは大きなヒットにはならなかっただけの事です。

そしてニール・ダイアモンドの履歴の中では、ポップス史にその名を刻すジェフ・バリー&エリー・グリニッチの弟子としての修行(?)が大きなところでしょう。

ですから循環コードを基本にしつつも、シンコペイションを上手く使ったサビの展開という、これがニール・ダイアモンドの持ち味である親しみ易くて、覚え易いメロディを紡ぎ出す個性も、直伝だろうと思います。

また、既成の有名メロディのフェイクも悪意を感じさせずやれる手腕も、また然り!

ということで、実はニール・ダイアモンドには、もうひとつの凄い才能として、作詞の魅力があるんですが、残念ながらそれは英語ですから、日本人にはイマイチ、ストレートに伝わってこないのが、残念無念……。

この「Song Sung Blue」にしても、誰もが悲しい歌を知っているし、それを歌うことは素晴らしい云々、という内容に仮託して、ネクラにならずに生きることが人間の本質? みたいな事を訴えているのでしょう。

と言うのも、ニール・ダイアモンドの人気の秘密は、地元のアメリカ人からすれば作詞の奥深さにあるとさえ言われているんですよねぇ。

あぁ、すると我国で人気が薄いのも、その所為なんですかねぇ……?

そんなこんなを踏まえつつも、サイケおやじにとっては単純に良い曲を書いて、歌ってくれるニール・ダイアモンドが、今も気になる存在というわけです。

最後になりましたが、掲載の日本盤シングルのピクチャースリーブに写る本人のポートレイトの「濃い」雰囲気は、藤岡弘???

一時期、そんなネタもありましたとさ♪

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銀の鎖は歌謡ロックだぜっ!

2013-02-03 15:24:26 | 日本のロック

■銀の鎖 / 加賀テツヤとリンド&リンダース (フィリップス)

何時、何処で生まれたかは、誰も知らない……。

そんな妖怪人間の如きジャンルが、「歌謡ロック」かもしれません。

まあ、結局はリスナーが十人十色の感性とはいえ、明らかに歌謡ポップスでも無く、日本語のロックにも分類し難い歌と演奏は確かにあって、特にGSブーム期に、それが夥しく世に出された事を鑑みれば、所謂昭和元禄が生み出した素晴らしき現象のひとつだと思います。

本日掲載のシングル盤A面曲「銀の鎖」はサイケおやじにとって、まさにそれがど真ん中の愛聴&愛奏曲でありまして、澄み切ったギターの音色はエレキインストの分野で言うところの北欧サウンドであり、また湿っぽい曲メロと歌詞のせつなさは全くの昭和歌謡でありながら、潜在的にロックビートを強調する事によって、決してベタベタな仕上がりにしていないところが、たまらないんですねぇ~♪

もちろん演じている加賀テツヤとリンド&リンダースはGSの代表的グループのひとつでしたから、シングルヒットを狙う目的において、そういう路線は必須であったのでしょう。

一応は関西を拠点にしながらも、このシングル曲がヒットした頃には東京から全国区に売れていたと記憶していますし、本来がボーカル組とエレキインストバンドの合体であったグループの在り方をメンパーチェンジによって、すっきりとGS形態に変えた事も結果オーライだったようです。

そして加賀テツヤ(vo)、加藤ヒロシ(g)、堀こうじ(g)、宇野山和夫(b)、浜田藤丸(ds)、榊テルオ(vo) という6人組になっていたのが、この「銀の鎖」を出した昭和43(1968)年新春であったと言われていますが、どうも諸説があるらしいですよ。

実際、サイケおやじはテレビではありますが、加賀テツヤを看板にした5人組で「銀の鎖」を演じていたリンド&リンダースに接しています。

あぁ~、それにしても、なんて素敵な歌と演奏でせう♪♪~♪

聞く度に胸キュン、思わずコピー衝動の澄みきったギター、イヤミの無いオーケストラアレンジが完璧な歌謡ロックになっているんですねぇ~♪

ちなみに作詞作曲、そして編曲を担当した利根常昭は、今やプロデューサーとして有名ではありますが、現役演奏家だった頃はモダンジャズがメインのピアニストだったそうですし、ソングライターとしても幾多の名曲を世に出していますので、昭和歌謡曲を楽しむ中では要注意人物(?)でしょう。

ということで、実は皆様既にご推察のとおり、昨夜のおやじバンドの練習では、いよいよ個人的要望が叶い、この「銀の鎖」をやり始めました♪♪~♪

ただしサイケおやじのギタースタイルでは、こうした北欧サウンドが困難でありますので、ベースを担当しておりますが、それでも気分はノッています♪♪~♪

もちろんリンド&リンダースのレコードで聞ける演奏では、後半にツインリードのパートもありますので、そこを何とか出来ればなぁ~~、と目論んでいるんですが、どうなりますか???

とりあえず歌謡ロック、万歳です!

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エレキ歌謡は青春演歌?

2013-02-02 15:01:34 | 歌謡曲

君にしびれて / 望月浩 (東芝)

先日、某ネットオークションで往年の特撮テレビドラマ「光速エスパー(昭和42年・日本テレビ)」のDVDボックスを落札し、それが届いて早速鑑賞したところ、主題を歌っていたのが本日の主役たる望月浩でした。

いゃ~、その溌剌颯爽したフィーリングは流石、昭和40年代前半に青春歌謡スタアとして人気を集めた、その真実を痛感させられましたですねぇ~♪

そして思わず出してしまったのが、サイケおやじがこれしか持っていないという、望月浩の最大(?)のヒットシングル「君にしびれて」というわけです。

しかし、それにしてもジャケ写のキャッチコピーが「エレキ演歌 No.1」ってのは完全に???の皆様が大勢いらっしゃるでしょうねぇ~。

もちろんサイケおやじにしても、それは否定致しませんが、同時にリアルタイムを体験した個人的な感性としては、それも有りっ! だったように思います。

ただし、ここでは「演歌」の一般的な概念であろう、湿っぽいコブシ系の節回しは表出しておらず、リバープを効果的に使った演奏カラオケパートのエレキサウンドの魅力と所謂青春歌謡曲の見事な合体が痛快至極♪♪~♪

そこには東芝レコードに特有の重低音主義が用いられていますし、何よりも発売された昭和41(1966)年当時の青春模様が詰め込まれた歌詞を流行のエレキで彩ったサウンドプロデュースの妙、そして望月浩の矢鱈に激しない歌謡曲保守本流のボーカルに好感が持てます。

ちなみに作詞は沢ノ井千江児、作曲は萩原哲昌なんですが、このリズムとピートとメロディ展開は、筒美京平が後の昭和60(1985)年に書いて、C-C-Bに歌わせた「ロマンチックが止まらない」とクリソツでしょう。

と思っているのはサイケおやじだけかもしれませんが、望月浩は同年6月のビートルズ来日公演の前座で、ブルーコメッツをバックに「君のしびれて」を熱唱したと言われていますから、今や歴史的名曲名唱と断言することも吝かではありません。

ということで、冒頭に話に戻りますが、その「光速エスパー」は同時期に放送されていた「ウルトラセブン」と共通するようなテーマも含んだ本格的なSF実写作品だったんですが、残念ながらストーリーの面白さを完全に活かせなかったチープな特撮が賛否両論……。

それは現代の感性では、尚更に痛いところに見えてしまうのが、サイケおやじの正直な気持ちです。

しかし、だからこそと言うべきでしょうか、望月浩が歌ってくれた主題歌が眩しいのだっ!

ちょいと贔屓の引き倒しかもしれませんが、ちょいとレコードを探索してみようと意気込んでおります。

望月浩のベスト盤CDとか、無いのかなぁ~~~~。

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マリア・マルダーに導かれ

2013-02-01 16:03:54 | Pops

真夜中のオアシス / Maria Muldaur (Reprise / ワーナーパイオニア)

芸術には所謂ヘタウマという評価手段があって、もしもそれが洋楽に適用されるとすれば、本日掲載のシングル盤A面曲「真夜中のオアシス / Midnight At The Oasis」を歌ったマリア・マルダーは、そういうボーカリストでしょう。

だって正直、彼女が聞かせてくれるのは不確かに音程と発声、時には裏返っている歌声で、これまたフワフワしたメロディラインを後追いしているような……!?!?

ところが全体的なサウンド作りが、これまた微熱な気分とでも申しましょうか、間奏のギターソロの地に足がつかない感じも含めて、夢見心地と言うには異議有り!

――という始末です。

しかし、それが妙に人懐っこい事も、また確かなんですねぇ~~♪

結論から言えば、それは流行っていた1973年頃から我国でも使われ始めたグッドタイムスミュージックとかルーツミュージックというジャンルに属する、ジャズでもロックでもフォークでもブルースでも無い、極めてモダンな雑穀種であり、歌っているマリア・マルダーは「オールド・タイム・レディ」と称されたほど、そのものスバリの存在だったのです。

つまり1970年代という、既にロックが一大勢力になっていた時期に、あえて懐古趣味的なモダンサウンド(?)をやる事によってアピールするという、逆説的な立場を狙っていたのがマリア・マルダーというわけでしょうか。

とにかくここに完成された「真夜中のオアシス / Midnight At The Oasis」は、今やその聖典のひとつである事は間違いありません。

また、そういう感性が天の邪鬼なサイケおやじにはジャストミートしていました。

なにしろ初めて聴いたのはFENからのリアルタイムの放送だったんですが、その脱力したフィーリングには、ある事情から個人的に硬直していたサイケおやじの気分がすうぅぅぅ~っと解きほぐされましたですねぇ~♪

う~ん、こんな歌と演奏をやっているは誰っ!?

それがなかなか分からずに、ちょいとフラストレーションに陥ったほどです。

さて、そこでマリア・マルダーなんですが、掲載したシングル盤のジャケ写からすると、ほとんどポリネシア系の人みたいですが、実はニューヨークの出身で、1960年代から本場グリニッチ・ヴィレッジでフォーク&フォークロックを歌ったいたデビュー期から、イーヴン・ダズン・ジャグ・バンドやジム・クウェスキン・ジャグ・バンド等々の名門(?)ルーツミュージックグループに在籍していたそうです。

そして同じような道を歩んでいたジェフ・マルダーと結婚した1968年頃からは、ジェフ&マリア・マルダーという夫婦デュオとなり、マニア好みのレコードを数枚作って後、ソロ歌手となって最初の大ヒットが「真夜中のオアシス / Midnight At The Oasis」でした。

しかし1973年当時、こんなサウンドをあえて作り出してしまったのは、それだけロックを含むアメリカの大衆音楽が煮詰まっていた証なんでしょうか?

ちなみにバックを務めたミュージャンは十八番の「ふにゃふにゃ」を演じたエイモス・ギャレット(g)、ジム・ゴードン(ds)、マーク・ジョーダン(key) 等々のクセモノが揃っていますし、ニック・デカロが編曲を担当すれば、レニー・ワロンカーのプロデュースは言わずもがな、まさに古き良き時代の香りがしても当然と納得されるのです。

ただし、そんな結論に至っているのは、やはり同じ時代に共通のメンツが交流して作られていたライ・クーダーやポール・バターフィールド、そしてエイモス・ギャレットが中心メンバーだったハングリー・チャック等々の諸作品を聴き漁った後の事ですから、そのサークルを系統的に俯瞰鑑賞する必要性も痛感させられています。

ということで、例え何であろうとも、マリア・マルダーの歌う「真夜中のオアシス / Midnight At The Oasis」が不思議な気持良さを提供してくれる事実は不変、あるいは普遍です。

いよいよ近づく春先や初夏、センチメンタルな秋~晩秋にあれば、尚更に染みいる歌と演奏だと思っているのでした。

そして当然ながら、彼女が出しているアルバム群の魅力も、追々ご紹介する所存ではありますが、本当に素敵なんですよ♪♪~♪

好き嫌いは十人十色でしょうが、どうかお楽しみ下さいませ。

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