OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

バンド・オブ・ジプシーズの切実:其の九

2019-11-20 15:23:56 | Jimi Hendrix
2 Nights At The Fillmore 2nd Show (conclusion)
                                               / Jimi Hendrix and The Band Of Gypsys (Voodoo Chile = CD)

  01 Changes
  02 Message To Love
  03 Stop
  04 Foxy Lady
  05 Voodoo Chile
  06 Purple Haze

3枚目のCDは大晦日の2ndショウ後半部分を収録していますので、なかなか凄かった前半の勢いがそのまんまんまの演奏に接する事が出来ます。

まずはバディ・マイルスが主役を演じる「Changes」は、ソウルミュージックならではの思わせぶりとハードロックの激した熱情が混在しており、モノラルミックスながらも音がクッキリしているので、全体的に軽めの録音ではありますが、我知らず惹きつけられてしまいます ♪♪~♪

それは続く「Message To Love」でも同様で、ジミヘンのギターはリズムプレイ主体なんですが、当時としては相当に新しいロッキンソウルが展開されていますし、マイクテストを経ての「Stop」では、これまたソウルミュージックがモロ出しとなったボーカルの掛け合いから唸りまくるギターというあたりが、後のアイズリー・ブラザーズのスタイルに直結していると思えば、ここには新しいロックの萌芽が感じられるはずです。

ちなみにジミヘンは下積み時代にアイズリー・ブラザーズのバックバンドに雇われており、その頃に一緒にレコーディングした音源がジミヘン名義に近いタイトルで世に出ているのですから、さもありなん!?

ここに収録の上記3曲からは、それを強く想起させられるんですが、いかがなものでしょう。

そして迎える大団円は説明不要、エクスペリエンス時代の人気演目ですから、おそらくはアンコールのパートだったと推察しております。

だからでしょうか、音質がサウンドボード直結のラインからオーディエンス録音に切り替わっている様ですが、それなりに聴けてしまうのは、流石にジミヘンのギターが物凄く、バンド全体からも超ヘヴィなサウンドが噴出しているから!?
 
とにかく「Foxy Lady」は、演奏の進行やギターフレーズの妙が既に分かっているだけに安心感がありますし、「Voodoo Chile」を短く演じた後にメドレー形式で「Purple Haze」へと続けていくあたりのラフな質感も、ジミヘンのファンなればこその楽しみがあると思います。
 
ということで、ここでの前半は新しいロックを模索するジミヘンが後半ではお待ちかねの大サービスというプロ根性を表明しています。

気になる音質は既に述べたとおり、2枚目のCDを含めての大晦日越年ライブを楽しむには普通に聴けると思いますし、ラスト3曲がライン録りでは無いとしても、それについての文句悪態は時代性からしてもバチアタリと思います。

結局、このパートからはこれまで1曲もオフィシャルでのチョイスは無かったんですが、近々は世に出るリマスター集成盤は、それゆえに期待度が高くなっている理由のひとつかもしれません。
 
あぁ~~、凄く楽しみですっ!
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旅の徒然に

2019-11-19 17:05:15 | Weblog
ようやくゴッサムシティでの仕事も終わり、帰路の途中ということで、本日は徒然なるがままに最近の出来事についての独断と偏見です。

まず、沢尻エリカなぁ~んていう三文女優が悪いクスリで逮捕され、日本の芸能界は大騒ぎ!

おまけに騒動の矛先が現政権の緩みにまで言及されるなんて、本当に我が国は幸せ呆けしている証明でしょう。

もちろん、違法薬物には絶対に手を出してはならないし、しかしだからと言って、現政権が芸能人を生贄にしているが如き発言を弄した評論家や芸人、さらには大馬鹿野郎を演じきった鳩山なんていう総理大臣経験者までもが、それに同調するなんてのは世界中の笑い者に他ならないでしょう。

それじゃ~、そんなに芸能界には悪いクスリに染まっている者が多いと認めているのと同じですよ!

そんなリストアップがされてるなんてこたぁ~、徴兵名簿でもあるまいし、もはや炎上狙いとしか思えませんよ。
 
ただし、確かに芸能界やスポーツ界には、そんなこんなの真っ暗闇がある事は確かで、先日もオリンピアのスノーボーダー、元タレントで悪いクスリの中毒患者を救うような仕事をやっていながら懲りない田代某、他にも売れまくっていた芸能人やアイドルもどきが次々に捕まるのは、もはや珍しくも無いと言えばミもフタもありません……。

それはやっぱり処分の甘さというか、起訴から裁判へと続く法的措置は当然としても、そこまでの流れの中での「甘やかし」が問題だと思うんですよ。

本来であれば拘置されるべき容疑者が易々と保釈され、その挙句に逃走する事件が頻発している事態も記憶に新しいところですが、それはそれとして、ちょいと社会的な地位が高かった人物や有名人を書類送検だけで事を終わらせようとする動きは確かにあり、また起訴猶予なぁ~んていう「甘やかし」が一般人以上に適用されている現実は、やっぱりいけませんよっ!

例えば体の自由を失いつつあった高齢者が車を暴走させての致死事件は、本人に自覚が無かったという話では絶対に無く、もちろん容疑者が自分の行動も儘ならないほどに弱っている事を差し引いても、拘置されないのは被害者の遺族ならずとも、納得出来ないでしょう。

そりゃ~確かに「拘置」は「刑罰」そのものではないので、裁判で判決が確定していない以上、裁量許可の範囲内かもしれませんが、一般的に拘置されている者に実刑判決が確定した場合は、それが「懲役刑」や「禁固刑」であった場合、そこから「拘置」されていた日数を2/3ほど差し引くのが普通ですから、一般社会からは確信犯的殺人と認識されている件の高齢者の交通致死事件は、容疑者の拘置があって然るべきなんですが、やっぱり本人が元高級官僚で、様々な褒章も授与されていたというあたりが、ひっかかるんでしょうねぇ~~。

尤も、あんなに身体の自由を失っている者が拘置所、あるいは刑務所に収監されたって、その面倒を見るのも大仕事!?

刑務官はもちろん、そこで懲役を務めている受刑者だって、嫌々やらされるバカ仕事と思わないはずはありません。

ですから、書類送検で在宅のままの起訴にして、判決が出たとしても、控訴の連続があれば、あの確信犯の容疑者は日々温々と生活し、畳の上で天寿を全うするに違いありませんからねぇ~~、やりきれない気分ですよ。

また、これも記憶に新しい日大アメフト部の選手による悪質タックル事件についても、やらかした選手本人が起訴猶予じゃ~、これまた妙な話です。

だって件の選手が記者会見まで開いて監督やコーチからの命令や無言の圧力に逆らえずに云々と表明したということは、日本という法治国家に暮らしている以上、堂々の確信犯であり、そんな判断が出来ないはずもない年齢ですから、つまりは親分の命令や圧力によって暴力行為に及んだヤクザ者と一緒ですし、そんなヤクザ者に起訴猶予なんてことは絶対にありませんから、「法の下に人間は平等」という金言は全くの画餅!

刑罰は決して犯罪の抑止にはならず、何故ならば法を犯さんとする者は自分が捕まるとは思っていないからで、捕まると分かっていれば犯罪を犯す確率は少なくなるはずが、決してそんな事はありません。

ですから、マスコミも他人の弱みばっかりほじくっていないで、事件のその後というか、犯罪者がどのように悲惨な刑務所暮らしを重ねているか、あるいは出所後の苦労等々を報道するべきですよ。

もちろん更生し、立派に社会復帰を果たしている人達も少なくありません。

しかし、面白可笑しく他人の不幸ばっかりを報道するのがマスコミの役目じゃ~ないと思うんですがねぇ~~。

さて、冒頭の沢尻エリカに話を戻せば、その事件によって殊更来年の大河ドラマで重要な役を与えていたNHKは大打撃!? 早くも放送の延期が取り沙汰されるんですらか、いやいやなんとも情けないかぎりです。

だいたいNHKは現在放送中の「いだてん」の劇中にも税金がらみの犯罪をやらかしたボンクラ役者を堂々と出演させ、犯罪の中身と質を考慮すれば、それは国家に反逆した者を許している行為に等しいのですから、国営放送は犯罪者擁護の姿勢と受け取られかねません。

いゃ~~、本当に笑わせてくれますねぇ~~。

だいたい、あの「いだてん」という国策ドラマは時代考証も甘く、最近では未だ完成もしていなかったカップヌードルを主人公が食すという大ボケがあって、それじゃ~先年まで所謂朝ドラ「まんぷく」で描かれていた即席ラーメン誕生の物語が泥まみれですよっ!

そして、そんなこんなのドタバタも絡めて低視聴率を鬼の首を取ったが如き態度で報道する民放マスコミ各社にも失笑で、何故ならばNHKは最初っから強制的に料金を徴収して作る放送事業を運営しているのですから、基本的に視聴率なぁ~んていう不確かな数字には踊らされる事がないはずですし、だからこそ場当たり的な番組ばっかり放送している事も理解するしかありませんが……。

ということで、本日は暴言&妄言ばかりになってなってしまいましたが、それも旅の徒然の慰みとご容赦いただければ幸いでございます。

そして帰る場所がある幸せに感謝しているのでした。
 
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バンド・オブ・ジプシーズの切実:其の八

2019-11-18 19:09:47 | Jimi Hendrix
■2 Nights At The Fillmore 2nd Show Midnight 31.12.1969 ~ 1.1.1970
                                               / Jimi Hendrix and The Band Of Gypsys (Voodoo Chile = CD)

  01 ツァラトゥストラはかく語りき / Also Sprach Zarathustra
  02 蛍の光 / Auld Lang Syne ◎
  03 Who Knows ◎
  04 Stepping Stone
  05 Burning Desire
  06 Fire
  07 Ezy Rider
  08 Machine Gun ◎
  09 Power Of Soul
  10 Stone Free

      ※バンド・オブ・ジプシーズ
      ▲バンド・オブ・ジプシーズ 2
      ◎ライブ・アット・ザ・フィルモアイースト
 
CD2枚目は、この興業の実質的なメインエベントであるリアルタイムの越年ライブから、その前半を収録してあります。

その始まりは如何にもという「ツァラトゥストラはかく語りき / Also Sprach Zarathustra」の効果音的BGMで盛り上げておいてのカウントダウンで、その場はすっかり出来上がったところから、いよいよジミヘンのギターによる「蛍の光 / Auld Lang Syne」が実にカッコイィ~~です。

告白すれば、その昔、サイケおやじは宴会で「独りジミヘン」というボンクラなギター芸をやらかしては顰蹙の嵐だったという前科前歴を重ねた過去があるんですが、性懲りも無く、この音源に接した後には、これを忘年会用にコピーしようと無謀な挑戦をやらかし、挫折しました……。

ですから、今でも「蛍の光」が流れてくると、発作的にジミヘンの熱いエモーションが蘇ってくるという、所謂パブロフの犬ってやつですよ、これは!

で、そんな事もあり、思い入れも強い音源なんですが、それはそれとして、やっぱり「蛍の光 / Auld Lang Syne」から「Who Knows」へと続く流れ、そしてそのナチュラルな熱気にはシビレが止まりません。

ジミヘン本人も即興で年越しの感慨(?)を歌っていますし、ギターが絶好調ならばドラムスもメリハリが効いていますよっ!

新装版の2枚組CDに選択収録されたのも納得するばかりなんですが、この箱物では時々音が遠くなるという不思議があります。

そして続く「Stepping Stone」はスピード感満点の演奏で、ギターも生々しく、狂おしいとは言いながら、実は音質そのものが幾分薄っぺらで、如何にもサウンドボード直結のライン録りの欠点というか、拍手歓声もほとんど引っ込んでいるので臨場感という点ではマイナスの印象です。

しかし、それでもテンションの高い演奏は続き、チューニングから始まるアップテンポの「Burning Desire」は、その短さからリハーサルみたいな完成度しかありませんが、バンドアンサンブルは至極カッコイイですよ ♪♪~♪

逆に言えば、だからこそ、エクスペリエンス時代からの十八番「Fire」が手慣れた雰囲気の中にも観客やリスナーを満足させるハードロック性感度は極めて高く、ギターが暴れまくれば、ドラムスもビシバシにパワーヒット! もちろんベースも土台を揺るがさんばかりの勢いです ♪♪~♪

う~ん、やっぱり新曲にも期待はしますが、こ~ゆ~人気演目はライブの現場の熱気には必要十分条件でしょうねぇ~~♪

ただし、音質的に、このトラックあたりからボーカルとコーラスのミックスが小さくなっているのは???

ですから思わせぶりにスタートする「Ezy Rider」ではバンドアンサンブル中心に聴いてしまうという、なんともバチアタリなサイケおやじではありますが、ジミヘンのギターに稚気を感じてしまうほどで、あぁ……、こんな不遜をお許し下さい。

特に終盤からのギターソロではスキャットの二重唱が絶品ですからっ!

そして始まる「Machine Gun」が、これまた凄いっ!

自らの激情を抑える様な慎み深いところから、抑えきれない気持ちの心情吐露、それが益々不条理を誘発させるんでしょうか、自暴自棄的な歌いっぷりとギターの合いの手、さらにはズルズルとジミヘンの術中に落とし込まれてしまうアドリブソロ!

これまた名演でしかありませんねぇ~~♪

しかし反面、続く「Power Of Soul 」のリラックスした雰囲気は、前半のボーカルパートがほとんど聞こえない事にも原因があろうかとは思いますが、終盤からの逆襲も聊か空しい感じが……。

だからでしょうか、17分超の長尺演奏を繰り広げる「Stone Free」では、その中に「Outside Woman Blues」や「Sunshine Of Your Love」等々の有名曲を押し込んで我々を楽しませてくれますし、バディ・マイルスの成り行き任せ的なドラムソロもありますが、そんな千変万化の展開の中で、ジミヘンのギターソロには全く飽きることがありません。

あぁ~~、本当に最高だぁ~~~!

と、例によってサイケおやじの独断と偏見が大爆発してしまうのも、全てはバンド・オブ・ジプシーズの魔力とご理解願えれば幸いでございます。

ということで、このパートは既に述べたとおり、ライン録音の欠点というか、観客の拍手や歓声が薄~くしか聞こえませんので、所謂臨場感に乏しく、音質的にも厚みが欲しくなる感じではありますが、それゆえにしっかりとバンドの音が堪能出来ますし、ほとんどモノラルミックスに近いので、音量の不安定さも、それほど気にならないと思います。

次回はCD3枚目で、このステージの後半部分を取り上げますので、最終的な事は、持ち越させていただします。

失礼致しました。
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バンド・オブ・ジプシーズの切実:其の七

2019-11-17 17:06:10 | Jimi Hendrix
■2 Nights At The Fillmore 1st Show 7.30pm 31.12.1969
                                               / Jimi Hendrix and The Band Of Gypsys (Voodoo Chile = CD)
 
  01 Bill Graham Introduction
  02 Power Of Soul
  03 Lover Man
  04 Hear My Train A-Comin' ▲◎
  05 Changes ◎
  06 Izabella ◎
  07 Machine Gun
  08 Stop
  09 Ezy Rider
  10 Bleeding Heart
  11 Earth Blues
  12 Burning Desire

      ※バンド・オブ・ジプシーズ
      ▲バンド・オブ・ジプシーズ 2
      ◎ライブ・アット・ザ・フィルモアイースト

バンド・オブ・ジプシーズが1969年大晦日から敢行したフィルモアイースト年越しライブの計4ステージを収めた6CDボックスから本日は、その最初のステージの音源をご紹介致します。

まず、上記した演目から、バンド・オブ・ジプシーズと名乗るジミヘンの新バンドが「Lover Man」と「Hear My Train A-Comin'」、そして「Bleeding Heart」を除いて、エクスペリエンス時代の曲をやらず、つまりは新曲中心の演奏を披露している事は大きな注目点でしょう。

これには既に繰り返し述べて来たとおり、契約問題のゴタゴタを解決するために新曲だけのアルバムを作る必要があったからで、その義務を速攻で果たすにはライブレコーディングしか無いと追い詰められていたとしても、ジミヘンにはそれよりも前向きな気持ちがあったと、サイケおやじは思いたいのです。

なにしろジミ・ヘン(vo,g) 以下、ビリー・コックス(b,vo) にバディ・マイルス(vo.ds) というオール黒人のロックバンドですからっ!

という安易な思い込みは別にしても、マイケル・ブルームフィールド(g) と共にエレクトリック・フラッグというニューロックなバンドをやって白人層にも知られる様になったバディ・マイルスがジミヘンと組む以上、このライブに参集出来た観客の期待度は相当に高かったはずで、それだけでも幸せを感じたに違いありません。

そこでいよいよ始まった最初のステージをこのCDで聴いてみれば、開演を告げるMCに続いての「Power Of Soul」と「Lover Man」はボーカルが完全に近いほどにオフで、しかしそれだけバンド演奏のアンサンブルがきっちり確認出来るという、聊か苦しい結果オーライ……。

あぁ~~、カラオケみたいでも、やっぱり「Lover Man」はカッコイィ~~~!!

ちなみに収録音源のミックスは不安定なステレオとモノラルが混在しており、それでいて音質はエッジの効いたエグ味が痛切にロックを感じさせてくれますよ♪♪~♪

そしてジミヘンが十八番のスロウブル~ス「Hear My Train A-Comin'」はボーカルが正常に聞こえる様になった事もあり、思わせぶりと激情が交錯するギターも全開! 例の痙攣フレーズやフィードバック、さらにはリードとリズムプレイを一緒にやってしまうブルースギター本来の基本技もロック流儀で披露してくれますから、たまりません ♪♪~♪

当然ながらバディ・マイルスもビリー・コックスも、きっちり自己主張してツボを外していませんので、これは名演と言う他は無く、正規盤CDにも収録されるのは必然ではありますが、そこでのステレオミックスは左にギター、真ん中にドラムスとボーカル、そして右にベースが定位し、音質も厚みはあるものの、幾分優しい(?)感じになっているのは、ここでのモノラルでギスギスした音質に比べれば如何にも安全主義に思えますが、いかがなものでしょう。

ですから、短いジミヘンの短いMCからチューニングを経て始まるファンキーロックな「Changes」にしても、ここでは疑似ステレオ感の強いミックスでありながら、ベースの音がクリアに聞こえるので、本気でカッコイィ~~♪

そして益々熱いのがアップテンポの「Izabella」で、シンプルながら、これがロックだっ! っていうリフとウネるジミヘンのギターは最高ですよっ!
 
こ~して最初に訪れる大きな山場(?)が「Machine Gun」なんですが、何故か前曲が不思議な終わり方というか、全く拍手歓声が切られていて、その静けさの中でスタートする演奏はミディアムテンポながら、不条理に燃え上がった魂の叫び!? まさに情念のイタコ弾きの如きジミヘンのギターの凄みが堪能出来ますし、クールな地響きを感じさせるビリー・コックスのベース、反応が流石のバディ・マイルスのドラムスとの共謀関係も強烈な展開としか言えませんねぇ~~~!?!

また、続く「Stop」はR&B丸出しのハードロックとでも申しましょうか、バディ・マイルスのシャウトがソウルフィーリングに満ちているかと思えば、ジミヘンのギターはメロウな伴奏とオドロのアドリブソロが絶妙の対比を聴かせてくれますし、これこそバンド・オブ・ジプシーズの生身の姿なのかもしれません。

その意味では全く新しいタイプのロックになっている「Ezy Rider」は従来のブリティッシュロックとアメリカンハードロックが混在した不思議な世界でしょうか、ここからボーカルがまたまたオフ気味になり、録音全体も薄口になった印象なのは残念と思うほどに演奏そのものが凄いです!

アンサンブルの乱れも気にする事無くギターを弾きまくるジミヘンはテンパッているのかっ!?

という疑惑もございましょうが、次に披露される「Bleeding Heart」のブルース衝動は、唯一無二! ミディアムスローなテンポで繰り広げられるブルースロックがド真ん中の見事な演奏と思うばかりです。

う~ん、泣きじゃくるジミヘンのギターの狂おしさは最高!

そしてついに訪れる大団円は自己崩壊しそうな「Earth Blues」とジワジワっと迫って来る「Burning Desire」の新しき旅立ちで、明らかに未完成でリハーサル不足も露呈しながら、ここまで微熱に浮かされた演奏が出来てしまうあたりがクールで熱いと思うばかりです。

ということで、約70分ほどの演奏が楽しめるのですが、当然ながら拍手歓声やMCの部分は短くカットしてある事がモロ分かりとはいえ、全体の流れは納得して聴けますし、ボーカルが思いっきりオフになったり、あるいは引っ込んでいるトラックもありますが、如何にもロックっぽい音質は個人的に大好きです。

またレコーディングの状況は概ねライン録りと思われますが、時としてオーディアンス録音?

と感じさせられるほどに観客の声が大きく入っていたり、冒頭に述べたとおり、モノラルとステレオのミックが混在しているが故の疑似ステレオ的な音質も、近々世に出る予定の公式集大成盤では、その処理が大いに気なるところです。

もちろん、演奏そのものが素晴らしいので、ここでもノー文句で聴いてしまうんですが、とにかく期待が高まっているのでした。
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お詫び

2019-11-16 17:46:45 | Weblog

PC不調のため、本日の1枚は休載、ご理解下さい (__)

明日までには何とかしたいものです。

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バンド・オブ・ジプシーズの切実:其の六

2019-11-15 14:23:17 | Jimi Hendrix
2 Night At The Fillmore East / Jimi Hendrix and The Band Of Gypsys (Voodoo Chile = CD)

 ☆Disc-1 / 1st Show 7.30pm 31.12.1969
  01 Bill Graham Introduction
  02 Power Of Soul
  03 Lover Man
  04 Hear My Train A-Comin' ▲◎
  05 Changes 
  06 Izabella 
  07 Machine Gun
  08 Stop
  09 Ezy Rider
  10 Bleeding Heart
  11 Earth Blues
  12 Burning Desire

 ☆Disc-2 / 2nd Show Midnight 31.12.1969 ~ 1.1.1970
  01 Also Sprach Zarathustra
  02 Auld Lang Syne 
  03 Who Knows 
  04 Stepping Stone
  05 Burning Desire
  06 Fire
  07 Ezy Rider
  08 Machine Gun 
  09 Power Of Soul
  10 Stone Free

 ☆Disc-3 / 2nd Show (conclusion)
  01 Changes
  02 Message To Love
  03 Stop
  04 Foxy Lady
  05 Voodoo Chile
  06 Purple Haze

 ☆Disc-4 / 3rd Show 7.30pm 1.1.1970
  01 Bill Graham Introduction / Who Knows  
  02 Machine Gun  
  03 Changes
  04 Power Of Soul ◎ 
  05 Stepping Stone 
  06 Foxy Lady ▲ 
  07 Stop ▲
  08 Earth Blues
  09 Burning Desire 

 ☆Disc-5 / 4th Show 9pm 1.1.1970
  01 Bill Graham Introduction / Stone Free  
  02 Changes ※ 
  03 Power Of Soul ※ 
  04 Message To Love
  05 Earth Blues 
  06 Machine Gun 

 ☆Disc-6 / 4th Show (conclusion)
  01 Voodoo Chile 
  02 We gotta Live Togeter ※
  03 Wild Thing 
  04 Hey Joe
  05 Purple Haze

      ※バンド・オブ・ジプシーズ
      ▲バンド・オブ・ジプシーズ 2
      ◎ライブ・アット・ザ・フィルモアイースト
 
掲載したのは、これまで述べたとおり、1969年大晦日~1970年元日に開催されたニューヨークはフィルモアイーストでの2日間、計4ステージを演じたバンド・オブ・ジプシーズの音源を6枚のCDに収めた箱物で、発売されたのは確か、2007年でありました。

しかし、これは決して純粋な(?)ブートではなく、それでいてジミヘンの財団「Experience Hendrix」から公認されてもいない、所謂ハーフオフィシャルな商品でありながら、ファンや信者を納得させるだけの質量が確かにあって、それは基本的にはサウンドボードと思しき音質の安定性と申しましょうか、普通に聴けるライブ盤であり、さらにチューニングやMC等々が実際のステージ進行を追体験させてくれますから、たまりません♪♪~♪

つまり、そのまんまに近いナチュラルな音源であるがゆえに、各楽器や各人のボーカルのバランスが悪い部分も確かにあるんですよ。

それでも、リスナーを満足させてしまうのは、やはりジミヘンの魔力であり、全てを乗り越えていくギターとボーカル、さらにはバンド・オブ・ジプシーズという短命に終わった真正ブラックロック(?)のバンドが最も激しく堪能出来る音源!

それに尽きると思うばかりです。

そして当然ながら、近々発売が予定されている公認リマスターによる集成音源集との比較も大いに楽しみである以上、サイケおやじとしては、この箱物CDを今後、少し詳しくご紹介させていただく所存でござます。

ちなみに、この元ネタになっている音源ソースは決してオフィシャルに録音されたテープからでは無いと思いますが、一説によれば、件の正規録音マスターテープは紛失したとか、盗まれたとか、様々な裏事情があるらしく、例えそれがこの6CD盤に用いられたとしたら、音のバランスの良くないトラックが混在しているのは、これ如何に!?

そんなこんなも含めて、バンド・オブ・ジプシーズに対する興味と期待は膨らむばかりあります。
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お知らせ

2019-11-14 17:38:13 | Weblog

拙サイト「サイケおやじ館」が、12月10日前後に移転する事になりました。

詳細は本決まりになって後、告知させていただきます。

そして、これを機に、停滞している更新作業にも身を入れたいと思います。

今後とも、よろしくお願い致します (__)

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バンド・オブ・ジプシーズの切実:其の五

2019-11-13 17:17:08 | Jimi Hendrix
Hendrix Live At The Fillmore East / Band Of Gypsys (Experience Hendrix / Universal = CD)

 ☆Disc-1
  01 Stone Free (1970年1月1日:2nd show)
  02 Power Of Soul (1970年1月1日:1st show)
  03 Hear My Train A Comin' (1969年12月31日:1st show)
  04 Izabella (1969年12月31日:1st show)
  05 Machine Gun (1970年1月1日:2nd show)
  06 Voodoo Child (1970年1月1日:2nd show)
  07 We Gotta Live Together (1970年1月1日:2nd show)
 ☆Disc-2
  01 Auld Lang Syne (1969年12月31日:2nd show)
  02 Who Knows (1969年12月31日:2nd show) 
  03 Changes (1969年12月31日:1st show)
  04 Machine Gun (1969年12月31日:2nd show)
  05 Stepping Stone (1970年1月1日:1st show)
  06 Stop (1970年1月1日:1st show) 
  07 Earth Blues (1970年1月1日:2nd show)
  08 Burning Desire (1970年1月1日:1st show)
  09 Wild Thing (1970年1月1日:2nd show)

いよいよバンド・オブ・ジプシーズの全容解明に向け、これまで混乱と商魂が入り混じった状況の中で世界中を騒がせて来た経緯は、凡そ前回までに述べたつもりですが、ついに近々、フィルモアイーストにおける年越しライブ音源がリマスター集成される運びとなり、あらためて現在までの様々な音源を聴いております。

で、本日取り出したのは、1999年に公式発売された2枚組CDで、その内容はバンド・オブ・ジプシーズが前述のライブギグで残した4ステージ分の音源から選び抜かれたトラックを、あたかも一夜のショウの如く纏めたにライブ盤の体裁になっています。

そして特筆すべきは、まず公式&非公式に出回っていたアナログ盤やCDと比べて、抜群に音が良くなっている事で、これはジミヘンの復刻作業に関わっているエディ・クレイマーの手腕であろうと思えば、流石はジミヘンの遺族が運営している財団「Experience Hendrix」が公認しているだけの事はあります。

同時に収録トラックのほとんどが公式には初出という快挙で、これまでに聴けた「Hear My Train A Comin'」や「Stop」にしても、既に述べたとおり、トンデモ盤の「バンド・オブ・ジプシーズ 2」とは雲泥の差という大迫力! また「We Gotta Live Together」にしても、初出盤「バンド・オブ・ジプシーズ」よりも演奏時間が長くなっているので、それは編集バージョンであった事が確定されています。

ご存知のとおり、このライブがレコーディングがされたのは、ジミヘンの契約問題の拗れを解消する目的があった事は以前に書いたとおりですので、必然として新曲が求められていた前提に鑑みれば、場当たり的に作り出した演奏もあったかもしれませんが、ジミ・ヘン(vo,g) 以下、ビリー・コックス(b,vo) にバディ・マイルス(vo.ds) というトリオ編成のバンド・オブ・ジプシーズとして、それなりに積み重ねたリハーサルやスタジオレコーディングの成果は確かに出ている事が、この新装版2枚組CDを聴けば納得されるように思います。

中でも2枚目の冒頭、新年を迎えるアナウンスとカウントダウンに至る観客のざわめきから「Auld Lang Syne / 蛍の光」が演奏され、そのまんまナチュラルなグルーヴを湛えて「Who Knows」へ入って行く期待値の高い緊張感、さらにロッキンソウル全開の「Changes」から収拾不能気味の「Machine Gun」へ続く流れは感度良好 ♪♪~♪

また、1枚目ド頭の「Stone Free」の爆裂演奏にもシビレますっ!

しかし、上記した収録トラックの演奏データからもご推察のとおり、実は曲毎に終わりと始まりにフェードアウト&フェードインが確かにあり、それは観客の拍手歓声の部分だったとしても、もう少し臨場感を大切にした編集が望まれるところ……。

実はブートやハーフオフィシャルとして出回っている4回のステージ毎に「通し」で聴ける無編集音源(?)が、この公式2CD盤が登場した後にも熱烈に支持されているのは、当然ながらジミヘンの凄さを少しでも完璧に堪能したいという欲望が基本ではありますが、さらに自然なライブ感が求められているからでしょう。

そのあたりが冒頭に述べた発売予定のリマスター集成盤で、どのようになっているのかにも大きな意味合いを感じるところです。

また、書き遅れてしまいましたが、この2CD盤と同時期には、なんとっ!

一部ではありますが、このフィルモアイースト公演からの映像も発売されていて、サイケおやじは、またまたそこで新しい事実に気づかされたのですが、今回はここまでにさせていただきます。

最後になりましたが、やはりバンド・オブ・ジプシーズはリズムとビートがシンブルで重い分だけ自由度も高い印象で、どっしり打ち出される8ビートや反復リズムからは間違いなく黒人だけのファンクな感性が噴出している事を思い知られました。

この2CD盤には「Machine Gun」が2テイク収められていますが、そのあたりを感じつつ聴き比べというか、それぞれに異なる思惑で情念を爆発させるジミヘンに対し、クールで熱いリズムとビートで対抗するビリー・コックスとバディ・マイルスのシンブルなファンク魂!

個人的には1枚目の「Machine Gun」から「Voodoo Child」へと続く混濁と激情の嵐に中毒しているのでした。
 
……続く。
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股旅道中

2019-11-12 19:26:32 | Weblog

今は旅中のサイケおやじです。

ゴッサムシティが悪天候らしくて、急遽乗り継ぎの途中であります。

旅の道連れは、爆眠が一番と思うばかりで、明日はどっちだっ!?

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世良順子が好き! どっちが本当でも

2019-11-11 16:49:56 | 歌謡曲
コスモス咲いても c/w スコール・モンスーンBABY / 世良順子 (テイチク)

掲載したのは、以前にご紹介した世良順子のデビュー作と思しきシングル盤です。

発売されたのは昭和54(1979)年2月とされていますが、特筆すべきは収録カップリング曲の落差でして、個人的にはB面に収録された作詞:おかどゆきこ&作曲:けづかのぼるが提供の「スコール・モンスーンBABY」が、モロ次作シングル曲「ハバナムーン」へと繋がるビートの効いたラテンニューミュージック(?)とでも申しましょうか、とにかく彼女の歌いっぷりのノリの良さ、メロディフェイクの上手さが鮮度抜群 ♪♪~♪

聴き様によっては芝居がかった味の濃さは確かにクセが強いかもしれませんが、それでも、このあたりはクニ河内のアレンジとの相性もバッチリってやつでしょう。

ところが逆に意表を突かれたのが作詞:白石ありす&作曲:岩沢幸矢が提供したA面曲「コスモス咲いても」で、実はサイケおやじは前述「ハバナムーン」のシングル盤を先にゲットしていたので、この「コスモス咲いても」のマイナーな歌謡フォークの世界には、初めてレコードに針を落とした瞬間から、何かの間違い?

本当に……、そう思わされましたですねぇ~~~!▼?▲

でも、これは確かに世良順子のレコードでして、失恋の歌にはジャストミートのプラトニックな声質がせつなさを誘うんですよ ♪♪~~♪

そして、ここでもクニ河内のアレンジが嫌味無く暗いというか、逆説的な爽やかさがイイ感じ ♪♪~♪

う~ん、こ~なってみると弾けるようなラテンフュージョン歌謡が正解なのか、あるいはデビュー作「コスモス咲いても」のような歌謡フォーク路線が合っているのか、ちょいと判断しかねるのは勿体無いと思うばかりです。

結局、サイケおやじとしては両方の持ち味が好きなのが本音であり、しかし残念ながら世良順子は、これっきり2枚のシングル盤しか残していないようなので、それが現実であったなら残念……。

ジャケ写からして、妙に男好きするルックスの魅力もありますし、もっともっと活躍出来たに違いない、サイケおやじにとっては「幻」のボーカリストのひとりであります。

ということで、実は明日からゴッサムシティに出張なので、拙ブログの更新の予定が見えていません。

極力、旅の空の下から更新を試みる所存ですので、その点をご理解お願い申し上げます (__)
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