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「平和百人一首」のご紹介       まもる

2008年12月02日 15時39分06秒 | 文化一般、書評・マスコミ評など
 今年の5月に「百のうた、千の想い」という大竹桂子さん編集の平和百人一首の本が発行されました。
 大竹さんは戦後の昭和二十三年に新憲法記念行事として行われた「平和百人一首」の企画を知り、全国23720人の応募から当選した百一の平和短歌を再び世に公表し、終戦を喜び輝く新しい国に希望をふくらます当時の日本人の生の声を知らせたいと、画家の稲田善樹さんと協力してこの本を出版しました。
どの短歌にも当時日本の様子が滲み出ており戦争の無い時代到来の安心と喜びが全篇に溢れ、心打たれる物ばかりです。

「水ぬるむ信濃の川をよぎる汽車 はなやぐ子らの 声をもりゆく」

「手まりうたのどかに子らと遊びいて 平和の春はありがたきかも」

「みどりよりみど利にくるるわが家は 草ぶきなれどこころ安けし」

「琴たきて雪夜をいねず引きあげし かの日思へばなにたえざらん」

「ゆめにさへ恋ひやまざりし青だたみ ただうれしくて足のばしけ利」

「さきわひはこたつにこそあれ ひとつ灯に 親子五人夕げたのしむ」

「山ずみの夏こそよけれ子とひたる 野風呂あまねく月夜となりぬ」

「春は花 秋はもみぢ葉山川の 美ましき国に事なあらせそ」

「春の野をわが恋ひくればみなし児のくろき片手にれんげ匂へり」

「われら選ぶ人のをさむる新しき国輝けと一票を投ず」

「地の上に永遠の平和を祈るかな戦に病みし生命きつつ」

「人類がたたかひの爐に投げ入れしさちの価はいくばくならむ」

「広島の焼け野にたちし棟長屋ゆふべ点く灯のあたたかく見ゆ」

 この百人一首を読んでみると、あの何にも無い時代に、人々はどういうことに
素朴な喜びを感じて生きていたかを、しみじみと知ることができ、あらためて憲法の大切さ、とりわけ九条の果たしてきた役割を再認識した次第です。

★昭和区九条の会では、この本の原画展を1月12日より18日まで恵方町マタイ教会で開催します。
コメント (1)
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