東海放送人九条の会 2周年記念講演。
「メディアの憲法報道を問う」⑮
(飯室勝彦中京大学教授)の続きです。(落石)
「70%が改憲容認」の嘘
いまのことをもう一回言いますと、写真の話の他に、
憲法の問題がいい例ですよね。
先ほど改憲賛成が70%って言いました。
しかしそれはみなさま方ご存じのように、よく内訳を調べてみると、
環境権の新設がいいからとか、人格権をはっきり盛り込めばいいんだと
言ってるんであって、憲法九条改正に賛成が70%なんてことはあり得ませんよね。
ここだって、ひとつ勉強して突っ込めばいくらでも事実を書くだけで
批判が出来ます。
では、環境権やプライバシー権を書き込もうと云って、
そのために憲法改正しようと言っている自民党の人たちが、
どれだけ環境権を実現するためにこれまで頑張ってきたか。
環境権訴訟なり、環境権を実現しようと頑張ってきた人たちは、
むしろ憲法九条を守ろうとしてやってきた人たちではなかったでしょうか。
そういう事実を組み合わせて報道するだけで、
何も「けしからん」と書かなくても批判的な力は充分果たせるのではないか
と思ってるんです。
その意味で憲法の報道の仕方が若干変わったのかなぁと思ったのは
朝日新聞の今年の5月3日の記事でした。
九条に絞って世論調査を実施したんです。
「九条変えない世論戻る」って見出しでですね、
「変える」という意見が23%で、「変えない」が66%。
かつては、23%とか66%というのは主見出しにはならなかったと思います。
全体の憲法を変えることに賛成か反対かという意見が
メインの見出しになったと思うんです。
どこをメインな見出しに書くかだけでも、メッセージは変わってくるんですね。
ですから、客観報道というのは基本原則としては大事なんですけども、
むしろそれを多面的に、多角的にいろんな情報を集めて組み合わせることによって
客観報道を守りながら、きちんと批判力を発揮していけるのではないか、
と思ってます。
つづく
「メディアの憲法報道を問う」⑮
(飯室勝彦中京大学教授)の続きです。(落石)
「70%が改憲容認」の嘘
いまのことをもう一回言いますと、写真の話の他に、
憲法の問題がいい例ですよね。
先ほど改憲賛成が70%って言いました。
しかしそれはみなさま方ご存じのように、よく内訳を調べてみると、
環境権の新設がいいからとか、人格権をはっきり盛り込めばいいんだと
言ってるんであって、憲法九条改正に賛成が70%なんてことはあり得ませんよね。
ここだって、ひとつ勉強して突っ込めばいくらでも事実を書くだけで
批判が出来ます。
では、環境権やプライバシー権を書き込もうと云って、
そのために憲法改正しようと言っている自民党の人たちが、
どれだけ環境権を実現するためにこれまで頑張ってきたか。
環境権訴訟なり、環境権を実現しようと頑張ってきた人たちは、
むしろ憲法九条を守ろうとしてやってきた人たちではなかったでしょうか。
そういう事実を組み合わせて報道するだけで、
何も「けしからん」と書かなくても批判的な力は充分果たせるのではないか
と思ってるんです。
その意味で憲法の報道の仕方が若干変わったのかなぁと思ったのは
朝日新聞の今年の5月3日の記事でした。
九条に絞って世論調査を実施したんです。
「九条変えない世論戻る」って見出しでですね、
「変える」という意見が23%で、「変えない」が66%。
かつては、23%とか66%というのは主見出しにはならなかったと思います。
全体の憲法を変えることに賛成か反対かという意見が
メインの見出しになったと思うんです。
どこをメインな見出しに書くかだけでも、メッセージは変わってくるんですね。
ですから、客観報道というのは基本原則としては大事なんですけども、
むしろそれを多面的に、多角的にいろんな情報を集めて組み合わせることによって
客観報道を守りながら、きちんと批判力を発揮していけるのではないか、
と思ってます。
つづく