九条バトル !! (憲法問題のみならず、人間的なテーマならなんでも大歓迎!!)

憲法論議はいよいよ本番に。自由な掲示板です。憲法問題以外でも、人間的な話題なら何でも大歓迎。是非ひと言 !!!

孫正義氏の決意      只今

2011年04月22日 21時55分40秒 | Weblog
 22日(金)の夜、自由報道協会主催の記者会見に臨んだ孫正義さんに、年甲斐もなく目頭をあつくしてしまいました。
 テーマはエネルギー政策の転換ですが、うるるんとなったのは講演後の質疑応答。このこと報じる明日の新聞果たしてあるだろうか、との思いにかられ、瑣事風な紹介をさせてください。
  
【質問・女性】311以降、原発問題に関心をもち、それとないいやがらせを私ごとき者まで受けています。ましてや孫さん、前の福島県知事(※)のようなこともありますから、お気おつになってください。
 そこで質問ですが、私たちは今、特定の電力会社以外から電気を買うことはできません。なんとかならないでしょうか。

(※)プルサーマルに反対した佐藤栄佐久前福島県知事は、弟の汚職事件を追及され辞
  職。後に逮捕され係争中。
  福島原発について隠された部分を知っていると思われる佐藤前知事に、日本のメディアは近づくことをしないが、先日、外国特派員協会に招かれた佐藤氏は「原発に関する政府の情報隠しは旧ソ連と同じ」と言明。

【答え・孫】私も狙われるかもしれませんが、しかし時には、セイギを通さなくてはならないときもあります。自信はありませんが、やる覚悟はあります。
 電気については先ほどもお話した通り、発電と送電の分離が必要であります。
 
【質問・男】今の与党に足らないものは何だと思われますか。

【答え、孫】私もドンキーホーテとか言われたり、また一応、会社の経営者ですから、心定まらないこと、悩むこと多く、自分の非力さにうつむくこともありますが、しかし、やらなきゃいかんということもあるわけでして、それが今ということで…。
  ですから、与党に足りないもの、それは「覚悟」ではないか、と。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

昭和区平和美術展をご覧ください!!!!       昭和区九条の会

2011年04月22日 20時56分16秒 | Weblog
第5回 昭和区平和美術展を開催しています。期間は19日から24日までです。
会場は例年通り、名古屋市博物館で行っています。


 開館時間は9時30分~17時までです(最終日は15時になります)。
 入場は、無料です。


 今回は、東日本大震災や原発事故(いまなお、収束の目処が立っていない)
もあり、開催を中止するか、という声もありましたが、長期化する復興を支援
するためにも、自粛はやめ、義援募金を行い、被災地に届けることを条件に
開催する事にしました。

 本日の中日新聞「名古屋市内版」(21面)にカラー写真付きで紹介されました
のでご覧の方もおられると思いますが、≪平和であるこそ、芸術を楽しめる≫を
コンセプトにして5年間開催してまいりました


 今年は「愛知の戦跡から学ぶ」としました。戦争体験者の絵やコメント、「ピース
あいち」をはじめ県下の団体、個人のみなさんのご協力で戦争を二度としてはな
らないことを学んで頂ければ・・・・と思っています。

 また、絵画、写真、工芸、書の部門も、自信作や思いの籠った作品が出展され
ました。年齢も97歳の書、94歳の絵画など90代の方が5名も出展され、小学生の
書なども会場を飾っています。

 恒例の障害施設入所者の作品(約40点)、ディサービスからの作品などもあり、
それぞれの≪生きがい≫になっているそうです。
 

 お忙しいとは存じますが、春の一日を芸術に親しんでいただければ幸いでござ
います。
 お越しいただくことを願い、ご案内申し上げます。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

湖西市・三上市長の意見は、ずばり見事!    ネットサーファー

2011年04月22日 20時50分04秒 | Weblog
■浜岡原発の即時停止を要請 中部電に静岡・湖西市長

21日・東京新聞の記事を目にしました。

湖西市・三上市長の意見は、ずばり見事!

このように地域の市町村長の要請が早くどんどん広がることを願います。

また、各自治体の議会で、早急に議案を討議・議決して、

電力会社・経済産業省に、即時停止を求める要請を、

提出する動きを早急におこしてほしいと思います。


私たち市民は、今、市長・議会にそれぞれ直接行動を起こさなければいけないと思います。

(すでに行動をされているグループもあります。
取り急ぎの文なので、足りないところはお許しください)



***********************************************

【東京新聞】

2011年4月21日 18時57分

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2011042101000998.html

■浜岡原発の即時停止を要請 中部電に静岡・湖西市長

 静岡県湖西市の三上元市長は21日、静岡市で開かれた県内23市長による「静岡県市長会」の席上、中部電力に対し浜岡原発(同県御前崎市)の即時停止を求めた。

 中部電は福島第1原発事故を受け、浜岡原発の災害対策について説明するため、静岡支店幹部らが市長会を訪問。「既に津波による電源喪失を防ぐ対策はあるが、今後さらに念を入れて防波壁などを設置する」と理解を求めた。

● これに対し、三上市長は「対策を強化するのは現状の安全策が不十分だからではないか。まず原子炉を停止してから対策をすべきだ」と訴えた。

 湖西市は浜岡原発から50キロ以上離れているが、三上市長は「福島の現状を見れば、50キロでも安心できない」として脱原発を主張。会合の後、報道陣に「今日の説明では納得できない。(同じ意見の)三重県伊勢市の鈴木健一市長など各地の首長と連携し、浜岡原発の即時停止を求めていきたい」と述べた。

(共同)


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「生命の尊厳、人間の安全保障をめぐって憲法を活かせ-施行64周年憲法記念に向けて  (平和フォーラム)  

2011年04月22日 20時43分46秒 | Weblog
 5月3日で憲法は施行64年を迎えます。歴史的にも意義があり、世界各地で戦
争が絶えない今日、日本の憲法を高く評価する声は世界に広がっています。今
回の未曾有の事態に対しても生命の大事さが、被災者をはじめ多くの住民の基
本におかれていることも、憲法理念が定着していることのあらわれともいえま
す。他方で、「想定外」とされる事態がつづくなか、「非常事態」「危機管理」
「超法規」などの名目で憲法理念を逸脱あるいは変更する動きが強まることに
も注意しなければなりません。                          また、福島原発をめぐっては先の見通しが立っ
ておらず、当面かつ長期の課題として私たちの生命に関わる問題になろうとし
ています。大震災という事態を踏まえて、「生命の尊厳」に関わる「生存権」
や「人間の安全保障」、「国際社会との協力関係のあり方」や「平和基本法」
の重要性などについてともに考え、憲法を具体的に生かす活動の糧にしません
か。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【原発行政 電力との癒着を断て】東京新聞2011/4/19/社説 ネット虫

2011年04月22日 20時35分32秒 | Weblog
ネット仲間の中田妙佳 さんが次のような指摘をしてくれました。  


■東京新聞2011/4/19/社説にマスメデイアとして
 ★【原発行政 電力との癒着を断て】の文章に、やっと取り上げられました。

この日本の政治の腐敗問題を、今までマスメディアは決して書こうとしませんでした。

<東京新聞>
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2011041902000056.html

【社説】


■原発行政 電力との癒着を断て

2011年4月19日

 菅直人首相が国会で原子力行政を根本的に見直す考えを表明した。官僚天下りをはじめ国の規制監督に致命的な問題点があるのは明白だ。事故の収束を待たず、早急に見直し作業を始めるべきだ。

 いまさらながらの感もするが、菅首相は参院予算委員会で決意を語った。「従来の先入観を一度すべて白紙に戻し、なぜこういう事故が起きたのか、徹底的に根本から検証する必要がある」

 これは当然だ。

 原子力行政をとりまく課題は根が深い。現状はどうかといえば、原子力安全・保安院と原子力安全委員会の二本立てになっている。前者は経済産業省の外局として後者は内閣府の審議会という扱いである。

 経産省は外局に資源エネルギー庁も抱え、原発推進の旗振り役になっている。いわば右手で原発を応援しながら、左手で規制監督していた格好だ。しかも、官僚OBの天下りを何人も電力業界に送り込んできた。

 ことし一月にも前資源エネルギー庁長官が退官後四カ月で東電顧問に就任している。組織として電力会社に退官後の世話になりながら、真に国民の側に立って安全性をチェックできるはずがない。

 この問題は国会でも追及されたが、枝野幸男官房長官は「国家公務員の退職管理基本方針に沿っている」と述べ、天下りではないという考えを示していた。政府側にも甘い認識があったのだ。

 学識経験者たちで構成する原子力安全委員会は、専門的・中立的立場から保安院を監督する二重チェック体制という建前になっている。だが、今回の事故で役割を果たしたとは到底言えない。

 事故発生から一カ月以上も委員が現地入りせず、その事実が報じられてから現地に駆けつけた。委員たちは年間一千万円以上の報酬を受けながら、当事者意識の欠如どころか怠慢ではないか。

 元委員長の一人は東電の安全確保が十分でなかった背景について「費用がかかる」と発言している。規制される側の経営事情に配慮していたのは疑いなく、本来の役割を忘れていた。

 まず政府と学識経験者、電力会社の癒着を完全に断ち切る。地域独占で「絶対につぶせない」という事情が癒着の背景にあったことを考えれば、発電と送電の分離、地域独占といった電力事業のあり方にも切り込む必要がある。

 「これは人災だ」という批判もある。政府の責任を明確にしてゼロから立て直さねばならない。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

記者の目:「原子力ムラ」の閉鎖的体質=日野行介

2011年04月22日 20時14分20秒 | Weblog
★毎日の21日の記者の目になるほどと思わせる記事が書かれていた。紹介したい。

                               ネット虫
===================================

記者の目:「原子力ムラ」の閉鎖的体質=日野行介  

                                        東京電力福島第1原発の事故の取材応援で、東電や経済産業省原子力安全・保安院、
内閣府原子力安全委員会の記者会見に何度も出席した。そこで強く疑問に感じたのは、
「想定外の事態」や「未曽有の天災」という決まり文句を盾に、決して非を認めようと
しない専門家たちの無反省ぶりだ。これまで不都合な警告や批判を封じ込め、「安全」
を自明のものとして押し付けてきた業界の独善的体質が今回の事故の背景にあると思え
る。

 ◇言葉は丁寧だが決して非認めず
 「大変なご心配をおかけして申し訳ありません」。東電の記者会見は必ずと言ってい
いほど謝罪の言葉が出る。だが、「多重防護」を誇ってきたはずの原発の安全性自体に
疑問が及ぶと、会見する幹部の態度は途端に硬くなる。言葉は丁寧だが、非は決して認
めず、自分たちの言い分だけを強調する。都合の悪い質問には、記者をにらみつけなが
ら木で鼻をくくったような対応をする幹部もいる。

 こうした会見の模様はテレビやインターネット動画でそのまま報道され、政府の対応
への不信とも相まって、国民は「本当に大丈夫なのか」「うそをついているのではない
か」と疑念を募らせている。

 私は02年から3年間、若狭湾に原発15基が林立する福井県敦賀市に勤務した。「
原発銀座」と称される地域で、取材の最重要テーマが原発だった。

 取材で接した原子力の技術者・研究者たちの印象は決して芳しいものではない。都合
の悪い問いにまともに答えず、批判的な意見に耳を貸さない尊大ぶりが印象に残った。

 高速増殖原型炉「もんじゅ」(敦賀市)の設置許可を無効とした名古屋高裁金沢支部
判決(03年1月)の際には、電力会社や研究者が業界を挙げて判決を攻撃した。判決
に関する討論会で、推進派の大学教授が専門用語を駆使して野党の国会議員をやり込め
た後、会場の片隅で「素人のくせに」と仲間内で笑い合っているのを見た。

 ある地方テレビ局が数年前、原子力に批判的な研究者をドキュメンタリー番組で取り
上げたところ、地元電力会社が「原子力を理解していない」と猛烈に抗議した。番組は
この電力会社を直接批判する内容ではなかったが、テレビ局は広告主の抗議を無視でき
ず、記者による定期的な原発見学を約束した。

 この件について取材した私に、電力会社の役員は「(原発が)いかに安全か理解して
いない。『反省しろ』ということだ」と言い放った。その傲慢な態度は、今回の事故を
巡る会見で見た東電幹部と重なり合う。

 ◇官民にまたがる狭い人脈社会 
 なぜ、こんな体質が醸成されるのだろうか。

 原子力の技術者だった飯田哲也・環境エネルギー政策研究所長は、業界の実態を「原
子力村(ムラ)」と名付けた。大学や大学院で原子力を学んだ学生は、電力会社やメー
カーに就職したり、国や立地自治体の技官になる。就職先は担当教官の意向で決まるこ
とが多い人脈社会で、彼らは官民に分かれても「ムラ」の一員として育っていく。

 原発関係の事故はメディアで大きく報じられる。市民団体などの批判にさらされるこ
とも多い。“被害者意識”から、彼らは批判を「素人の意見」だと一方的に決めつけ、
独善的な専門家意識を強めていくのだろう。

 原発の安全規制は、保安院と原子力安全委員会による「ダブルチェック」体制とされ
る。しかし現実には十分機能していない。チェックする方も、される方も、同じ「ムラ
」の構成員なので、業界全体の利益を守ろうという意識が働く。保安院に至っては、原
発を推進する経産省に属するという構造的問題を抱えている。

 組織の名称にしても、米国は「原子力規制委員会(NRC)」なのに、日本の機関に
は「規制」ではなく「安全」が使われている。「原子力は安全」という宣伝を優先する
あまり、規制や監視という視点が欠落していたとしか思えない。

 今回の事故を受け、保安院を経産省から分離する組織改革がようやく検討される見通
しとなった。必要なことだとは思うが、組織いじりだけでは専門家たちの体質を変えて
いくことはできない。

 これまで私たちは原子力の問題を「専門家の世界だから」と、直視することを避け、
「ムラ」に委ねすぎてきた。だが今回の事故で、放射能への不安から電力不足問題に至
るまで、原子力が一人一人の生活に密接にかかわることが明白になった。もう無関心は
許されない。(大阪社会部)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

再臨界の証拠資料を『東電が、誤りだったから訂正?』小出裕章氏  文科系

2011年04月22日 15時21分27秒 | 国内政治・経済・社会問題

 20日に各新聞社がおかしなニュースを流しました。再臨界の証拠となるクロル38検出は誤りだったから訂正しますと東電が発表したというのです。アシュラサイトのgataro さんの記事を部分的に再編成して転載いたします。まず、読売で言えば、こんなニュースを流したとのこと。

【 東京電力は20日、先月25日に福島第一原子力発電所の1号機タービン建屋地下の汚染水から見つかったとした放射性塩素38について、再分析したところ検出できなかったと当初の発表を訂正した。
 塩素38については、燃料の再臨界が起こった根拠と指摘する専門家もいたが、再臨界を示す他の放射性物質は見つかっていなかった。東電は、分析のプログラムミスが判明し、再評価を進めていた。
(2011年4月20日21時46分 読売新聞) 】

 これについて、ずっとこのクロル38を問題にしてきた小出氏が、21日の大阪毎日ラジオで、概要こんな話をしたそうです。

【  そして、小出先生のお話、1号機の再臨界のこと、クロル38を根拠にしていたのですが、毎日新聞に、東電はクロル38の検出を間違いと発表し、再臨界の可能性が低くなったということです。ちょっと、ほっしたということです。放射性物質の放出は、しかし、これで少なくなるのではない、今までと同じで、事態は好転していない、困難山積みなのです。手詰まりで、原子炉を冷やすのに水を入れる、入れたら溢れて汚染水がたまり、水を漏らすトレンチに入り海に漏れる、タンクに移すのに20何日もかかり、大変な作業が待っているのです。再臨界なしでも、安心できないのです。

 クロル38のこと、半減期の短い物質の過大評価と東電は言っていますが、ばかげた説明である、ゲルマニウム半導体でガンマー線を計っている、どの核種がどれだけあるか分かり、クロル38のことは分かるのに、生のデータを見たらすぐ分かるのに、今間違いというのか不思議と言うことなのです。専門家には簡単なことなのです。スペクトルを見せてもらったらすぐに分かるのに、20日以上スペクトルを出してない、本当かうそが分からないのです。
 分析・再評価は本当のデータを専門家が検討しないと、本当かどうかは分からない、東電が勝手に解釈して間違いを発表するのを止めて欲しいのです。みんなにデータ開示をして、再臨界で世界中が驚いたのです。東電は正確なデータを出して欲しいのです 】

 これはどう見ても東電の証拠隠蔽だと僕は思えるのですが、みなさんどうでしょうか?生の資料を出さず、今までも「誤り、訂正」「『計器の故障』と逃げること」「資料隠し、遅出し」を一杯やってきた東電ですから、全く信用できません。こういう不明瞭なことについて、政府は何も指導しないかのごとくです。共犯関係にあるということじゃないでしょうか。
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「再臨界は起こっている」と、小出氏   文科系

2011年04月22日 00時28分00秒 | 国内政治・経済・社会問題
 これも、アシュラサイトの記事です。小出氏は今なお、標記のことを言い続けています。流出物質から推理し続けてきたこの論理は、誰も否定できないものなのでしょう。合理的に否定する人が出たなら、言い続けることはないはずです。水素爆発ならぬ、それよりはるかに凶暴な水蒸気爆発が起こって、放射性物質が福島県外へと広範囲にまき散らされる可能性が去っていないということです。天に祈りたい気持ちです。

【 福島第一原発の水蒸気爆発を回避できるかは半年が勝負 京都大学原子炉実験所助教・小出裕章さんインタビュー(Actio)
http://www.asyura2.com/11/genpatu9/msg/671.html
投稿者 gataro 日時 2011 年 4 月 21 日 20:18:53: KbIx4LOvH6Ccw
http://actio.gr.jp/2011/04/21155652.html
福島第一原発の水蒸気爆発を回避できるかは半年が勝負 京都大学原子炉実験所助教・小出裕章さんインタビュー
4月 21st, 2011 by taketake in インタビュー一覧, インフォメーション

今は子どもを守って大人は被曝を我慢するしかない

3月11日、巨大地震と津波が東京電力福島第一原発を襲った。1~3号機では非常用ディーゼル発電機がすべてダウン。冷却機能を失った原子炉と使用済燃料の温度は急上昇し、水素爆発により建屋上部が破壊され、大気や海に大量の放射性物質が漏れ続けている。深刻な状況は打開できるのか、京都大学原子炉実験所助教の小出裕章さんに聞いた。
   (聞き手=渡瀬義孝) (インタビューは4月5日)

プロフィール▽こいで・ひろあき
1949年生まれ。京都大学原子炉実験所。被曝や放射能汚染の実証データをもとに日本の原子力行政を鋭く批判。著書に『放射能汚染の現実を超えて』(北斗出版)、『隠される原子力・核の真実』(創史社)、共著に『人形峠ウラン鉱害裁判』(批評社)、『原子力と共存できるか』(かもがわ出版)、『浜岡原発の危険 住民の訴え』(実践社)など。

<原子炉圧力容器に穴が開いている>

◆大量の放水によって小康状態のようですが

 問題なのは原子炉圧力容器内の水位です。東京電力はこのデータを公表していますが、大量の放水が行われているにも関わらず水位はまったく回復しません。燃料棒の上部が露出する状態がずっと続いているのです。つまり圧力容器の底に穴が開いていると言わざるを得ません。東京電力は「下のほうに穴が開いているイメージ」と表現していますが、確実だと思います。

 圧力容器に穴が開き冷却機能が確保できないことで、核燃料を正常に冷やせない状態が続いています。すでに燃料棒の被覆管であるジルコニウム金属が水と反応して大量の水素を発生させました。被覆管はウラン燃料ペレットの形を維持しているわけですから、これが損傷してしまえばウラン燃料は崩れ落ち、さらに冷却しにくくなります。

 燃料ペレットは2800℃にならないと熔けないのですが、既に周辺環境でプルトニウムが検出されたことから一部は熔け出しているでしょう。まだ一部だけに留まっていると思いますが、もし全体が溶け出すようなことになると下に落ちる=メルトダウンです。その時、原子炉圧力容器下部に少しでも水が溜まっていれば、水蒸気爆発が起きます。

 その水蒸気爆発はかなりの規模になると思いますので、鋼鉄製の圧力容器を破壊するでしょう。さらに外側にある原子炉格納容器、これは放射能を閉じ込める最後の防壁ですが比較的ペラペラの建物ですので、これも壊れると思います。こうなれば、大量の放射能が何の制御もできないまま環境中に出てきます。これを私は最も恐れています。

<再臨界の可能性も否定できない>

◆放射性物質も依然として漏れ続けています

 当初私は原子炉は停止している、つまり臨界は止まったと考えていましたが、どうもその見方は甘かったのではないかと考えています。

 その理由の一つは、半減期8日の放射性ヨウ素の濃度が減るどころか増えていることです。3月11日に原子炉がきちんと停止して以降臨界が起きていないなら、1ヶ月近く経過すればヨウ素の濃度は10分の1以下に減っていいはずですが、逆に増加しています。

 もう一つは、タービン建屋の地下水に含まれる放射性核種の分析をしたところ、クロル38、つまり放射性塩素が検出されました。これは再臨界が起きている以外考えられない核種です。ただ、東京電力は頻繁に測定ミスをしていますので、このクロルについても測定ミスの可能性は否定できません。しかしこの核種はγ線を出すので、間違えて計測することはまずあり得ません。

 再臨界が起きるとウランの核分裂反応が始まり熱が出ますが、それが即爆発につながるわけではありません。再臨界を起こすとウラン燃料の形状が熱で変化し、臨界は一端収束します。しかし冷えるとまた形状が変化して再臨界する。ブスブスと臨界を繰り返している可能性が強いと私は思います。

 つまり小さな原子炉が動いていて、放射性物質が生み出され、それが環境中に漏れ出ている。しかも炉心のウラン燃料は、崩壊熱プラス再臨界の熱でさらに熔け続けている。もしその塊が炉心から圧力容器の底に落下したら、先ほど指摘した水蒸気爆発になり最悪の事態となります。

(続きは本誌1314号でご覧ください)】

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする