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新聞の片隅に載ったニュースから(7)   大西五郎

2012年04月12日 16時08分52秒 | Weblog
大西さんからの原稿を転載します。  らくせき

「シニア力役立てたい」(’12.4.12中日新聞)
       市仕分け廃止判定鯱城学園に568人入学

「名古屋市が昨年実施した事業仕分けで「廃止」と判定された
高年大学『鯱城学園』の入学式が十一日、中区栄の鯱城ホールであった。
平均年齢六十八歳の新入生を代表し、犬飼忠昭さん(67歳)=北区=が
東日本大震災の被災地支援や地域活性化などに
『シニア力を役立てたい』と決意表明した。
学長の河村たかし市長は式辞で『学生一人当たり十二万円の税金が使われている。
税の使い道として公平か、どう改善したらええか身をもって勉強して』と述べた。」

 鯱城学園は60歳以上の高齢者の学習の場として1986年に名古屋市が設立。
園芸、福祉など10の学科があり、学生は年70~90日程度登校し、2年で卒業します。
ところが昨年11月に行なわれた市の事業仕分けで
事業内容は老人クラブなどで賄えるとして「廃止」という結論になりました。
運営を委託する社会福祉協議会との契約が2013年まで残っているため、
当面存続することになっています。

事業仕分けは、河村市長が市の事業のうち不要だと考えるものについて
外部の意見を聞くために行なったもので、
鯱城学園の他、敬老パス(仕分けでは「見直し」の結論)、女性会館など
31の事業について行いました。
進め方は市が依頼した“有識者”が市の担当者に問題を提起し、
そのやりとりを聞いていた市民の代表(20人づつ2班)が
「廃止」「見直し」「存続」を判定し、市の予算編成に反映させるというものです。
公開で行なわれましたが、傍聴していた人の感想では、
市民の判定員からはあまり発言もなく、“有識者”の問題提起に影響された
結論となる場合が多かったということです。

 私が疑問に思うのは、例えば鯱城学園の場合、リタイアした人たちの
文化を学ぶ意欲やそのための施設や機会を得ることがどのくらい難しいことか、
“有識者”とされる現役の大学教授が理解しているだろうか。
また敬老パスでも使用している人が70%弱しかいないということが
「見直し」の理由になったということですが、
65歳すぎても車を運転している人が結構多いことや、
地下鉄を利用する場合、階段の昇り降りが苦痛で家人に車の運転を頼んだり、
タクシーを利用している人が敬老パスを使っていない、
つまり敬老パスなどは要らないというのではなく、
使いたくても使えない人がいる一方、
必要な人にとっては必需品になっているということが分っていたのだろうか。
具体的な事情について「知識を有しない人」が
結論を誘導していたのではないかということです。

 大阪の橋下市長も設置した市改革プロジェクトチームも
敬老パスや学童保育事業補助金の廃止など30項目以上の見直しを行なっていますが、
河村市長にしても、橋下市長にしても、
市民の税金である市の財政で人々の生活を潤すという観点を
忘れて効率主義に走るのは「改革」ではありません。

                                       大西 五郎

らくせきの蛇足
こうした市民へのサービスが経済的に不要というか、
税金の無駄遣いという効率主義は、じつは経済の発展を
阻害しているのでは、ないでしょうか?
今、高齢者はお金を使わずに、老後の心配から、投資に回しています。
この投資が円高をうみ、円高が雇用を縮小再生産を生み・・・という悪循環。
この高齢者のお金を使わせることが、成熟した日本経済の
活性剤になるという考え方もあるのですが・・・
コメント (4)
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保安院の大罪(58)「浜岡全面停止10日間の攻防」  文科系

2012年04月12日 10時25分46秒 | 国内政治・経済・社会問題
 昨日の中日新聞朝刊に表題のことで、長く足で稼ぎまわってきたとうかがわれる詳細な記事が載っている。昨年5月6日、菅直人首相による「浜岡原発全面停止」発表の記者会見に至る攻防のことだ。その概要が1面トップ記事。ドキュメント風詳細記事には、実に12~13面全面を使い切っている。まず、大見出しなどに表現された問題の焦点を、次いで焦点部分の詳報をと進みたい。中日新聞なので、これを全国に伝える意義は大きいと思う。
 なお、この出来事について当ブログには、昨年5月7日、只今さんのこんな素晴らしいエントリーがあるので、後半で敬意を表してそのまま再掲させていただく。「浜岡全面停止」を首相が発表した11年5月6日の翌日にエントリーされた興味深いその記事の題名は、【「先ずはよかった」とは、言わない新聞各社】。この発表事件の直後から大マスコミによる菅直人叩きが急速に強まっただけに、今この上なく興味深いエントリーと読んだものだ。

 さて、昨日の一面トップ大見出しは、こうだ。なお以下【 】『 』は記事引用を示す。
【他の原発再稼働布石に 浜岡停止舞台裏で経産省】
【官邸反発 発表を阻止】
 『「浜岡を止めて、他の原発を立ち上げるシナリオを詰めてみたい」』。これは経産省松永次官が海江田経産相と合意しあった言葉。『浜岡を停止することで国民感情を和らげ、他の原発を再稼働させる狙いだった』。菅直人首相が、海江田経産相からこの経産相方針記者会見を聞いたのは、会見の三時間前と、極秘に事は進められて行った。
『(菅首相)官邸側は、経産省の発表では他の原発を容認することになりかねないと警戒。経産省が事前に作った発表文を見た福山哲郎官房副長官は「(他の)原発を動かすというメッセージ」と漏らした』
『首相は、「俺が会見する」と発言し、主導権を握った』
問題の焦点はこういうものだったと言える。3号炉は定期点検停止中、これの11年7月再稼働予定を止めるだけでなく、12年春に点検停止に入る4、5号機も即止めるのか否か。この点では、当時すでに経産省も首相も一致していた。最大問題はこういうことだ。一つは、「最後まで法的根拠を見つけることができなかったこの停止『要請』」を、経産相による行政指導にとどめ、今後他原発を立ち上げるガス抜きにしようとする方向。他方が、この発表をきっかけに「脱原発」世論を強めようと図る首相(官邸)の方向。つまり、首相が発表する「全面停止」は行政大権命令というに等しく、菅首相がそうしようと図ったように、現実に「脱原発」方向が勢いづく。

 さて、この攻防の山場を見てみよう。
 「総理、お時間ありますか」。5月6日、官邸4階で開かれた原子力災害対策本部会議終了後の正午前、海江田経産相が首相に耳打ちした言葉だ。即、首相執務室で会議が始まる。参加者は当人二人の他、枝野ら首相官房関係者と、審議官など経産省関係者。海江田は、5日に行った浜岡視察の簡単な報告をするとともに、3時間後に迫っていた浜岡全面停止記者会見の首相了承を手早く取り付けたかったのである。経産省外には極秘に会見発表文案までを完備するまでに進められてきたこの動向に、首相は寝耳に水。『「本当か。全部で、平気なのか」と念を押す菅』とある。内心大喜びしただけに、「経産省が?」と疑心暗鬼になって、首相は質問攻めを続けいていく。浜岡の災害確率データのこと、法的強制力が無い問題から、『「中電に拒否されたらどうするんだ」』まで。枝野官房長らも言い出した、『「こんな大事な会見は総理がやった方がいい」』。午後4時に予定した海江田経産相会見は中止に追い込まれて、夕方に再協議することになった。
午後4時半から再協議。新たに、官房副長官・仙石由人(彼には経産省よりの発言が多いと、この記事でよくわかる)、経産省事務次官も出席している。結果は、浜岡以外の安全声明・再稼動に力点があった経産省文案は全面破棄されて、『「脱原発」の序章になってしまった』。これを受けて5月9日、中電水野社長は記者会見に及び『「首相からの要請は極めて重い」』と、全面停止を受け入れたのである。続く13日、4号機停止、14日、5号機停止と事態は劇的に進んだ。そんな年表ならぬ月表?までが、この記事には大きく付されている。

【 「先ずはよかった」とは、言わない新聞各紙。     只今
2011年05月07日 | Weblog 
「電力会社関連の広告宣伝費は総計壱千億円近くに達するが、これは単に企業イメージ向上や原発推進のためのPRのためではなく、いざというときのために必要」な経費、という『週刊現代』の記述を検証するために、浜岡原発停止要請を受けた翌日(5月7日)各紙を見てみた。2面と呼ばれる総合面、3面と呼ばれる社会面、そし経済面と1面のそれぞれの見出し。
 【総合面】
  『中日』 「原発不安背景に 退陣論弱める狙いも」 「震源域立地に危機感」
      「需給の中味示して」 「浜岡だけ対応疑問」 「御前崎市長憤り」 
  『朝日』 「浜岡ストップ 突然」 「首相、参与進言機に」 「新しい安全性 得る機会に」 
  『毎日』 「東海震源域の真上」 「他原発と切り離し」 「安全強化を強調」
  『読売』 「製造業集積中部に打撃」 「他原発ショック」 「十分な検討形跡なし」
  【社会面】
  『中日』 「否定された安全」 「計画停電困る」 「中電 寝耳に水」 「医療、産業どうなる」
  『朝日』 「浜岡停止 生活は」 「安全性検証すべき」 「なぜ浜岡だけ」
  『毎日』 「唐突」 「英断だ」
  『読売』 「突然停止に地元驚き」「仕事失う人もいる」「市民 節電で乗り切る」
 【経済面】
  『中日』 「ものづくり直撃不安」 「トヨタ復旧に狂いも」 「供給源どの程度」 「安定供給綱渡り」
  『朝日』 「節電強いられれば、経済補完役できぬと東海企業」
  『毎日』 「生産混乱拡大懸念、経済界猛反発」
  『読売』 「中電、営業赤字転落も」 「発電コスト上昇」
  【1面】
  『中日』 「安全重視した決断」
  『朝日』 「防潮堤新設まで」 「夏の電力どう維持」
  『毎日』 「東海地震対策完成まで」 「世界の不信感に対応」
  『読売』 「防波壁設置まで」 「電力供給夏に切迫」
 
 以上で注目した点。
  (一)いずれも、「夏の電力をどうするか」と心配。しかし、NHK「ニュース深読み」では、想定消費量とトントンでなんとか乗り切れる」と解説。
  (二)「英断に敬意」との静岡県知事談は小さく、「なぜ浜岡だけ」と言う御前崎市長を大きく扱う。これはテレビも同じ。 】
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