大西さんから送られた「新聞の片隅に載ったニュースから(11)」です。らくせき
「不起立で停職」地裁が取り消し(’12.4.20毎日新聞)
「東京都八王子市の市立中学の教諭だった男性が、卒業式で君が代斉唱時に
起立しなかったことを理由に都教育委員会が戒告や減給、停職の懲戒処分にしたのは
不当として、取り消しを求めた訴訟の判決で、東京地裁は19日、
減給と停職の処分を取り消した。古久保正人裁判長は、減給と停職は
『積極的に式典を妨害する行為ではなく、重すぎて違法』とした。」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
このニュ-スは、名古屋発行の新聞では毎日新聞と読売新聞が報じただけで、
朝日新聞と中日新聞は報じていませんので、ニュースをご存知ない方が多いと思います。
毎日新聞の記事はベタ組で、見出しともで18行の簡単なものでしたが、
インターネットの朝日新聞ニュースサイトに載った記事では
「都教委によると、今年1月に最高裁が『減給・停職は慎重に考慮する必要がある』という
初めての判断を示して以降、これに従って都の処分を取り消した下級審の判決は
初めて。判決によると、原告は都内の公立中学校の教員だった当時、
2006年度から4年続けて国歌斉唱時に起立せず、戒告や減給、停職1カ月の処分を
受けた。このうち、減給と停職の処分について、判決は『社会通念上著しく
妥当を欠く』と違法性を認めた。」ということです。
学校の式典で、君が代斉唱時に起立、斉唱しなかった教員に、橋下大阪市長が
大阪知事時代に「君が代問題で3回処分を受けたら解雇」という基準を設けたことが
問題になっており、最高裁が1月に別の君が代問題の判決で
「減給以上の重い処分を科すことには慎重な考慮が必要」として
処分の回数が重なっただけで重い処分を科すことは適当でないと判示したばかりです。
東京地裁の今回の判決はこの最高裁の判断に従ったということだと思います。
(判決は、減給と停職の処分は取り消しましたが、
戒告処分は適法としているようです。)
最高裁判決後初の下級審判決としてニュースバリューがあると思いますが、
なぜ、名古屋版では報道しなかったのか、朝日新聞の見解を知りたいと思います。
なお、読売新聞によりますと、「処分を決める八王子市教育委員会の会議は、
職務命令の解釈をめぐって紛糾したという。
市教委は『国歌の問題はねばり強く指導すべきで、職務命令になじまない』として、
3月14日にあった中学校の卒業式では、職務命令を出していなかった。
だが1、2月に3回、市教委が各校に起立を求める文書を出し、
校長が教員に広く指示を出していた事実にさかのぼって、
『当時の校長による指示も、職務命令とみなす』と解釈を変更した。」ということです。
東京都教委は「判決は遺憾なこと。内容を確認し、対応していく。
今後とも、職務命令違反については、厳正に対処していく」とコメントを出した
(朝日新聞)そうで、最高裁判決を無視する構えです。
市教委の解釈変更も、都教委から迫られたのではないかという気がします。
都教委の強硬な態度は石原慎太郎知事が任命した教育委員だからなのでしょうか。
大西 五郎
「不起立で停職」地裁が取り消し(’12.4.20毎日新聞)
「東京都八王子市の市立中学の教諭だった男性が、卒業式で君が代斉唱時に
起立しなかったことを理由に都教育委員会が戒告や減給、停職の懲戒処分にしたのは
不当として、取り消しを求めた訴訟の判決で、東京地裁は19日、
減給と停職の処分を取り消した。古久保正人裁判長は、減給と停職は
『積極的に式典を妨害する行為ではなく、重すぎて違法』とした。」
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このニュ-スは、名古屋発行の新聞では毎日新聞と読売新聞が報じただけで、
朝日新聞と中日新聞は報じていませんので、ニュースをご存知ない方が多いと思います。
毎日新聞の記事はベタ組で、見出しともで18行の簡単なものでしたが、
インターネットの朝日新聞ニュースサイトに載った記事では
「都教委によると、今年1月に最高裁が『減給・停職は慎重に考慮する必要がある』という
初めての判断を示して以降、これに従って都の処分を取り消した下級審の判決は
初めて。判決によると、原告は都内の公立中学校の教員だった当時、
2006年度から4年続けて国歌斉唱時に起立せず、戒告や減給、停職1カ月の処分を
受けた。このうち、減給と停職の処分について、判決は『社会通念上著しく
妥当を欠く』と違法性を認めた。」ということです。
学校の式典で、君が代斉唱時に起立、斉唱しなかった教員に、橋下大阪市長が
大阪知事時代に「君が代問題で3回処分を受けたら解雇」という基準を設けたことが
問題になっており、最高裁が1月に別の君が代問題の判決で
「減給以上の重い処分を科すことには慎重な考慮が必要」として
処分の回数が重なっただけで重い処分を科すことは適当でないと判示したばかりです。
東京地裁の今回の判決はこの最高裁の判断に従ったということだと思います。
(判決は、減給と停職の処分は取り消しましたが、
戒告処分は適法としているようです。)
最高裁判決後初の下級審判決としてニュースバリューがあると思いますが、
なぜ、名古屋版では報道しなかったのか、朝日新聞の見解を知りたいと思います。
なお、読売新聞によりますと、「処分を決める八王子市教育委員会の会議は、
職務命令の解釈をめぐって紛糾したという。
市教委は『国歌の問題はねばり強く指導すべきで、職務命令になじまない』として、
3月14日にあった中学校の卒業式では、職務命令を出していなかった。
だが1、2月に3回、市教委が各校に起立を求める文書を出し、
校長が教員に広く指示を出していた事実にさかのぼって、
『当時の校長による指示も、職務命令とみなす』と解釈を変更した。」ということです。
東京都教委は「判決は遺憾なこと。内容を確認し、対応していく。
今後とも、職務命令違反については、厳正に対処していく」とコメントを出した
(朝日新聞)そうで、最高裁判決を無視する構えです。
市教委の解釈変更も、都教委から迫られたのではないかという気がします。
都教委の強硬な態度は石原慎太郎知事が任命した教育委員だからなのでしょうか。
大西 五郎