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新聞の片隅に載ったニュースから(11) 大西五郎

2012年04月23日 16時37分35秒 | Weblog
大西さんから送られた「新聞の片隅に載ったニュースから(11)」です。らくせき

「不起立で停職」地裁が取り消し(’12.4.20毎日新聞)

「東京都八王子市の市立中学の教諭だった男性が、卒業式で君が代斉唱時に
起立しなかったことを理由に都教育委員会が戒告や減給、停職の懲戒処分にしたのは
不当として、取り消しを求めた訴訟の判決で、東京地裁は19日、
減給と停職の処分を取り消した。古久保正人裁判長は、減給と停職は
『積極的に式典を妨害する行為ではなく、重すぎて違法』とした。」

   ―――――――――――――――――――――――――――――――――――   
 このニュ-スは、名古屋発行の新聞では毎日新聞と読売新聞が報じただけで、
朝日新聞と中日新聞は報じていませんので、ニュースをご存知ない方が多いと思います。
毎日新聞の記事はベタ組で、見出しともで18行の簡単なものでしたが、
インターネットの朝日新聞ニュースサイトに載った記事では
「都教委によると、今年1月に最高裁が『減給・停職は慎重に考慮する必要がある』という
初めての判断を示して以降、これに従って都の処分を取り消した下級審の判決は
初めて。判決によると、原告は都内の公立中学校の教員だった当時、
2006年度から4年続けて国歌斉唱時に起立せず、戒告や減給、停職1カ月の処分を
受けた。このうち、減給と停職の処分について、判決は『社会通念上著しく
妥当を欠く』と違法性を認めた。」ということです。

 学校の式典で、君が代斉唱時に起立、斉唱しなかった教員に、橋下大阪市長が
大阪知事時代に「君が代問題で3回処分を受けたら解雇」という基準を設けたことが
問題になっており、最高裁が1月に別の君が代問題の判決で
「減給以上の重い処分を科すことには慎重な考慮が必要」として
処分の回数が重なっただけで重い処分を科すことは適当でないと判示したばかりです。
東京地裁の今回の判決はこの最高裁の判断に従ったということだと思います。
(判決は、減給と停職の処分は取り消しましたが、
戒告処分は適法としているようです。)

 最高裁判決後初の下級審判決としてニュースバリューがあると思いますが、
なぜ、名古屋版では報道しなかったのか、朝日新聞の見解を知りたいと思います。

 なお、読売新聞によりますと、「処分を決める八王子市教育委員会の会議は、
職務命令の解釈をめぐって紛糾したという。
市教委は『国歌の問題はねばり強く指導すべきで、職務命令になじまない』として、
3月14日にあった中学校の卒業式では、職務命令を出していなかった。
だが1、2月に3回、市教委が各校に起立を求める文書を出し、
校長が教員に広く指示を出していた事実にさかのぼって、
『当時の校長による指示も、職務命令とみなす』と解釈を変更した。」ということです。

 東京都教委は「判決は遺憾なこと。内容を確認し、対応していく。
今後とも、職務命令違反については、厳正に対処していく」とコメントを出した
(朝日新聞)そうで、最高裁判決を無視する構えです。
市教委の解釈変更も、都教委から迫られたのではないかという気がします。
都教委の強硬な態度は石原慎太郎知事が任命した教育委員だからなのでしょうか。
                                       大西 五郎
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保安院の大罪(64)「知事抹殺」 その3 「いずれ抹殺する!」  文科系

2012年04月23日 06時58分39秒 | Weblog
 元福島県知事、佐藤栄佐久著「知事抹殺」第3回目は、この事件の国策捜査性についてまとめる。佐藤氏は、全国の知事として異例のことを2つ行っている。
 1つは、福島第一原発一号炉の検査記録改ざん告発から、全国初の運転停止命令に追い込んだこと。初め原発に全国で真っ先に賛成した福島県で、どうしてこうなっていったかが書かれている。 第二が、『これで福島県は知事、副知事、出納長、そして8人の部長すべてが生え抜きとなり、中央官庁の出身者でなくなった』と言う歴史的事実である。

 佐藤栄佐久著「知事抹殺」紹介(3)  文科系
2011年09月11日 | 国内政治・時事問題 
その3「知事は日本にとってよろしくない。いずれ抹殺する」

 初回に紹介した「知事は日本にとってよろしくない。いずれ抹殺する」は、実弟祐二を任意取り調べしていた段階の06年9月8日に、担当の東京地検特捜部・森本宏検事が発したものだ。知事逮捕(10月23日)に先立つこと1ヶ月半どころか、祐二逮捕(06年9月25日)ですら覚束ない捜査発端のごく初期のころの発言である。
 一体なにが「日本にとってよろしくない」のだろう。「国策捜査」を著者ら民間人が事実固めするなどということは、その性質上証拠が挙げられるわけでもなく、誰から証言が取れるわけでもないのだから、全て状況証拠にならざるを得ない。本書で挙がっている限りのそれらに触れることにする。

 佐藤前知事はこれについて、福島原発を巡る県と原発村との抜き差しならぬ関係史に合計2章を、「地方分権と、その死」に1~2章を費やしている。前8章のうちの最後3章が裁判関係になるから、この著作前段がこの「日本にとってよろしくない」が書かれたものと見て良い。僕はこの本を佐藤とは逆に、その(1)書評(事件全体の概観と感想とも言える)、(2)「判決と最大争点」、(3)「国策捜査」と言う要領で、ちょうど佐藤とは逆に辿ってきたことになるのだと思う。

 何はともあれ、最初には「国策捜査」に繋がりうる、佐藤前知事をめぐる全国的・歴史的に異例なことの数々を、概観しておこう。彼は、どんな風に珍しい知事であったか。

 原発関係の彼は、こんなふうだ。まず、2003年4月14日、福島の原発全基停止、しいては東電原発全基停止という事態の大元である。ここにいたる経過の最大の事件が、その(1)において僕の言葉で、こうまとめた。
【なお、東電は佐藤前知事に恨みがあると言って良い。2002年9月2日に現・前・元ら4人の社長経験者が引責辞任をさせられているのである。佐藤らが問題にした「原発検査記録改ざん事件」による引責であって、会長と、平岩外四ら2人の相談役との辞任までが含まれていた】
 関連して、こんな経過もあった。
『(02年)10月25日、保安院は、福島第一原発一号炉の偽装改ざんは特に悪質として、東京電力に対し、一号炉の一年間営業運転停止を命令した。これは商業原発に対する、初の運転停止命令であった』(P95)
 なお以上全てについて佐藤は本書に何度もこう書いている。もともと原発に反対してきたのではないどころか、国などと争うことになった問題のプルサーマル計画の福島実施などではその昔むしろ『全国の知事の中で初めに同意を与えている』と。元来の彼は、原発を推進する立場だったのだ。その彼が終始大問題にしてきたのは、こういうことである。手続きの問題、国や東電の地方への情報公開など、信頼感、誠意・信用の問題なのであった。
 またなお、佐藤ら福島県庁では、東電と経産省は同じ穴のムジナと語り合わせていたらしいが、その際『国こそが本物の「ムジナ」』と言い合わせていたと言う。そして、保安院が経産省の中にあることはおかしいという現在の常識を、最初から何度も問題にしてきたということだ。これは、原発事故が起こった現在から振り返ると、注目すべきことだ。何せこの本は、今回の事故の遙か前に書かれたものなのだから。
 上に見た東電社長経験者4人の辞職に関しても、こんな文言が付してあった。
『今回の問題でも、保安院は、相変わらず東京電力を呼びつけて「厳しく指導」し、大臣は社長の首を差し出すことのみを要求している。辞めるべきはどっちなのだ』(P86~87)

 「地方分権の死」に関わってはこんな事実があるので、抜粋しておこう。
『知事1期目の終盤に、これまで自治省出身者が務めていた副知事を、地元の福島大学出身の県庁生え抜きとした。次に農林水産省からの天下りが定位置だった農地林務部長を、そして、建設省からの出向者のポストであった土木部長が定例の人事異動で本省に戻った92年7月に、異例の人事ではあったが県庁生え抜きの部長とした。
 そして、政治家出身である知事の私が9月の選挙で再選され、これで福島県は知事、副知事、出納長、そして8人の部長すべてが生え抜きとなり、中央官庁の出身者でなくなった。
 これは、47都道府県のうち福島県だけのことだった。他の都道府県は、三役か部長のいずれかに中央官庁出身者がいる』(P120)
 このように第5章『「三位一体改革」と地方分権の死』では、『闘う知事会』や『改革派知事の分裂』『「闘う知事会」は死んだ』などが述べられる。義務教育費などの財源移譲、地方分権などが激しく争われていた時代の、先頭に立った知事らしい。なんせ5期18年、選挙にも圧倒的に強く、実力派の知事だったということが、彼の強気の基盤になっていたようだ。彼は、地元の高校出身で、東大法学部卒業後に同じく福島の商工会議所に関わり始めて、1983年参議院議員当選、1988年知事当選という、生粋の政治家なのである。
 
 次回は、原発問題と地方分権を巡る攻防を、やや詳しく見ていきたい。】
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これでも再稼働?原発維持?20年経っても住めず! あんころもち

2012年04月23日 03時07分27秒 | Weblog
 以下は毎日新聞が伝えるところです。

 「政府は22日、東京電力福島第1原発事故で福島県内に放出された放射性物質を巡り、20年後までの年間空間線量率の予測図を発表した。昨年11月の航空機モニタリング結果を基に▽12年3月末▽1年後▽2年後▽5年後▽10年後▽20年後--の6枚を公表。平野達男復興相は「理論値に基づいた予測図であり、除染の要素は加味していない」と説明した。
 政府が長期にわたる将来予測図を示したのは初めて。各自治体が住民の帰還計画などを作る際の判断材料にしてもらうため、第1原発から北西方向に延びる高汚染地帯を中心に作成した。それによると、原発が立地する大熊町と双葉町の境界付近では20年後でも居住が原則制限される帰還困難区域(年間被ばく線量50ミリシーベルト超)が、両町に加えて浪江町、葛尾村では居住制限区域(同50ミリシーベルト超)が残る。

 広島や長崎よりひどいこの状況!
 これでも再稼働?そして原発維持?
 20年経っても住めない地域が原発の立地する自治体のみならず、それ以外にも及ぶことに注意。
 ことは、おおい町や福井県のみの問題ではない。
 
 
コメント (7)
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