待機児童増加をめぐる発言で首相「うれしい悲鳴」撤回せず(16.3.1中日新聞)
安倍首相は二十九日の衆院予算委員会で、待機児童の増加をめぐり「女性の就業者が増えたから無理もない。うれしい悲鳴だ」とした発言の撤回を拒否した。民主党の山尾志桜里氏が撤回を求めたのに対し「待機児童が増えてうれしいと言うわけがない」と反論した。
首相は昨年十一月に「今年、待機児童は前年より増えてしまった。(第二次)安倍政権発足以来、女性の就業者が九十万人以上増えたから無理もない。その意味でうれしい悲鳴ではあるが、『待機児童ゼロ』は必ず成し遂げなければならない」と述べた。
山尾氏が首相発言を取り上げたのは三回目。保育所に子どもを預けられず、政府の対策の不備を批判するインターネット上の投稿に支持が集まっていると紹介し「待機児童の当事者、それに対して広がる共感の声を知っても発言を撤回しないのか」とただした。
首相は「待機児童が増えたことを『うれしい悲鳴』と言ったことはない。「その意味」とは、就業者が増えたというところに置いている。普通の読解力があれば分かる」と述べた。首相の発言は待機児童増も歓迎しているようにも受け取れるため、生活のために就労を余儀なくされている母親からは「首相は浮かれている場合ではない」との反発が出ている。
□――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――□
国会でのやりとりはきのうNHKで中継されました。安倍首相の答弁を聞いていて、この問題
に限らず首相の答弁が長舌なのが特徴です。起承転結がはっきりしないまま長々と話が続く場合
が多いように感じます。そして「普通の読解力があれば分かる」など相手(質問者)を小馬鹿に
したような物言いをします
今年1月の衆議院予算委員会でも、野党の質問で、労働者の実質賃金が下がっていることを指
摘されると「景気が回復し、雇用が増加する過程において、パートで働く人が増えれば、一人当
たりの平均賃金が低くでることになる。私の妻は働いていなかったけれども、景気が上向いてき
たから働こうというわけで働き始めたら、月収で私が50万、妻が25万あったとしたら家庭の収
入は増えるが、2で割ったら一人当たりの平均賃金は下がることになる」と答弁しました。「パ
ートの月収25万」に対して「社会の貧困の実態に無理解すぎる」という非難が巻き起こりまし
た。すると安倍首相は「妻がパートで25万とは言っていない」と言い張りました。「パートの例
を出したのは、景気が回復し始めると、今まで働かなかった人が働き始める。働く人が増えると
1人あたりの平均賃金が低くなることを説明するためだった」と云いました。
この言い訳は通りません。1人あたりの実質賃金が下がる例として「私が50万、妻が25万」
と云っています。「25万」が何処かから飛んできたわけではありません。自分の非を認めず、
相手が誤解していると言い張ります。
待機児童の例といい、パート収入25万円といい、安倍首相の言葉が軽いのが気になります。
言葉を弄ひ、得意になっているようなところも見受けられます。もっと慎重に、国民に対して真摯な態度で臨んでほしいと思います。 大西 五郎
安倍首相は二十九日の衆院予算委員会で、待機児童の増加をめぐり「女性の就業者が増えたから無理もない。うれしい悲鳴だ」とした発言の撤回を拒否した。民主党の山尾志桜里氏が撤回を求めたのに対し「待機児童が増えてうれしいと言うわけがない」と反論した。
首相は昨年十一月に「今年、待機児童は前年より増えてしまった。(第二次)安倍政権発足以来、女性の就業者が九十万人以上増えたから無理もない。その意味でうれしい悲鳴ではあるが、『待機児童ゼロ』は必ず成し遂げなければならない」と述べた。
山尾氏が首相発言を取り上げたのは三回目。保育所に子どもを預けられず、政府の対策の不備を批判するインターネット上の投稿に支持が集まっていると紹介し「待機児童の当事者、それに対して広がる共感の声を知っても発言を撤回しないのか」とただした。
首相は「待機児童が増えたことを『うれしい悲鳴』と言ったことはない。「その意味」とは、就業者が増えたというところに置いている。普通の読解力があれば分かる」と述べた。首相の発言は待機児童増も歓迎しているようにも受け取れるため、生活のために就労を余儀なくされている母親からは「首相は浮かれている場合ではない」との反発が出ている。
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国会でのやりとりはきのうNHKで中継されました。安倍首相の答弁を聞いていて、この問題
に限らず首相の答弁が長舌なのが特徴です。起承転結がはっきりしないまま長々と話が続く場合
が多いように感じます。そして「普通の読解力があれば分かる」など相手(質問者)を小馬鹿に
したような物言いをします
今年1月の衆議院予算委員会でも、野党の質問で、労働者の実質賃金が下がっていることを指
摘されると「景気が回復し、雇用が増加する過程において、パートで働く人が増えれば、一人当
たりの平均賃金が低くでることになる。私の妻は働いていなかったけれども、景気が上向いてき
たから働こうというわけで働き始めたら、月収で私が50万、妻が25万あったとしたら家庭の収
入は増えるが、2で割ったら一人当たりの平均賃金は下がることになる」と答弁しました。「パ
ートの月収25万」に対して「社会の貧困の実態に無理解すぎる」という非難が巻き起こりまし
た。すると安倍首相は「妻がパートで25万とは言っていない」と言い張りました。「パートの例
を出したのは、景気が回復し始めると、今まで働かなかった人が働き始める。働く人が増えると
1人あたりの平均賃金が低くなることを説明するためだった」と云いました。
この言い訳は通りません。1人あたりの実質賃金が下がる例として「私が50万、妻が25万」
と云っています。「25万」が何処かから飛んできたわけではありません。自分の非を認めず、
相手が誤解していると言い張ります。
待機児童の例といい、パート収入25万円といい、安倍首相の言葉が軽いのが気になります。
言葉を弄ひ、得意になっているようなところも見受けられます。もっと慎重に、国民に対して真摯な態度で臨んでほしいと思います。 大西 五郎