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福島甲状腺癌、慰安婦、南京の論争から  文科系

2016年03月13日 11時56分19秒 | 歴史・戦争責任・戦争体験など

 6日拙稿「子ども甲状腺癌、楽観風評を排す」をめぐって、(新たな?)名なしさんと、久しぶりの本格的な論争がありました。ちょっとしっかりした文章の方でしたが、討論の終わりの方で特に観られたその内容たるや、やはり根拠、論理性、人柄とも、浮き草のような方としか感じられずに終わったものです。僕の「リンパ節転移などがある悪性癌手術数」という論拠には最後までなにも答えられず、根拠のない「スクリーニング効果で余分な数を数え上げただけ」と言い続けられただけ。最後はもう捨て台詞であって、このように誠実さの欠片も感じられないものでした。

『 Unknown (Unknown)2016-03-13 04:03:44
(僕が述べた、福島の子ども甲状腺癌の家族たちへの「悲しみ」という言葉に対して)少しも悲しそうな印象を受けない。逆に自説が悲劇に因って肯定されるのを待ち望むかのようだ。福島の子供の為を思うならば、可能な限り不安や悲劇的なお話を語らず、静かに見守る事が最善なのだが、ここの人は違うようなので失礼する。再訪はしない』

 この文章に対して僕は、最後にこういうコメントを付けて、この論争を終えたものです。
『皆さんへ (文科系)2016-03-13 10:05:20
 皆さんへ
 臨時登場と思われる名なしさんが、上でこう語られています。
「静かに見守る事が最善なのだが、ここの人は違うようなので失礼する。再訪はしない。」
 この言葉も僕に言わせれば聞き捨てなりません。おそらく国の責任でもあろうものを、静かに見守れと語られている。
 こんな言葉は、聞き捨てならないものとして戦後日本には既視感が無数だ。イタイイタイ病、水俣病、薬害エイズ、四日市公害などなど。これらは、「静かに見守」っていたら永久に解決せず、被害者たちの人生そのものがただの泣き寝入りだった。
(中略) 国が率先して世論をねじ曲げようとするなどは、全体主義の兆候。立憲主義の危機とは、とりもなおさず、官僚責任のウヤムヤ化、その特権死守の態度ということだ。そんな時に、こう語っている訳だから、まさに笑止千万!
「福島の子供の為を思うならば、可能な限り不安や悲劇的なお話を語らず、静かに見守る事」 』

 さて、8日に「ネットウヨク諸君へ」と、舌足らずにエントリーしましたが、この内容上の延長を少々皆さんにご紹介します。ここで10年、彼らとの論争は無数にありました。そこで散々学べたその遣り口について、焦点の部分のご報告です。

 どんな論争でも幾何学の証明と同じで公理、定理にあたる部分が最も大事だと知らされました。自説の最大論拠のことです。そして、ネトウヨ諸君の論議は要するに、この最大論拠がいい加減だとふり返ることができます。甲状腺癌の場合は「スクリーニング効果(議論)」。慰安婦の場合は、その募集で「誘拐の証拠がない」、「当時の売春は合法。どの国もやっていたことでは・・」。そして、南京大虐殺の場合は「死者数の証拠がないし、南京人口自身がそんなに多くはない」。これらそれぞれには説得力として強弱がありますが、やはり証拠が残っている戦後の事件では、向こう側に論争継続に堪えられる強い論拠などありえないのです。歴史的事件の方では、特に南京事件などは大日本帝国がその占領下8年で証拠を実に綺麗に消してしまった事件ですから、やはり難しいです。なんせ、戦争は美化してこそ国民総動員が出来る。恥部は隠して広げないのが至上命令。が、そこはいろんな歴史家たちがいて、苦労して歴史的事実という論拠を探し出してくれています。このように・・・。

 慰安婦では当時の陸軍省副官の極秘通達。そこには、はっきりと「その募集に誘拐があった」と、この事業の最高責任者自身、この副官が認めています。
 その点南京事件は難しかったですが、直前の大激戦・上海戦争との関わりの指摘や、大陸派遣兵士への事前教育に使った陸軍教科書からこんな文章を見つけ出してきた歴史家もおられました。
「中国軍の兵士は浮浪者が多いから、殺害しても国際問題にはならない」。

 無数の便衣隊殺害方向はこの理屈から既に事前に始まっていた訳です。

 こうして、彼らとの論争で学んだことは結局、こういうことでした。
①あれこれの枝葉末節には誤魔化されず、目をやらずに、幾何学の定理、公理のような彼ら共通の最大論拠を探す。その際、彼らにはこんな特徴があります。
②すべてのネトウヨ諸君が、どの一事件も同じ論拠で反論してくるから、どこかでそういう物を製造、出版、上意下達している専門家、機関があきらかに存在する。そこにはきっと、出世主義者にして曲学阿世である御用学者などがたむろしているのでしょう。
③それへの立派な、できれば絶対的反論になるようなことを、いろいろ勉強して僕は自分で見つけ出して来ました。
④最後に、こういう論争は必ず勝てます。その根拠は、こういうこと。背後にいる学者たちの、背骨が歪んでいるということです。このことは結局、上に書いたこういうこと。
『 国が率先して世論をねじ曲げようとするなどは、全体主義の兆候。現日本における立憲主義の危機とは、とりもなおさず、官僚責任のウヤムヤ化、その特権死守の態度ということだ。』

 新自由主義世界の権力者らには、金も人もふんだんにあります。対する僕等は、金は勿論、人はもっと少ない。新自由主義の庶民は生きるのに精一杯にされていますから。こう言った彼我の、彼ら。要するに民主主義を根っこから否定する出世主義者らがマスコミ総動員で行う世論工作に対して、これからもディベートを継続していきますので、よろしくお願いいたします。このブログを始めて10年。その間に僕ももうすぐ75歳。相当に老いてきましたが、この1月末からの週間累計アクセス数がずっと1000を越え続けていることなどに勇気を得て、努力していきたいと思います。13~14年ごろは週間2000アクセスを越えることも多かった、そんなころをまた実現させたいなどと、老いたる心を新たにしています。大好きなスポーツ、ランニングを続けながら・・・・。

コメント (13)
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