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ハリルジャパン(56) 優勝を引き寄せた岡崎  文科系

2016年03月15日 10時29分36秒 | スポーツ

 今朝、何となく予感がして海外サッカーサイトを開いたら、もう開けてびっくり。トップにこんな記事がある!

 イングランドリーグで、不器用な岡崎慎司がとんでもないことをやってのけた。彼のオーバーヘッドキック得点で、チームが1対0の勝利。勝ち点差2に迫っていた2位チームを、改めて5差に引き離した得点である。全38ゲーム中の残りゲームは8。優勝に大きく近づけたオーバーヘッドだ。

 2部の常連チームだったレスターの「奇跡の優勝」という声が、全英に充ち溢れているが、こういう一連の記事の中に、元マンチェスター・ユナイテッド名物監督ファーガソンのこんな声もあった。
「レスターは、36節にマンチェスター・ユナイテッド戦があるが、その前の35節に優勝を決めているよ!」

 さて、岡崎自身、この得点はこんなふうだった。
 前半の25分。まず、身方左サイド選手からのクロスをニアで競った敵DFのヘッド・ボールがファーに流れる。そのボールを右にいたバーディーが、彼らしくジャンプが効いて高いヘッドで左へと折り返す。そこに待っていたのが岡崎であって、電光石火の高めオーバーヘッド。これをゴールへとまっすぐに地面にたたきつけ、決めて見せた。

 英誌デーリー・ミラーは岡崎へのこんな評価を載せている。
 タイトルを「岡崎は縁の下の力持ちである」。
 「彼の仕事量と熱意は止まるところを知らない。それは信じられないほどだ。マフレズ、ヴァーディー、さらにはオルブライトンらと話をする中でも、大きな部分を占めてくるのが岡崎である。
 彼は技術や体格で欠けている部分を、自分の向上心で満たしてきた。こうして、彼の先制点は、天才的タッチと壮大なオーバーヘッドキックから生まれたものだった」

 最後に、イングランドのゲーム評価点が、日本のスポーツ・マスコミのそれといかに異なるかを一言。このゲームについて日本ならダントツで岡崎が最高得点となるところだろうが、彼よりも高得点選手を二人もあげたマスコミがいる。岡崎同様いつも守備に走り回るボランチのエンゴロ・カンテと、元独代表センターバック、ロベルト・フートを。日本スポーツ・マスコミがこうであれば、守備を目指す子どもがこの日本にも増えていくことだろうに。が、日本のマスコミは、「守備をしない『名』FW」ばかりを増やしてきたのではなかったか。スポーツ文化の底が浅いのである。「守備を観るのは玄人、普通はホームランを観る」とか言って、スポーツ好き観衆を馬鹿にしているのではないかとさえ思うことがある。「日本には守備の文化がない」と語ったのはトルシエ。日本のサッカー・マスコミはサッカー文化を歪めてきた張本人ではなかったか。

 こうして、「守備にだけ貢献している」と皮肉混じりのように評される岡崎が宇佐美、柿谷らの「天才FW」を差し置いて世界トップリーグのレギュラーFWを張っているのは、日本マスコミのサッカー観への皮肉にも、僕には見えるのである。レスターが優勝すれば、そんな日本マスコミも少しは変わるだろうか。その時は、この「守備要員FW」岡崎慎司だけが、日本伝説の名選手ヒデと並んだ時なのだから。ヒデを評した俊輔の言葉を、今も僕は鮮烈に覚えている。「ヒデさんって、日本人っぽくない。ドリブルでどんどん前へ行き、身体を寄せてくる敵をはね飛ばしてさらにまた前へ行って、鋭いパスってね」。世界中から集まった大男とも守備の「デュエル」で平然とやり合っている岡崎。どうやらヒデと同じように強い身体を身につけたようだ。そう言えば、10代のころのヒデは岡崎と同じように、まだまだ技術が下手だったな。「トラップ止まらへんな」と、当時の天才、財前宣之にいつも笑われていた。

コメント (4)
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