以下は、7月25日エントリー「随筆 ならず者国家」に先程付けたコメントです。長文にして、それなりの内容と判断しましたので、エントリーにも上げさせていただきます。
僕がアメリカを書くときはいつもこのエントリーのように、何らかの事実、史実を書いている。それを「何でもアメリカのせいと述べている」とだけの批判を返されている方が何人かいらっしゃるが、まーこれは、こう理解するしかないと思っている。
僕が提起した史実に答えたくないから、あるいは答えられないから、信用を落としてやろうと遠回しかつ抽象的に罵倒しているだけ、と。最近そういうことがここに多すぎないか?
アメリカと言えば、1789年のフランス革命に先駆けて近代民主主義国家を作った栄光の歴史を持った国。その後は、欧州旧制度、悪弊にウンザリしてモンロー主義を取っていた国。
第二次世界大戦も、全体主義国家が同じ民主主義国家フランスを滅亡させ、イギリスも滅ぼすかという危機の世界にあって果然と東西2正面作戦に打って出た国であった。東西における米国参戦がなければ全体主義国の天下は確実と、そう思えばぞっとするのである。アジアでは日本天皇を批判したら死刑。ヨーロッパでは、ユダヤ人、ロマ、障害者らは殺されるままで、ヒトラーの大言壮語が世界中に正しいものとしてばらまかれていたはず。こんな世界にならなかったのはアメリカ様々と言うべきであって、ここまでのアメリカを僕は全く嫌いではない。ケネディまでのアメリカだって、ソ連があんな国と分かってみればまだまだ捨てたもんじゃなかったのだとか。
特に悪い国になったのは、90年に冷戦が終わった前後からだと思う。まず、ニカラグア内乱工作、ついでユーゴ、イスラエル・中東、その末がイラク戦争によってイスラム国を生んだのも、アメリカ。かくして、米軍事費は、冷戦時代の2倍に!これは、戦後の世界史から言えば「なんでそうなるの?!」と言いたい所である。
結局金融マネーゲーム立国の道を取ったというのが、悪の帝国の始まり。そう理解すると今のアメリカの全てが丸く収まって「分かる」のである。日本がこれに従っていくのも同じ金融立国だからと僕は解している。今は、過剰生産の物よりも、金融投資の方が儲かるのである。要はすべての秘密を「パナマ文書」「ケイマン脱税」が握っていると。
これが僕の結論で、確かに僕はアメリカの行動全てをこういう結論から観ている。が、そう言う観点で観た諸事実そのものを折に触れて描いているのであって、論議は僕が上げたその事実に基づいてやられればよいはずだと言いたい。それをしないで、「結論ありき」とだけ言っても何も批判できたことにはならない。人は皆、自分なりの「結論」から事実を見ているのであるから。ネトウヨ諸君などはその拙いやり方の典型である。ただし、こういうネトウヨ諸君と全く違って、この結論と事実の相互変遷的往復が自分の中で過去に多かった人の論議こそ洗練されたものと言えるはずだ。とこんなこと、それこそ曲学阿世の結論受け売りが専門の右の人に分かるかな?