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ベネズエラとアメリカ   文科系

2019年01月25日 20時05分10秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 前からここに書き続けてきた通り、とうとうベネズエラに対するアメリカの政権転覆計画が激化してきました。国民が選んだ大統領以外の「俺が大統領だ」と名乗りを上げた国会議長をアメリカが「大統領と認める」と宣言したのだそうです。
 当ブログに1年前に書いた拙稿を再掲します。

【 米国の根本的窮状とイラン、ベネズエラ外交  文科系 2018年01月07日

 米の根本的窮状と、イラン、ベネズエラへの外交政策との関係について、愚考を開陳してみようと思い立ちました。

 根本的窮状はこういうもの。毎年の貿易収支はずっと大赤字。それでも、物の貿易収支の大赤字分を、マネーゲームの黒字分でかなり取り返しているんです。
 国家累積赤字は更に酷く、GDPの4倍を優に超えているはず。ちなみに、日本でも大騒ぎされている同じ数字は、2倍をちょっと超えた程度。加えて、個人貯蓄が国のGDPの3倍ある日本と違って、アメリカのそれは間違いなくマイナス。つまり、一般的家庭などの借金を帳消しに出来る貯蓄などはどこにもないのである。
 こんなアメリカの「国も家計も大赤字」は、一体どこで埋め合わせが付いているのか。日本や中国などの貸し金なのである。その貸し金でアメリカの国も家計も物を買うから、日中の対米物輸出も進むという仕組みになっている。こうして、日中とアメリカは、持ちつ持たれつというのが現状と、一見すると見える。

 さて皆さん、こんな異常なアメリカ輸出入が、一体いつまで続くと思われます? 日本でさえ国家の累積借金返済が大問題になっているのに?
 そして、こんな経済実態のアメリカで「空前絶後の株価!」って、どのような意味があると思われます? こうしておかないと、基本、日中など世界からの資金流入が止まってしまうからですよ。これもマネーゲームであって、何とかここで日中の流入資金をちょっとでも掠め取りたいから。中国はともかく、日本などは、0金利や、日銀、GPIFの資金投入によって、大変な通貨過剰状態ですしね。こういう金で米経済界が必死に全体としての粉飾株価政策を採っていると、これこそがアメリカの真の経済実態。

 さて、こんな実態が続くわけがないという所で、イラン、ベネズエラ原油問題が出てくるわけです。
 オバマが仲直りした「ならず者国家」イランに、トランプが喧嘩をふっかけ直したら即、原油先物値段もガソリンの値段も上がり始めたことを思い出して下さい。
 また、オバマの時代を含んでここ数年、ベネズエラと米国が「反政府デモ支援」問題で随分険悪になっていることも思いだして頂きたい。
 ベネズエラは、石油埋蔵量1位の国、イランは4位ですが、いずれもロシアと並んで、埋蔵量10位までの国でアメリカの意に従わない3国と言えます。因みに5位のイラクと、9位のリビアがイラク戦争と「アラブの春」でアメリカの軍門に下ってからそうなったわけです。つまりこういうこと。
 ロシアはともかく、ベネズエラとイランを意のままに出来るようになれば、アメリカによる世界の原油独占価格が自由になると。こうした、世界の原油独占価格化は、高値になっても原油が欲しくて仕方ない日中からの借金を棒引きにするべく、長い目でも見た最絶妙手というわけです。


 なお、アメリカの世界独占価格狙いは、原油だけには留まりません。穀物、食肉、医薬・医療、小売りなどでも、長期計画が常に練られ、その都度遂行されていると、愚考しています。因みに、低価格穀物の独占が出来れば、食肉独占も進むはずだと愚考します。また、小売り独占が進めば、諸物価の独占価格化は自由になるでしょう。グローバル経済の今は価格など。あってないようなものです。コカコーラの値段が、日本とアフリカでは全く違うようなものと言ったら言い過ぎでしょうか。】
コメント
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