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忘れまい慰安婦 当時の政府文書二つ    文科系

2019年01月01日 13時32分21秒 | 歴史・戦争責任・戦争体験など
【 日本軍慰安婦問題、当時政府の二通達 文科系 2018年08月20日 | 歴史・戦争責任・戦争体験など

 このブログでは、日朝関係史、南京虐殺といつも続けて来ましたが、慰安婦問題でもある決定的資料を改めてそのまま再掲しておきましょう。以下の文書には、強制のこともさえ軍自身が以下原文中でこのように認めています。
  『故サラニ軍部諒解等ノ名儀ヲ利用シ為ニ軍ノ威信ヲ傷ツケ且ツ一般民ノ誤解ヲ招ク虞アルモノ或ハ従軍記者、慰問者等ヲ介シテ不統制ニ募集シ社会問題ヲ惹起スル虞アルモノ或ハ募集ニ任スル者ノ人選適切ヲ欠キ為ニ募集ノ方法、誘拐ニ類シ警察当局ニ検挙取調ヲ受クルモノアル等注意ヲ要スルモノ少ナカラサルニ就テハ・・・・』

 朝日新聞がガセネタ報道を謝罪してからは、まるでこの問題自体もなかったような情勢になりましたが、あれは朝日のミス。「あれはミスだったが、慰安婦問題は厳然と、かつ大がかりに存在していた」と対処すれば良かったのです。こんな文書も残っているのですから。


【 慰安婦問題、当時の関連2通達紹介  文科系2014年09月22日

 以下二つは「日本軍の慰安所政策について」(2003年発表)という論文の中に、著者の永井 和(京都大学文学研究科教授)が紹介されていたものです。一つは、1937年12月21日付で在上海日本総領事館警察署から発された「皇軍将兵慰安婦女渡来ニツキ便宜供与方依頼ノ件」。今ひとつは、この文書を受けて1938年3月4日に出された陸軍省副官発で、北支那方面軍及中支派遣軍参謀長宛通牒、陸支密第745号「軍慰安所従業婦等募集ニ関スル件」です。後者には、前に永井氏の説明をそのまま付けておきました。日付や文書名、誰が誰に出したかも、この説明の中に書いてあるからです。

『 皇軍将兵慰安婦女渡来ニツキ便宜供与方依頼ノ件
 本件ニ関シ前線各地ニ於ケル皇軍ノ進展ニ伴ヒ之カ将兵ノ慰安方ニ付関係諸機関ニ於テ考究中処頃日来当館陸軍武官室憲兵隊合議ノ結果施設ノ一端トシテ前線各地ニ軍慰安所(事実上ノ貸座敷)ヲ左記要領ニ依リ設置スルコトトナレリ
        記
領事館
 (イ)営業願出者ニ対スル許否ノ決定
 (ロ)慰安婦女ノ身許及斯業ニ対スル一般契約手続
 (ハ)渡航上ニ関スル便宜供与
 (ニ)営業主並婦女ノ身元其他ニ関シ関係諸官署間ノ照会並回答
 (ホ)着滬ト同時ニ当地ニ滞在セシメサルヲ原則トシテ許否決定ノ上直チニ憲兵隊ニ引継クモトス
憲兵隊
 (イ)領事館ヨリ引継ヲ受ケタル営業主並婦女ノ就業地輸送手続
 (ロ)営業者並稼業婦女ニ対スル保護取締
武官室
 (イ)就業場所及家屋等ノ準備
 (ロ)一般保険並検黴ニ関スル件
 
右要領ニヨリ施設ヲ急キ居ル処既ニ稼業婦女(酌婦)募集ノ為本邦内地並ニ朝鮮方面ニ旅行中ノモノアリ今後モ同様要務ニテ旅行スルモノアル筈ナルカ之等ノモノニ対シテハ当館発給ノ身分証明書中ニ事由ヲ記入シ本人ニ携帯セシメ居ルニ付乗船其他ニ付便宜供与方御取計相成度尚着滬後直ニ就業地ニ赴ク関係上募集者抱主又ハ其ノ代理者等ニハ夫々斯業ニ必要ナル書類(左記雛形)ヲ交付シ予メ書類ノ完備方指示シ置キタルモ整備ヲ缺クモノ多カルヘキヲ予想サルルト共ニ着滬後煩雑ナル手続ヲ繰返スコトナキ様致度ニ付一応携帯書類御査閲ノ上御援助相煩度此段御依頼ス
(中略)
昭和十二年十二月二十一日
         在上海日本総領事館警察署


『 本報告では、1996年末に新たに発掘された警察資料を用いて、この「従軍慰安婦論争」で、その解釈が争点のひとつとなった陸軍の一文書、すなわち陸軍省副官発北支那方面軍及中支派遣軍参謀長宛通牒、陸支密第745号「軍慰安所従業婦等募集ニ関スル件」(1938年3月4日付-以後副官通牒と略す)の意味を再検討する。
 まず問題の文書全文を以下に引用する(引用にあたっては、原史料に忠実であることを心がけたが、漢字は通行の字体を用いた)。

支那事変地ニ於ケル慰安所設置ノ為内地ニ於テ之カ従業婦等ヲ募集スルニ当リ、故サラニ軍部諒解等ノ名儀ヲ利用シ為ニ軍ノ威信ヲ傷ツケ且ツ一般民ノ誤解ヲ招ク虞アルモノ或ハ従軍記者、慰問者等ヲ介シテ不統制ニ募集シ社会問題ヲ惹起スル虞アルモノ或ハ募集ニ任スル者ノ人選適切ヲ欠キ為ニ募集ノ方法、誘拐ニ類シ警察当局ニ検挙取調ヲ受クルモノアル等注意ヲ要スルモノ少ナカラサルニ就テハ将来是等ノ募集等ニ当リテハ派遣軍ニ於イテ統制シ之ニ任スル人物ノ選定ヲ周到適切ニシ其実地ニ当リテハ関係地方ノ憲兵及警察当局トノ連携ヲ密ニシ次テ軍ノ威信保持上並ニ社会問題上遺漏ナキ様配慮相成度依命通牒ス』】


 さて、これを皆さんはどう読まれるでしょうか。なお、この文書関係当時の北支関連国内分募集人員については、ある女衒業者の取り調べ資料から16~30歳で3000名とありました。内地ではこうだったという公的資料の一部です。最初に日本各地の警察から、この個々の募集行動(事件)への疑惑が持ち上がって来て、それがこの文書の発端になったという所が、大きな意味を持つように僕は読みました。】
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リバプール・マンU戦を見た   文科系

2019年01月01日 12時51分29秒 | スポーツ
 昨夜、世界のサッカー雀の間で今話題のクロップ・リヴァプールが、モウリーニョ・マンUに3対1で勝った。シティを押しのけ相変わらずプレミアトップの座を守り続けているのである。このゲームが、今夜NHK衛星第一で観られる!と書いたのが、先月17日。以下こう続けて書いたもの。多少、今日現在の内容追加も加味して書くと・・・。

 『世界サッカー界のちょっと古いナンバー1監督と最新式ナンバー1監督との対決なのだから、興味が尽きないゲームである。と言うと、ペップ・ファンからはこんな抗議があるだろう。「ペップこそナンバーワンだぞ!」。がそこは、直接対決ではクロップが勝っているということで、是非我が説をご理解願いたいもの、と、そう申し上げておく。去年のCL勝利や、今年の直接対決ドローのことを言っている。かくして今年のリバプールはリーグ戦は未だ無敗。

 さて、繫ぎばかりを観て、組織的潰しを観ない日本のサッカーファンには、是非お勧めしたい今夜放映のゲームだ。何せ今のクロップは打って変わって、17ゲームで失点僅か7。これを原動力にして、プレミア無敗で首位を守っているのだ。こういう戦い方は、日本では鹿島、川崎がお得意とするところ。鬼木、大岩などこの両チーム関係者も最も注目しているチーム、ゲームだろう。
 去年CL2位に躍り出たその賞金などを費やしてさらに選手層を厚くし、さらに力を伸ばしているこの世界注目チームのゲームをNHKがBS12時にいつもやってくれるなんて、感謝感激雨あられ!
 
 というゲームの結果がさて、こういうものだった。
 凄まじいゲームだった。まずシュート数で、リバプールが36対6と圧倒。得点は3対1だったが、その1点はリバプールのキーパー・アリソンのミスだろう。

 目立ったのは、リバのプレーがほとんど走りながらのものであること。走っている選手の鼻先にパスを出してボールをゴールに持って行くというような。つまり、ボールの受け方が香川にそっくりなのだ。クロップが香川をトップ下に据えた理由も分かる思いだ。そして、ボールの出し方はこれまた、全員が中村憲剛のよう。足下になんか出さない。走っている鼻先に出す。ちょうど、2010年南アW杯後のパラグアイ戦の香川・憲剛二人の得点のように(2010年9月17日の当ブログエントリーを参照。これの出し方はこうします。右欄外カレンダーの下「バックナンバー」の年月欄で2010年9月をクリックすると、今月分カレンダーがこの月のものに替わるから、その17日をクリックする。すると、エントリー本欄が2010年9月17日のエントリーだけに替わるから、お求めのものをお読み願えます)。

 次にリバプールのプレスも、走って先回りしつつ足を出すというようなもの。これでは相手組織が常に乱され、プレーの精度も悪化する。そもそも、相手は乱された組織で、後手後手に回るから、終始あわてているだけという感じなのである。
 こういうことすべての結果がまず、キープ率で6割以上、シュート数36対6ということである。』


 見終わって、今期の初めにクロップが、選手相手にこう叫んだ意味が分かった思いがした。
 「恐怖感」と書いたパネルを見せて、「今年君たちの相手が、君たちと対戦して抱く感情、気持が、これである」


 これだけの走力を持った選手を集め、選手層も厚くなったからここまでできるのだと思えた。かつて「スペシャルワン」と自認していた名監督モウリーニョの顔面が蒼白になっていた。モウリーニョのみならず世界の監督達が、まさに「六宮の粉黛」顔色無しとなったことであろう。
 クロップ恐るべし。

 とこの後数日で、一時代を画した希代の世界的名監督モウリーニョがマンUを首になった。サッカー監督家業って、厳しいーい。
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よたよたランナーの手記(241)「好事魔多し」から「雨降って、地固まる」・・  文科系

2019年01月01日 11時24分03秒 | スポーツ
 みなさん、明けましてお目出度うございます。


 さて、前回23日に書いてから、「好事魔多し」から「雨降って、地固まる」を地で行ったような成り行きがあった。

 ここのところ書いてきた走法変更・ピッチ数増(160から170前後へ)で記録は上がって、今年78歳になるこの身が1時間に9・5キロは走れるように復活した。そこで、こんなプランでやってきた。
 低速などで走る日を増やしたりして少し走り込めば、ムラのある心拍数が150以下になって1時間10キロ時が可能になる。まー、外走りなどの距離を増やすことだろう。そして、せめて中2日置きでは走りたい。ランニングウヲッチをきちんと使って知恵を出すことだろうし、そういう知恵はあるはずだ。

 とやっていたら、たちまちこうだ。23日階段70往復、24日外走り7キロの後、25日火曜日辺りから、軽い鈍痛を伴った違和感が右膝外側にある。どうも、ここのところ少々張り切ったその付けらしい。2年ぶり以上の10~11キロ時と慣れないスピードで励んだ分のストレッチ等手当を十分にやらなかったのが原因のようだ。
 ストレッチ、冷やす、マッサージ等に励んだら、ちょっとやわらいできた。激しいトレーニングは相応のクールダウン他に努めねばならぬというのを忘れていた。 というわけで僕にしては近年珍しく、1週間の休養を取った。24日月曜日以来走らず、上に書いた右膝違和感に対処している。休養とストレッチを主として、階段往復と片足連続つま先立ち各30回の補強運動に努めつつ。

 そして、31日、1週間の休養後におそるおそる戸外を走ってみたが、ちゃんと走れた。ゆっくりゆっくりと心がけたが、10キロを超えた。それも後でGPSウオッチを見たら、キロ6分52秒、ストライド86センチと出て、心拍数の高さにはびっくり。平均156なのである。ちなみに、1週間ブランクを置けば、心拍数は増えて当たり前なのだ。

 右膝の痛みの原因を改めて考えてみた。やはり、フォームというか、走るリズムというかが悪いのだ。現象としては左脚の着地時間がちょっと長かった。それで、前に出した右脚に負担が来るフォームになっている。これで、タイムも右膝も悪くなっていたということらしい。現に、最も良い改良法が、こんなことだったのである。それぞれの着地の瞬間に「パッ、パッ、パッ、パッ」と唱えながら走ると、タイムも疲れも減ってくる。そう気付いたのは、大収穫。だって、そうして走っていて時計のキロ・ラップを見ると、時に6分ちょっとになっていて驚く、とか。左脚着地が長い分、タイムも右脚疲労でも損をしていたわけだ。

 多分これは正しい現状分析だろうと思う。これが正しいとすれば、またGPSウオッチの恩恵を受けたわけだ。なにしろ、その都度の心拍数と歩幅、キロラップが分かるのは大きい。走りの性格、良否などがその都度そのまま数字に現れるから、いろんな改善方を思いつくのである。年取ると増える身体各部の弱点を、記憶もフォームも乱れてくる中で「それを瞬時に教えてくれる仲間」。これは貴重なものだなーと改めて思ったことだった。
 このよたよたランナーにも、78歳にして1時間10キロ(復活)が改めて見えた思いだ。
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米、その衰退史と世界政策(2)物作り/税収の減衰  文科系

2019年01月01日 10時11分07秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 今回は、その(1)の結論の内、①と②の詳論をする。株主資本主義によって物作りがいかに駄目にされてきたか、および、その結果として国家累積赤字がどう酷くなったかを描き出してみよう。前者の結果後者が起こったということなのだが、先ず結果の方を先に書く。


 アメリカ国家の累積赤字は、GDPの4倍になっているという。米国会計検査院の元院長デイブ・ウォーカーが2015年11月に国の債務額は65兆ドルと発表した。公式に発表されていた当時の数字は18兆ドルということなのだが、「市民や軍人に払い切れていない年金額の18兆5000億ドルを加え、さらに、社会保障、医療費など国の義務的支払い未払い額を加えた場合」という数字である。ウォーカーはこの報告をこう結んでいるという。
『米国人は現実との結びつきを失ってしまう』


 さて次が、こういう米国人の「現実喪失」を招いた、物作りの衰退、その原因である株主資本主義、経済の金融化を描き出してみよう。以下の出典はすべて、中公新書、ロナルド・ドーア著「金融が乗っ取る世界経済 21世紀の憂鬱」(2011年10月初版)である。

 金融化について、ある人の要約を著者がこう紹介する。『国際国内経済で、金融業者、企業の役割や、一般人の金融志向が増していく過程』。この「増していく」の中身は、こういうもの。社会の総所得における金融業者の取り分が増えたこと。貯蓄と企業との関係で金融業者の仲介活動が急増したこと。株主資本主義。政府がこの動向を国際競争力強化の観点から促進してきたこと。

 米企業利益のうち金融利益の割合が、1950年代までは9・5%であったものが急増して、02年には41%と示される。その後非金融業の巻き返しがあってやや減少期があったものの、2010年度第一四半期はまた36%まで来たとあった。サブプライムバブルの膨張・破裂なんのそのということだろう。

 次は、こうなった仕組みとして、金融派生商品の膨張のこと。
 著者は先ず、シカゴ豚肉赤味の先物市場投資額を、急増例として示す。初めの投資総額はその豚肉生産総費用にもみたぬものであったが、これが、生産費用とは無関係に爆発的急増を示すことになる。1966年の先物契約数が8000だったものが、2005年に200万を超えるようになったと。そして、これも含んだ金融派生商品全体のその後の急増ぶりがこう説明される。2004年に197兆ドルだった国際決済銀行残高調査による派生商品店頭売り総額が、2007年には516兆ドルになっていると。この期間こそ、08年に弾けることになったサブプライム・バブルの急膨張期なのである。同じ時期の現物経済世界取引総額とのこんな比較もあった。同じ2007年4月の1日平均金融派生商品契約総額が3・2兆ドルだが、これは世界のこの月の1日実体経済貿易総額(320億ドル)の実に100倍であると。

 これほど多額の金融派生商品の売買は、証券化という技術が生み出したものだ。
 証券化の走りは売買可能な社債だが、『住宅ローンや、消費者金融の証券化、様々な方法で負債を束ね「パッケージ」にして、低リスク・高リスクのトラッシュ(薄片)に多様に切り分けて売る証券や・・』というように進化していった。リスクが大きいほど儲かるときの見返りが大きいという形容が付いた例えばサブプライム債券組込み証券(の暴落)こそ、リーマン破綻の原因になった当の「パッケージ」の一つである。
 そんな金融派生商品の典型、別の一つに、これに掛ける保険、クレディット・デフォルト・スワップ(CDS)という代物がある。この性格について、有名な投資家ジョージ・ソロスが「大量破壊兵器」と語っているとして、こう紹介される。
『ゼネラル・モータースなどの倒産を考えよ。その社債の持ち主の多くにとって、GMの再編より、倒産した場合の儲けの方が大きかった。人の生命がかかった保険の持ち主に、同時にその人を打ちのめす免許を持たせるようなものだ』
 まさに「(会社再建よりも)打ちのめした方が儲かる」というCDSの実際が、投資銀行リーマン・ブラザースの倒産でも、見事に示された。倒産時のリーマン社債発行残高は1,559億ドルだったにもかかわらず、その社債へのCDS発行銀行の債務総額は4,000億ドルだったのである。社債を実際に持っている者の保険と言うよりも、単なるギャンブルとしての約束事だけの保険のほうが2・5も大きかったということになる。約束事だけへの保険ならば、競輪競馬に賭けるようなもので、無限に広がっていく理屈になる。

 こうして、こういうギャンブル市場がどんどん膨張していった。政府も国際競争力強化と銘打って証券文化を大いに奨励した事も預かって。各国年金基金の自由参入、確定拠出年金・・・。これらにともなって、機関投資家の上場企業株式所有シェアがどんどん増えていく。1960年アメリカで12%であったこのシェアが、90年には45%、05年61%と。そして、彼らの発言力、利益こそ企業の全てとなっていった。

「経営者資本主義から投資家資本主義へ」

そういう、大転換英米圏で起こり、日本はこれを後追いしていると語られる。
 この大転換の目に見えた中身は語るまでもないだろう。企業から「金融市場への支払い」が、その「利益+減価償却」費用とされたキャッシュ・フロー全体に占める割合の急増。アメリカを例に取ると、1960年代前半がこの平均20%、70年代は30%、1984年以降は特に加速して1990年には75%に至ったとあった。
 彼らの忠実な番犬になりえた社長は彼らの「仲間」として莫大なボーナスをもらうが、「企業の社会的責任。特に従業員とその家族、地域への・・」などという考えの持ち主は、遺物になったのである。こうして、米(番犬)経営者の年収は、一般社員の何倍になったか。1980年には20~30倍であったものが、最近では彼の年金掛け金分を含んで475倍平均になっている。その内訳で最も多いのは、年当初の経営者契約の達成に関わるボーナス分である。全米の企業経営者がこうして、番犬ならぬ馬車馬と化したわけだ。

「証券文化」という表現には、以上全てが含意されてあるということだ。企業文化、社長論・労働者論、その「社会的責任」論、「地域貢献」論、「政治家とは」、「政府とは・・?」 「教育、大学とは、学者とは・・?」、そして、マスコミの風潮・・・。
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