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随筆紹介  法事パン   文科系

2023年04月22日 00時33分40秒 | 文芸作品
    随筆紹介 法事パン  K.Kさんの作品です


「法事パン」って何? 思われるかもしれない。法事の時、参列者にあんパン、クリームパンなどを手渡す風習である。実家のある刈谷市では十五年前の父の葬儀の時も、参列者にアンパンとクリームパンのセットを八〇袋用意した。
 田舎の風習で葬儀はお寺か自宅で行なっていた。九十二歳で旅立った父の時は葬儀ホールで行なったが、その前に自宅に近所の人たちがお悔みに続々と来てくれた。狭い自宅でのことである、家の中に入らず、外から手を合わせていく。こんなにたくさんの人が何処からと思う。皆で見送る習慣があったのだ。その後の葬儀ホールには地元の人たちは来なかった。

 何故アンパンなどを配るのか法事パンのことが気になったので調べてみた。ルーツは島根県。小豆の産地で出雲善哉発祥の地。饅頭や和菓子が一般的だったが、戦後間もなく欧米文化で、昭和三〇年~四〇年、高度経済成長期、見栄えがする上に、当時は目新しい「アンパン」が選ばれた。時代的にはハイカラな洋物だったのだろう。お決まりの饅頭に飽きていたので「アンパン」の登場に人々は喜んだのかもしれない。
 山陰地方では当たり前で誰ひとり不思議に思う人はいないらしい。今ではアンパンの他にもメロンパン、ジャムパン、なども入れるそうだ。
 どうして刈谷市まで風習が伝わったのかは調べきれなかった。もしかして近くにはS社のパン工場があるのが関係しているのかもしれない・・・。


コメント
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