田中宇さんのブログを覗いたら、自衛機派遣問題について書いていました。
田中さんは、自衛隊機派遣は、日本・中国両政府が
日中の戦略的な未来のために計画したことと判断し、
では誰が壊したのか?について、
日本側は、対米従属路線の外務省、中国側は旧来の指導者層、と分析しています。
そして撤回のきっかけとなった日本のマスコミの報道について
こんな風に書いています。
たとえば、日本のマスコミが自衛隊機の中国派遣を大々的に報じるよう、
情報を漏洩したのは誰だったのか。
もし、日本のマスコミが、自衛隊機の中国派遣を正式決定前に報じず、
派遣前日あたりに日中が正式決定して政府発表が行われ、
翌日には自衛隊機が小牧を発って四川省の成都に着陸していたとしたら、どうか。
中国共産党の古参幹部が騒ぎ出すころには、
すでに自衛隊機は中国に着陸しており、
古参幹部が急いで胡錦涛に抗議の電話をしても、あとの祭りだっただろう。
胡錦涛は「非常に不足しているテントを急いで運んでもらう必要があり、
自衛隊機を出してもらうしかなかったんです。
アメリカも韓国も、軍用機で運んで来てますので」などと弁解できただろう。
党内の反対を考えると、中国政府は、自衛隊機派遣の実行直前まで、
日本側にも報道を控えてもらいたかったはずだ。
しかし、日本政府中枢の誰かが情報を通信社に漏らし、
話がまとまる前に大々的な報道がなされ、その結果、話が潰れてしまった。
情報を流した人物は、話を潰す目的で漏洩した可能性が高い。
外務省の巧妙なところは、後日談が望まれる場面で
「情報を漏らしたのは防衛省ですよ」などと、
歪曲された情報をマスコミに流したり、
マスコミが飛びつく「はしゃぎすぎた防衛省」
という感じの起承転結を示唆したりして、
リークを鵜呑みにするマスコミをうまく活用できる点だ。
読者も、作られた後日談を事実だと信じる。
事実っぽい物語を「創造」する手法は、
米政界のユダヤ系(旧約聖書以来の歴史創造の技能集団)を
中心とする戦略立案者たち(シンクタンクやジャーナリズム。ネオコン)から学んだ技術だろう。
そして、アメリカがこけてから慌てて中国にアタマを下げるような
事態にならないように、注意を呼びかけています。
この事件、なんなくスッキリしなかったのですが、
この見方は面白いと思いました。
田中さんの見方がすべて正しいかどうか?それは分かりません。
でも、なにごとも複眼で見ると面白いです。
どの見方が正しかったかは以後の展開が答えを出してくれるわけですから。