九条バトル !! (憲法問題のみならず、人間的なテーマならなんでも大歓迎!!)

憲法論議はいよいよ本番に。自由な掲示板です。憲法問題以外でも、人間的な話題なら何でも大歓迎。是非ひと言 !!!

ハリルジャパン(20) 「彼は全てを持っている」   文科系

2015年08月19日 18時01分24秒 | スポーツ
 先週土曜日の英プレミアリーグ第2節以降、岡崎慎司の大活躍が内外で騒がれ始めた。サッカー評論家たちも最大級の褒め言葉を送っている。今日はその好例として日英の二人の声を報告してみよう。元英国代表の名選手ガリー・ネビルと元日本代表武田修宏氏の評価の声である。二人とも期せずして同じこと語っている。
「現代サッカー技術の全てを持っている選手」

『元マンUのネビル氏、岡崎を「ベスト補強」に認定!「彼は全てを持っている」
(フットボールチャンネル編集部)

 マンチェスター・ユナイテッドのレジェンドであるガリー・ネビル氏が、日本代表FW岡崎慎司を今夏の「ベスト補強」に認定した。18日、イギリス『スカイ』が報じている。
 同氏は『スカイ』内のTV番組「マンデー・ナイト・フットボール」で岡崎を絶賛。「第1節は試合を観れなかったから、ハイライトで確認したんだ。レスター・シティの岡崎は本当に私の目を釘付けにしたよ」とコメントしている。
 岡崎は今夏マインツからレスター・シティに移籍。第1節のサンダーランド戦では豊富な運動量で攻守両面に貢献し、第2節のウェスト・ハム戦では見事な決勝ゴールを奪った。ネビル氏は同選手のプレースタイルを次のように分析し、絶賛している。

「人々が選手に求めること。ハードワークをし、守備にも貢献し、後方に戻り、時にはセンターフォワードとして振る舞い、チャンスを生み出し、そしてゴールを決める。岡崎はこの2週間で全ての要素を持っていたね」
 ウェスト・ハム戦後のコメントで「守備もできるけれど、プレミアリーグではゴールに集中していきたい」と語っていた岡崎だが、その献身的なプレースタイルがイングランドで高く評価されていることは明らかだ。満を持して“サッカー母国の地”に挑戦した同選手の、さらなる活躍に期待が集まっている。』

『元日本代表、武田修宏氏「鎌本氏には申し訳ないが、日本歴代最高のFW」(東スポWeb)

リーグ2戦目でゴールを決めた岡崎のプレーは素晴らしかった。ドイツで実績を作り、イングランドに渡ったけど、どんな環境でも戦えることを証明したね。日本代表で最多得点記録(国際Aマッチ76試合75得点)を持つ釜本邦茂さんには申し訳ないけど、日本人最高のストライカーだと思っている。

 岡崎には速さや高さなど特筆する武器はないけど、ゴール前での動きだしのタイミングやポジショニングが絶妙。クロスボールに合わせるときも、DFとの駆け引きでマークを外したり、スピードに緩急をつけて、DFを惑わせている。現代サッカーで必要な技術はすべて兼ね備えている選手じゃないかな。

 実際、前線から献身的にボールを追い込む守備もうまいし、オフ・ザ・ボールでも先の展開を読み切ったかのような動きを見せる。一つひとつのプレーの精度も高く、すべての動きに無駄がない。同じFW出身者がテレビを見ていて「すげーな」とうならされてしまったほどだからね。

 彼の動きの質が世界トップクラスなのは間違いない。ハリルジャパンは決定力不足と言われているけど、岡崎が万全なら大丈夫。他のストライカー陣も岡崎のパフォーマンスを参考にして課題を改善してほしいね。』

 本田、香川、宇佐美らに比べてなぜか話題に上ることが少なかった岡崎。とうとう、一般紙にまで騒がれるようになった。本日の中日新聞夕刊の連載・大住良之「サッカーの話をしよう」も、岡崎のこの活躍だけを扱っている。この選手、南アワールドカップ各大陸予選段階の世界得点王を取ったときでも、なぜかそんなに話題にならなかったのだ。地味で泥臭い「感じ」だからだろうか。マスコミの先見の明って、多寡が知れていると思うな。スポーツマスコのそれでさえ。
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連載随筆紹介 「免疫の話 その2 体温」  文科系

2015年08月19日 08時44分20秒 | 文芸作品
「免疫の話 その2 体温」 N・Sさんの作品

 免疫力は体温が0.5度あがると、30%高まるといわれている。   
私は、雪国のうまれで、寒さに強い。そのためか、冷え性になっていた。入院中にそれが分かり、退院してからは、体を温めるために寝るときは、夏でも靴下をはく。さらに、毎日親指大の生姜を食べる。また、冷たい飲み物は加減している。
 そのおかげか、いまでは体温が、35度台から0.5度上昇し、36度台になった。毎朝体温を測り、記録するのが楽しい。

(2015・8・18)

注 第1回目は8月5日に掲載されています。
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ハリルジャパン(19)『デイリー・メール』に岡崎特集  文科系

2015年08月18日 07時10分00秒 | スポーツ
以下も、フットボールチャンネルの記事である。

『今夏にプレミアリーグのレスター・シティに加入した日本代表FW岡崎慎司が、16日の英紙「デイリー・メール」で特集された。
 同紙では、15日に行われたイングランド・プレミアリーグ第2節のウェスト・ハム戦でプレミア初ゴールを決めた岡崎をMVP級の選手の一人だったと称えている。しかし、イングランドでは岡崎のことを知らない人が多い。そこで「日本代表について何を知っているか?」と疑問を投げかけた特集を掲載している。

 一つ目の見出しには「レスターは700万ポンド(約13億6000万円)を派手に使った?」と書いた。シュトゥットガルトとマインツでは合計155試合に出場し42得点を挙げているが、プレミアリーグはブンデスリーガと戦い方が異なるため、これだけの移籍金を出すことにリスクはあったとしている。しかし、結果的に公正な取引だったとみているようだ。

 二つ目の見出しには「彼の強みは何か?」。岡崎は身長174cmと小柄で、前線でターゲットとなる選手ではない。しかし、右サイドのサポートが無くても一人で相手DFを翻弄することができるとしている。

 三つ目の見出しには「有効なフィニッシャーか?」とある。ウェスト・ハム戦ではFWジェイミー・ヴァーディーのクロスに岡崎が飛び込んだが、GKアドリアンと衝突する危険性があったのに勇気を示したと賞賛している。

 このように同紙ではウェスト・ハム戦での岡崎の活躍を高評価し、特集記事を載せるほど絶賛している。次節はホームで強豪トッテナムと試合を行う。この勢いに乗ってホーム初ゴールで“ジャイアントキリング”を起こしたいところだ。

フットボールチャンネル編集部 』


 こういう記事に付けても思うことだが、イギリスとドイツとサッカーがかなり違うようだ。イギリスの方が直線的スピードが豊かで当たり合いも激しいが、その分小回りが利かないような気がする。イギリスファンが、懸命に走りあい、高く跳びあい、激しく当たり合ったりを喝采するのだろう。身体が小さくって脚も速くない岡崎には、似合っているように思う。岡崎はただ、最初の数歩は恐ろしく速い。特にこの動きだしの素速さは、オリンピック短距離代表でもあった杉本コーチの所に通って修行した賜なのである。このエピソードは、清水エスパルス時代の有名な話だ。将来を見据えて、自分の欠点を日々懸命に直しておく。案外出来ぬ事だと強調したい。
 それにしても、岡崎のあの勇気はどうだ! どんな大男にも、どんな状況においても、競り合いをいとわず、頭からというのも含めて、身体ごと突っ込んでいく。「怖くないのか?」と記者に尋ねられて、こう答えているから、凄い。「こういうのを求めて、ここへ来たんですから!」。イギリス人には堪らない応えだ。怪我しなければ、大きな成功を収め、大人気にもなるに違いない。ただ、年少の頃からダイビングヘッドに慣れているので、怪我を避ける身体使いも上手いのだろう。
 全く別のことを少々。イギリス人が敵にボールを渡すとき相手に直接渡すのに気づいた人も多いだろう。日本ではわざと遠くに投げるとか、ホカリッパナシにするとかしているのだが。スポーツは紳士の嗜みという伝統が英労働者スポーツにも残っているという気がした。日本に比べて、何かとフェアなのである。「ジャップ」という言葉をある場所で使ったバーディー選手の言動が大問題になって、あとで彼が岡崎に謝罪したというのが大ニュースになったという。日本のネトウヨ諸君に聞かせたい話である。
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歴史に逆行するアメリカと「組む」?  文科系

2015年08月17日 15時11分24秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
  何度でも言いたい。冷戦時代も終わった今、イラク戦争は21世紀最悪の国際的犯罪、国家による大虐殺行為だと。

「大量破壊兵器があるから攻撃すべき。これは、スラムダンクほど確実だ」(ブッシュへの、テネット元CIA長官の発言)
「あれがないとは知らなかった」(ブッシュ)
 後者は、後にブッシュがテレビで泣き言のように語った言葉だが、これが戦争前この戦争原因に関する全てだったはずだ。
 個人でも推定無罪があるのだから、「(アルカイダの大量破壊兵器に)関係あり」で大虐殺のような戦争をやられたら堪らない。立証責任は戦争を仕掛ける側にあるのは自明であろう。

 ちなみに、そもそもイラク戦争前年の02年9月に発表された「国家安全保障戦略」における「予防戦争論」、「先制攻撃論」という方針そのものが、私闘による大虐殺の決意を述べたものに他ならない。つまり、理由はどうでも良い、アメリカにとって何か不都合を感じたらすぐ戦争を仕掛けるぞという確信犯なのである。
 イラク戦争の最大の嫌疑事実は嘘だった。こういうおそれがあったから、湾岸戦争と違って国連は止めたのだ。その制止を振り切ってやったこともまた、単独行動主義、世界の警察のような顔をした私闘の大暴力を証明している。この戦争に参加した当時の西欧有志国政権は後で皆潰れたが、問題の日米政権は内外に対して何の謝罪もしていない。上に観た「予防戦争論」によって謝罪の必要もないと開き直っているのであろう。これは大変な問題だと思う。以下のような20世紀の戦争の世界史から観るならば、格別の意味を持って。
  
 ここで僕がイラク戦争にこれほど拘るわけを、改めてまとめておきたい。
①他国への戦争について、20世紀以降とその前とでは全く世界の状況が変わった。第一次世界大戦の後に国際連盟という初めての国際組織が出来て、戦争が違法ということになった。第二次大戦後は更にこれを徹底した。

②この動きは、次のような世界史的経過から起こったはずだ。人の命が権利としては平等に大切になって、肌の色とは無関係に民族自決などが認められ始めた。植民地が悪いことだとなったのは、以上のような背景がある。つまり、1人1人の人権、民主主義、国の平等という理念、これらの重みがどんどん増してきて、19世紀とは質的に変わったということである。
他方、20世紀の二つの大戦では、大量破壊兵器の生産など国家総力戦の様相を呈し、何千万という命が失われた。このことに対する人類の反省という意味も、戦争違法化の理念に込められたはずである。

③そして今なぜなのか、冷戦後の超大国アメリカだけが、この流れに真っ向から逆行している。中米で、中東でなどなどの例を挙げて、世界的な大言語学者にして米戦争ウヲッチャー、ノーム・チョムスキーも指摘する所だ。合わせて彼は、①②の流れにある人権・民主主義理念の世界的広がりでもって、この米国の戦争政策に強烈に反対してきた。

④日本人はネトウヨ諸君など、太平洋戦争を考える場合でも、戦争違法化そのものを連合国史観のように語る。これは上記①②の流れに無理解な、独りよがりの19世紀的思考なのだと言いたい。満州事変から始まった数々の日本軍違法行為、それへのリットン調査団の違法判定に対して国際連盟を脱退してみせた、そういう情けない発想の延長二も見える。


 さて、こういう米軍と行動を共にするという集団的自衛権など、とんでもないことだ。世界最大の人権侵害問題、国家主権侵害問題をば、経済大国二つがそろって19世紀に戻すに等しい行為である。ましてや、「付いていく」日本は9条の国。集団的自衛権ならぬ集団的侵略権と語るしかないものに、なぜ9条の国が付いていく? 日本国憲法は、20世紀に始まった戦争違法化の流れにこそ沿い、これを歴史的に一国家が先取りしたもののはずである。
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朝鮮日報より   らくせき

2015年08月17日 09時27分26秒 | Weblog

極右一色でも、高齢者一色でもなかった。15日、東京・千代田区の靖国神社本殿前に並んだ人々は普通の日本人たちが多かった。


 異様な人ももちろんいた。暴力団員風のヘアスタイルで旧日本軍の軍旗を振り回す人、軍帽をかぶりゲートルを巻いた1940年代の軍服で完全装備した人…。しかし、息子を肩車した40代課長、暑い中で手をギュッとつないだ20代カップル、中高生の子どもを連れて来た30代主婦、静かに手であおぐ50代男女の方が多かった。どこでもいる普通の日本人たちが猛暑の中、神社入口から本殿まで約1時間並んだ。靖国神社は同日午前6時から午後7時までの間に19万人が参拝したと発表した。


 最寄りの地下鉄・九段下駅から靖国神社まで850メートルにわたる歩道は「日本の右翼野外博覧会」をほうふつとさせた。従軍慰安婦攻撃団体・右翼教科書普及運動・河野談話撤廃運動・朝日新聞不買署名運動・安重根(アン・ジュングン)記念碑撤去運動の広報パンフレットを配るブースや、3500円の右翼Tシャツを売る露店などがあった。


 そうした中、人込みをかき分け、高級車が続々と到着した。超党派の「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」所属議員67人が団体で参拝に来たのだ。安倍晋三首相の側近・稲田朋美自民党政調会長も、自身が率いる会の議員9人と別に参拝した。安倍首相も玉串料を奉納した。私費だったが、それを持ってきた代理人は国から給料を受け取っている人物だった。


 道の向こう側の日本武道館では、終戦70年の全国戦没者追悼式が行われた。午前11時50分、天皇(81)の追悼の辞が靖国神社・遊就館(訳注:原文は戦争博物館)でも生中継された。

 「先の大戦に対する深い反省」という天皇の声が第二次世界大戦時に死んだ兵士たちの顔の上に響き渡った。兵士たちの顔は戦争末期になるほど、若者というよりも「幼い子ども」に近づいているように見えた。遊就館はこの兵士たちの顔に「靖国の軍神たち」という題名を付けた。朝鮮人もいるのだろうか。靖国神社には朝鮮人2万1000人も本人の意思とは関係なく合祀(ごうし)されている。


 正午の黙とう終了後、神社入口に集まっていた1600人近い人々は安倍首相の靖国神社参拝を要求し集会を行った。1945年の昭和天皇による降伏放送も流した。少し前、道の向こう側の日本武道館で「深く反省する」と言った人の父親は70年前、「他国の主権を排除して領土を侵すようなことは、もとから私の望むところではない」と語った。降伏なのか弁明なのか、日本は当時もあいまいな言葉を使ったのだった。


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安倍首相「戦後70年談話」の新聞報道(2015年8月15日)   大西五郎

2015年08月16日 08時34分20秒 | Weblog
【朝日新聞】「侵略」「おわび」言及 戦後70年談話 閣議決定 引用・間接表現目立つ

安倍談話 舞台裏は 首相、周囲の進言に配慮 安保難航 有識者懇で想定外
「らしさ、何もない」不満も
歴代談話と違いは 主語「私は」使わず 「侵略」の主体読み取れず
子や孫に謝罪の宿命背負わせられぬ 「ひと区切り」こだわり
中韓反応「深く反省を」「責任避けた」
「大戦への悔悟と不戦の誓い」(与党) 「おわび 自らの言葉ではない」(野党)
談話「引き継がれた印象ない」村山元首相
論説主幹コメント(座標軸)「政治は歴史を変られない」
社説「戦後70年の安倍談話 何のために出したのか」

【毎日新聞】おわび 歴代の表現引用 侵略・植民地支配に言及 戦後70年安倍首相が談話

歴史認識決着図る 野党「表現あいまいだ」
随所に対中配慮 中国「真摯なおわびを」 韓国への言葉少なく 韓国は慎重姿勢
安倍カラーを抑制 安保審議が誤算 「四方気配りの末に」末次省三政治部長
「侵略行為あった」首相70年談話会見要旨
「謝罪」に終止符強調「次世代に背負わせない」 閣僚は一様に沈黙
世界割れる評価 米、歓迎の声明 欧州、内容に好意的反応 ロシア、日露戦争表現刺激
社説「戦後70年談話 歴史の修正から決別を」

【読売新聞】首相「反省とおわび」継承 「侵略」「植民地」にも言及 戦後70年談話発表

村山・小泉談話は踏襲 新たな「悔悟」を明記
首相 国民合意に腐心 70年談話異例の長さ 周到準備
首相、独自色抑える 公明や支持率に配慮か 与党から評価 民主は説明要求へ
侵略 明確に認める 記者会見で
「過去引き継ぐ責務」 70年談話未来志向 学生ら評価
中国「厳しい立場」伝える 韓国でも批判報道
「謝罪の歴史に区切りを」田中隆之政治部長コメント
社説「戦後70年談話 歴史と教訓胸に未来を拓こう 反省とお詫びの気持示した」

[中日新聞]70年談話「お詫び」継承 謝罪続ける宿命 背負わせない 内外に配慮 持論を封印

首相が会見「不戦の誓い堅持 重要」“国策を誤り”は抽象的」村山談話に見解述べる
首相側近「出あなくても・・・」 村山元首相整合性批判「引き継がれた印象ない」
自分の言葉で語らず 「反省」「おわび」歴代内閣の見解引用
中国政府 真摯なおわびを要求
「これで平和が渡せるか」喜間広典論説主幹コメント
社説「戦後70年談話 真の和解とするために」

                       ※日経新聞と産経新聞については後日
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ハリルジャパン(18) 岡崎レスター、単独首位!  文科系

2015年08月16日 02時25分39秒 | Weblog
 岡崎のレスター・シティーが現在プレミア単独首位に立った。しかもこの第2節を2対1で勝ったウエストハム戦では、間違いなく岡崎慎司がチーム最高評価である。なんせ、彼自身の初得点と、もう1得点も彼が起点になったのだから。もう一つの2連勝チーム、マンチェスターユナイテッドと並んで、得失点差で単独首位なのである。
 レスターここまでの躍進は、これも間違いなく岡崎慎司が立役者だろう。第1ゲームではチーム2番目の高評価、第2ゲームがこの活躍なのだから。

 なによりも、2得点場面を振り返ってみよう。
 前半27分、敵ゴールに向かって左に走り込んだ相棒FWのバーディーが中央に走り込む岡崎めがけてフワリと浮き球のパス。これを岡崎が右足でボレー・シュート。相手GKがこれを両手で弾いて前へ浮き上がったボールに、素早く走り込んでヘッド得点。
 2得点目は、岡崎が敵ゴールに向かって左でボールを受けて反時計回りにキープする。機を見て中の選手に折り返すと、受けた選手はドフリーだったからゴールライン近くまで入り込み、ゴール正面へマイナスのパス。これをMFマフレズが決めて、2対0。なお、このMFマフレズはこれで3得点、プレミアリーグ現在の得点王である。

 この相手ウエストハムは、先週アーセナルに勝ったばかりの絶好調、結構強かった。パスは繋がるし、柔らかいプレーの小技も上手い。が、このシリーズ先回の13,14回で書いた岡崎の特長も又、冴え渡っていた。味方の前の方で敵ボールを容易に運ばせないのである。まずよく走るから守備の位置がよい。次いで、敵ボール保持者に対して好機と見れば実に上手く体や脚を入れていく。例え自分がボールを取れなくとも、敵ボールが味方に流れればよいとはっきり意図している守備だから、凄いのだ。しかも、かなり後ろまで下がっていってこういう守備をするから、敵にとってこんな嫌なFW選手はなかなかいないだろう。後半まで走りきれる自信がある岡崎だからこそ出来るプレーである。時速24キロ以上で一定距離を走る1ゲームの個人回数が今年からJでも計られるようになったが、この数値が普通の日本選手の倍近いという岡崎なのである。

 こんな守備をした上に、それでいて1得点、1起点という新人なんて監督としてはもうウハウハだろう。僕としては特に、バーディーの巧みなアシストで上げた1点目が今後に向けて大きいと思う。前に書いた似たタイプ二人のコンビ力を高めて得点していくという、そういう望みが大きく膨らんできた思いがする。岡崎とはこのように、チーム力全体に好影響を与える選手なのである。

 今日のゲームでは彼のもう一つの良さを発見した。激しい接触、当たりあいを全く怖がらないのである。第一戦でもこの特長は多々見られたが、このゲームではこの特長が更に際立っていた。「怪我をしたかな?」という接触が2度ほどあって、一度は頭から血を出したはずだ。味方陣地前で相手選手のボールを奪おうとして、相手がパスの脚を出しかけているのに、そのボールに迷わず得意のヘッドで飛び込んで行った。本当に勇気のある英国人好みの「男」と言える。確か中学生時代から「生涯ダイビングヘッド」を座右の銘としてきた人物と聞いている。ダイビングヘッドという勇気の要るプレーをやり続けてきたから怖がらないのだろうし、それでいて怪我を避けるプレーも身につけているのだろう。

 この日は60分ほどで岡崎は交代したのだが、「もう充分」という意味と、岡崎を休ませようというのと、二つの意味があったように推測する。チームにとってそれほどに大切な選手になったということだろう。
 この下位チームをここまで引っ張り上げてきたのは、間違いなく岡崎慎司である。


 嬉しいことついでにもう一つ、全く別のご報告。このブログ今日まで一週間のグー編集部報告によるアクセス数累計が2,345になった。1年ぶり以上の2000越えである。
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ハリルジャパン(17) 岡崎、今日も先発   文科系

2015年08月15日 15時28分43秒 | スポーツ
 サッカー・キングに標記の良い記事が載っていたので、ご紹介したい。早く初得点しないかなー? と言っても、今日の相手は初戦でアーセナルを負かしたウェストハムだ。さー、どうなる?


『 岡崎2戦連続スタメンへ…英紙が人種差別発言の同僚との2トップ予想
SOCCER KING 8月15日(土)11時59分配信

 プレミアリーグ第2節が15日に各地で開催され、日本代表FW岡崎慎司が所属するレスターは敵地でウェストハムと対戦する。14日付のイギリス紙『デイリー・メール』が同試合の予想先発メンバーを発表した。

 レスターは開幕戦でサンダーランドに4-2の勝利を収めた。このまま連勝を飾りたいところだが、ウェストハムとの相性はあまりよくなく、直近の対戦成績では1勝1分け3敗で、昨シーズンは連敗を喫している。チームもイングランド代表FWジェイミー・ヴァーディの“人種差別発言”で騒がしい1週間を過ごした。
 チームを率いるクラウディオ・ラニエリ監督は「2人の間に問題はない」と話したように2トップに岡崎とヴァーディを起用し、勝ち点3獲得を目指す。またダブルボランチはMFダニー・ドリンクウォーターとMFアンディ・キングがコンビを組むことが予想されている。

 一方、開幕戦でアーセナルを破るサプライズを提供したウェストハムは、16歳のDFリース・オックスフォードが2試合連続で先発出場するとみられる。

 イギリス紙『デイリー・メール』が予想するレスターの先発メンバーは以下の通り。

■レスター

▼GK
カスパー・シュマイケル

▼DF
リッチー・デ・リート
ロベルト・フート
ウェズ・モーガン
ジェフ・シュルップ

▼MF
ダニー・ドリンクウォーター
アンディ・キング
マーク・オルブライトン
リヤド・マーレズ

▼FW
岡崎慎司
ジェイミー・ヴァーディ
.
SOCCER KING  』
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改めて、リーマンショック、現代金融の闇

2015年08月15日 14時48分00秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 中国元切り下げとか、日米官製バブルとか、ドル利上げ、円安の運命などと、どんな週刊誌にも経済記事が絶えることはない。が、どれも目前のこと、株式予想の域を出ないものがほとんどである。こんな時忘れてはならないのが、標記のこと。「100年に一度の経済危機」と言われたものは、まだ全く整理など付いてはいないのである。現に、アメリカの巨大銀行は、世界10大銀行に一つも入れていないのだし、日本は郵貯が8位で、三菱UFJが10位(14年12月)。同じくリーマンで大損したと思われる中国もその後一人勝ちの様を呈していた様子に陰りが見え始めた。マネーゲーム経済は一体、どこへ行くのだろう。
 一生懸命勉強して書いた古い原稿を、改めて整理してお目汚しとする。
 

1 全米5大投資銀行の全滅

 以前から指摘されてきたサブプライムローン組み込み証券問題が、誰の目にも明らかになったのは08年春のベア・スターンズ破綻だろう。ここが、アメリカ5大投資銀行のひとつだからだ。が、ここに至る徴候は既に1年以上前から現れていた。06年12月にはサブプライムローンを手がけていた米中小ローンの経営破綻が相次いでいたのだし、07年になるとこんな事も起こっている。3月13日住宅ローン大手のニューセンチュリー・フィナンシャルが、上場廃止になったこと。6月22日には、問題のベア・スターンズが傘下ヘッジファンド2社の救済に奔走したが果たせなかったという事件も起こっていた。このような07年の破綻徴候については、岩波新書「金融権力」(本山美彦京大名誉教授著)巻末に紹介されている。このように破綻への徴候は無数にあったのに、必死に先延ばしにして「信用」死守を図ってきた姿が目に浮かぶのである。こんな点にも、「信用」、超巨大バブルにトリプルAがつくという、それがきわめて人為的あるいは虚飾的なものだという、その事が示されているということだろう。ともあれ、ベア・スターンズ破綻以降もこんな事が相次いで起こっていった。

 08年夏には住宅金融機関の親会社的な政府系の金融機関、ファニー・メイとフレディ・マックがつぶれた。そして9月15日には、5大投資銀行の第3位リーマン・ブラザースが破綻すると、その同じ日に、第4位のメリル・リンチをバンク・オブ・アメリカが買収すると発表された。翌16日には、AIGの倒産があった。アメリカ最大の保険会社であり、金融商品の保険だけを扱ってきた会社であって、政府等が即座に8000億ドルの融資枠を設定したものだ。ただしこの額は1ヶ月で使い切ってしまい、以降も追加支援に走らざるを得なくなる。8000億ドルでも不足とは、この会社が保険金で補償すべきサブプライムローン住宅関連金融商品がいかに莫大なものだったかが分かるというものだ。それがないと、5大投資会社、銀行とその関連会社とが無数につぶれたということなのだろう。それでもさらに、1、2位の投資銀行も9月21日に銀行持ち株会社に転換するにいたったのである。ゴールドマンとモルガンがそれぞれの銀行に吸収されたということである。
 以上のこの部分は、岩波ブックレット、伊藤正直・東京大学大学院経済学研究科教授著「金融危機は再びやってくる」の要約を主内容としている。

 東洋経済新報社の「現代世界経済をとらえる VER5」(2010年)では、5大投資銀行の破綻をまとめた後に、こんな文章が続いていた。
『リーマン・ブラザース破綻の翌日、保険最大手のAIGがアメリカ政府管理に置かれ救済されたのは、あまりにも膨大なCDS(デリバティブ等にかけられた保険のこと。これがかかっているから、信用できない商品でもトリプルAの格付けになったということです。文科系)の破壊的影響への危惧からであった。一世を風靡したアメリカ型投資銀行ビジネスモデルの終焉が語られているが、健全に規制された金融モデルへの移行か、巻き返しのための変身なのか、ウォール街の戦略、西欧金融機関との競争を含めて、注視していく必要がある。』
 政府に補償してもらって、その上で「巻き返しのための変身」? これでは新自由主義者たちが非難してきた社会主義政策そのものではないか。新自由主義者が政府に命を救われる。そうでないと社会がめちゃくちゃになる! これをモラルハザード、力による救済のごり押しと言わずして、どう表現できるというのだろうか。こんな新自由主義社会は過去の社会主義社会と同じく、自立的には存在し得ないと証明したも同じ事である。

(2)通貨危機、国家債務危機は70年以降に始まった

 1970年代初頭の金本位制、固定相場制崩壊以降には、小さなバブルとその破裂は無数に起こっているという。IMF(国際通貨基金)の08年調査によればこのように。
『1970年から2007年までの38年間に、208カ国で通貨危機が、124カ国で銀行危機が、63カ国で国家債務危機が発生しています。金融危機は、先進国、新興工業国、開発途上国を問わず、アジア、ヨーロッパ、南北アメリカ、アフリカを問わず起こっていたのです。これに対し、第二次大戦後1970年以前の時期には、国際金融危機や大規模な一国金融危機はほとんど発生していません』(岩波ブックレット12年刊 伊藤正直「金融危機は再びやってくる」P3)

 また、08年のような史上かってなく大きなバブル崩壊について、必ず起こるとも予言されてきたのである。経済学者からはもちろん、高等数学が分かる人からも。例えば、数学者である藤原正彦・お茶の水女子大学教授はその著作「国家の品格」(新潮新書 06年4月第24刷分)でこう予言していた。
『新聞等ではなぜかあまり騒がれておりませんが、このデリバティブの残高が、国際決済銀行の発表によると2004年時点で1兆円の二万五千倍と言われています。二万五千兆円ですね。わずか三年前の残高の2.2倍です。ここ10年では25倍という恐るべき急増です。多分、京(きよう)だか京(けい)だか知りませんが、2京五千兆とでも言うのでしょう。・・・・リスク率を4%と仮定しても、一千兆円です。銀行やヘッジファンドはデリバティブの主役ですから、大規模デリバティブが一つでも破綻すると、その瞬間に資金の流れが止まり、連鎖的に決済不能に陥ります。一千兆円という数字は、銀行のリスク許容能力である自己資金の総額の数倍にも達しているのです。・・・・いつ世界経済をメチャクチャにするのか、息をひそめて見守らねばならないものになっています。しかもなぜか、これに強力な規制を入れることも出来ない。そもそもマスコミはこれに触れることすら遠慮している。』(p32~34)
 上の「デリバティブ残高」と「リスク率4%」というのは、レバレッジ、証拠金取引ということに関わっている。通貨、債券、株式などの先物買いなどのデリバティブ(金融派生商品)取引は、「想定元本」の取引を、その4%ほどの証拠金でもって行うことができる。つまり手元資金の25倍ほどの梃子を利かせる大ばくちが出来るのである。逆を言えば、儲ける場合の金額も大きいけれど、自己責任が負えないような大損もあるということだ。

 こういうものが爆発して、さて世界はどうなったか。今は、どうなっているのか。こんな重大なことが、藤原氏も言うように、その後のマスコミで追跡調査や反省などほとんど社会問題として正しく反省されたようには見えないのである。全く不思議なことだ。アメリカ政府資金だけでも1兆ドル遙かに超えるほどに使ったはずの公的出来事なのに。こんな不思議な事態は、金をもっている権力者たちが政府ぐるみでその権力をフルに使ってあらゆるマスコミ社会に対して口止めをしているとしか僕には思えない。新自由主義社会の最大の恥部をみんなして隠しているわけである。これほどにおかしい問題処理をしておいて、「アベノミックスの超株高!」とか「アメリカ株価、リーマン以前に戻す!」とかを今叫んでいるのでは、世界が今回と同じ政府資金投入という社会主義的不公正・弥縫対策を何度も繰り返すことになるのは、必然だと思う。上記伊藤正直氏著作の題名「金融危機は再びやってくる」とは、そういう意味である。

 この間、根本的に「正しく」景気、購買力をよくするべく、失業者に職を与えるとか臨時、パートを正規職に変えるとかは、世界で何も進んでいないのである。世界の失業者たちになんの変化もない「景気」に、どんな意味があるのか。だからこそ資本で物を作っても何も売れないから、資本がどこでも、何度もマネーゲームに走るしかなかったのではないか。その元凶連中は100億とかのボーナスをもらって食い逃げしていくのにである。彼らに騙されるようにして家を買わされ、数年で高い利子に替わって払えなくなり、その虎の子の家までを取り上げられたうえに借金漬けにされたサブプライムローンの人々は、その一生をめちゃくちゃにされたのである。これは戦争と同じだ。
 数百万のサブプライム家庭を殺したにも等しい投資銀行幹部たちは大儲けをした「英雄」のまま。対するに、たった一軒の家のローンが払えなくなった人々はその人生を殺されたにも等しいということだろう。こんな事を何度繰り返すというのか。なんと不思議な世の中なのだろうか。

(3)自己実現的通貨投機としての空売り。タイの例

 アジア通貨危機の源、96年末から翌年にかけてタイで起こったことも観ておこう。

『「投機家はタイに自己実現的通貨投機をしかけた。一ドル二五バーツに事実上固定していたタイ・バーツが貿易収支の悪化から下落すると予想し、三ヶ月後に二五バーツでバーツを売りドルを時価で買う先物予約をすると同時に、直物でバーツを売り浴びせた。タイ中央銀行は外貨準備二五〇億ドルのほとんどすべてを動員して通貨防衛を試みたが力尽きた。」(東洋経済「現代世界経済をとらえる VER5」二〇一〇年。一二一頁)』

 タイのこの問題に最も詳しい専門家による解説をご紹介したい。なんせ通貨危機というのは、「1970年から2007年まで世界208カ国で起こり」、各国恐怖の対象とされてきたもの(岩波ブックレット12年刊 伊藤正直「金融危機は再びやってくる」P3)。世界金融資本の最大暗躍手段・場所の一つであって、世界各国から「通貨戦争」とも呼ばれている。なお、このタイ通貨危機は、97年の東アジア通貨危機の発端・震源地になった事件として非常に重要なものである。
 毛利良一著「グローバリゼーションとIMF・世界銀行」(大月書店2002年刊)243~244頁から抜粋する。

『通貨危機の震源地となったタイについて、背景と投機の仕組みを少しみておこう。タイでは、すでに述べたように経常取引と資本取引の自由化、金融市場の開放が進んでいた。主要産業の参入障壁の撤廃は未曾有の設備投資競争をもたらし、石油化学、鉄鋼、自動車などで日米欧間の企業間競争がタイに持ち込まれた。バンコク・オフショアセンターは、46銀行に営業を認可し、国内金融セクターが外貨建て短期資金を取り入れる重要経路となり、邦銀を中心に銀行間の貸し込み競争を激化させて不動産・株式市場への資金流入を促進し、バブルを醸成した。
 このようにして流入した巨額の国際短期資本は、経常収支赤字の増大や大型倒産など何かきっかけがあれば、高リターンを求めて現地通貨を売って流出する。投機筋は、まずタイ・バーツに仕掛け、つぎつぎとアセアン諸国の通貨管理を破綻させ、競争的切り下げに追い込み、巨大な利益を上げたのだが、その手口はこうだ。
(中略)1ドル25バーツから30バーツへの下落というバーツ安のシナリオを予想し、3ヶ月や半年後の決済時点に1ドル25バーツ近傍でバーツを売り、ドルを買う先物予約をする。バーツ売りを開始すると市場は投機家の思惑に左右され、その思惑が新たな市場トレンドを形成していく。決算時点で30バーツに下落したバーツを現物市場で調達し、安いバーツとドルを交換すれば、莫大な為替収益が得られる。96年末から始まったバーツ売りに防戦するため、タイ中央銀行は1997年2月には外貨準備250億ドルしかないのに230億ドルのドル売りバーツ買いの先物為替契約をしていたという。短期資本が流出し、タイ中央銀行は5月14日の1日だけで100億ドルのドル売り介入で防戦したが、外貨準備が払底すると固定相場は維持できなくなり、投機筋が想定したとおりの、自己実現的な為替下落となる。通貨、債券、株式価値の下落にさいして投機で儲けるグループの対極には、損失を被った多数の投資家や通貨当局が存在する。
 投機を仕掛けたのは、ヘッジファンドのほか、日本の銀行を含む世界の主要な金融機関と、大手のミューチュアル・ファンドをはじめとする機関投資家であった。また、1999年2月にスイスのジュネーブで開かれたヘッジファンドの世界大会に出席した投資家は、「世界中を見渡せば、過大評価されている市場がどこかにあります。そこが私たちのおもちゃになるのです」と、インタビューで語っている。』

 以上につき僕の感想のようなことを一言。11年11月15日の拙稿に書いたことだが、日本の銀行協会の会長さんがこんなことを語っていた。「不景気で、どこに投資しても儲からないし、良い貸出先もない。だから必然、国債売買に走ることになる。今はこれで繋いでいくしかない状況である」。ギリシャやキプロスの危機を作っているのは、普通の銀行なのである。こんな状況で円安・金融緩和に走っても実体経済や求人関連にはほとんど何の影響もなく、株バブルや上記タイのような(通貨、株、国債などの)「バブル」つぶしに使われるだけという気がする。要は、それ以外の投資先そのものがないのだ。そこを何とかしなければ何も進まないと思うのだが。つまり、供給側をいくら刺激してもだめ、ケインズやマルクスが指摘したように、需要創造が問題だと言うしかないではないか。
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ハリルジャパン(16)もう一度、岡崎  文科系

2015年08月14日 15時38分55秒 | スポーツ
 フットボールチャンネル8日版にこんな記事があったので、抜粋報告をする。このリーグ開幕戦ゲームで先発完投した岡崎が、いかにチーム、監督に信頼されているかに焦点が当たった記事だと言える。


『 守備時は一度しっかり引いてブロックを作り、プレスの網にかけてボールを奪えば、アタッカー陣が手数をかけず相手ゴール前まで一気に攻め込む。岡崎は迫力満点の攻撃の中心として90分間奮闘した。
 開始11分、左サイドからマーク・オルブライトンが蹴ったFKに飛び込んだ岡崎の相方ジェイミー・ヴァーディーが頭でコースを変え、レスターが先制点を挙げる。ここから“フォクシーズ”の勢いは止まらなくなった。18分には岡崎の正確なポストプレーから流れを作り、オルブライトンのクロスに逆サイドのリヤド・マハレズが合わせて追加点。(中略)

 岡崎自身にゴールはなかったが、ボールのないところでの貢献は際立った。常に中央でプレーし、ボールの上下動に合わせて必ずゴール前に顔を出す。得点にはなっていないが13分のシーンは象徴的だ。左サイドに出たボールに対し、一度味方と並走しつつニアサイドへ入ってから、相手CBユネス・カブールの背後へステップし、折り返しに合わせて再びニアサイドへ顔を出してDFに潰されながらシュートチャンスを作った。

 守備時に一度自陣へ引くレスターにおいて岡崎の運動量と味方の攻め上がりを促すプレーが効果的に発揮され、正確なポストプレーや労を惜しまないプレッシングが相手のファウルを誘うなど数字に見えない部分でチームを盛り立てる。
 ハーフウェーラインまで下がっても、味方がボールを奪えば一気にゴール前までダッシュする。何度も何度も約40mの縦方向へのスプリントを繰り返しながら相手の背後へ入り込む嫌らしい動きを続けた。
 それを象徴するのが岡崎へのファウルのシーンだ。ボールを受けるための動き出しが早い岡崎に対し、相手DFはほぼ後ろから倒すしかなかった。普通なら正対した状態で足をかけられたり、横からタックルを受けて倒れたりといった場面も見られるが、岡崎だけは後ろから倒す他に選択肢がない、つまり誰もその動きについていけなかったということになる。(中略)

 この試合で目立ったのは運動量だけではない。周囲の選手が皆岡崎のことをしっかり見ており、ボールを奪った際には最初の選択肢として岡崎のパスを選択する場面も多かった。ゴール前へ走りこんでも確実にラストパスが送られ、岡崎が相手ボールホルダーにプレッシャーをかければそれに連動して周りも動き出す。

 そういった信頼はクラウディオ・ラニエリ監督の采配からも見てとれる。最初の交代はリッチー・デラートとヨアン・ベナルアンのDF同士によるものだったが、次に交代を告げられたのは2得点のマフレズと、前線で幅広く動いて岡崎をサポートしていたヴァーディーだった。』


 明日の23時から第2戦ウェストハム戦があるが、楽しみで仕方ない。早く1得点して、気分を楽にさせてやりたいなどと、親心に似た気持になっている。特にイングランド代表にもなったバーディーとツートップで相互成長させ合って欲しいなどとも。岡崎29歳、バーディー28歳、この似たタイプ二人でワンツー得点などと選手生命を集大成させ合っていくようにと望んでいる。そういうのがチームにも最も良いことだし。
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新聞の片隅に載ったニュースから(207)    大西五郎

2015年08月13日 19時16分24秒 | Weblog
東京裁判検証 近く開始 自民 党内からも懸念の声(15.8.13 毎日新聞)

自民党の稲田朋美政調会長は、安倍晋三首相の戦後70年談話の発表後に、東京裁判や連合軍総司令部(GHQ)による占領政策などを検証するための党内機関を発足させる。「反省すべきことを反省」するための組織と位置づけているが、党内からは「歴史修正主義」との批判を浴びかねないとして懸念の声が上がっている。
稲田氏は先月30日の会見で「東京裁判で認定された事実をきちんと日本人自身が検証し、反省すべきことを反省し、将来に生かしていくことが必ずしもできていない」と語り、自民党として検証していくこと必要性を強調した。
東京裁判について稲田氏は、判決の主文自体は受け入れる考えを示してきた。一方で東京裁判を巡っては、犯行当時になかった刑罰規定を適用する「事後法適用」が問題視されてきた。稲田氏や周辺議員が検証に踏み切るのは、東京裁判の立証方法の妥当性に疑問を感じているからだ。これまでも自民党内でしばしば問題提起されてきたが、日米関係に与える影響などを考慮し、表立った動きは控えてきた経緯がある。
党三役経験者は検証機関の設置について「首相の周辺議員が良かれと思っていても逆効果になることはよくある。戦後体制の否定は日米関係を否定することにもつながりかねない」と批判する。別の党幹部は「(検証機関は)相当気をつけないと国際的な誤解を招く。『東京裁判の検証』だけが独り歩きするとまずい」と語り、自民党全体が歴史修正主義に傾いていると受け取られることに警鐘を鳴らす。

□――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――□

安倍首相は「戦後レジームからの脱却」を唱え、連合軍の占領政策で日本の国が歪められたのでこれを元に戻さなければならないという認識を示していますが、2013年3月12日の衆議院予算委員会での答弁で「東京裁判は勝者の判断によって断罪された」と述べました。また2006年の第一次安倍内閣時代に「A級戦犯は戦争犯罪人ではない」という見解も表明しています。
稲田朋美氏は安倍晋三氏の秘蔵子といわれ、安倍首相と極めて近い歴史認識を有していると云われています。2005年のいわゆる“郵政選挙”で福井1区から郵政民営化に反対する松宮勲議員の刺客として立候補して当選しました。そして20012年に初入閣(規制改革担当国務相)、昨年9月に政調会長に抜擢と、議員経歴の少ない割りに“出世”してきました。
稲田氏は安倍首相と符節を合わせるようにかねてから東京裁判の結果について疑問を呈してきましたので、「東京裁判で認定された事実をきちんと日本人自身が検証し、反省すべきことを反省し」と云っても、何を検証し、反省するのかが問題です。
稲田氏が東京裁判の結果そのものを否定するようなことになると、国際的な影響が大きいと自民党幹部経験者などが心配しているのです。あす表明されると伝えられる「戦後70年の総理大臣談話」の内容が「あの戦争をどう評価するのか」とともに、自民党の歴史認識を厳しく注目していきましょう。
                                           大西 五郎
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正気か、弟ブッシュ!  文科系

2015年08月13日 14時04分37秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 愚かな兄が兄ならば、今度は「正気か、弟ブッシュ!」
 2015/08/13中日新聞8面に
「イラク撤退 クリントン氏を批判」
『ブッシュ氏 「IS台頭招く」』

 この記事内容はこういうものである。11年末のオバマ政権によるイラク完全撤退を「早すぎる撤退は致命的な誤りだった」としたそのうえで、イスラム国の台頭を招いたと難癖を付けたのである。さらには、こんなことまで語ったという。『われわれが苦労して手にした勝利が無に帰すのを傍観していた』と。

 馬鹿言っちゃいけない。そもそも、嘘の理由に騙されて開戦したと後で語ったのが、「我々」の一人、兄ブッシュその人ではないか。ちょっと後のライス国務長官も「イラク戦争では、数々の誤りを犯した」と述べている。「苦労して手に入れた勝利」どころか「世界を騙して手に入れた勝利」なのである。だとしたら、大量破壊兵器がなかったと分かった瞬間に、できるだけ早く終わって当たり前。それを「もっと長く出兵しているべきだった」というのは、「盗人に追い銭を与えよ」と叫んでいるようなものだろう。イスラム国だって、この戦争(に恨みを持つものたち)が作ったものであって、早く撤退したから恨みが消えるというものでもない。
 民主党大統領候補クリントンを貶めるための演説なのだが、この弟ブッシュも、兄以上の大馬鹿者と見える。黒を白だと言いくるめた上に、さらに黒を重ねるべきだったと叫んでいるに等しいのである。この候補の外交顧問21人が発表されたそうだが、そのうち17人がウルフォウィッツらブッシュ政権を支えたネオコンたちだという。なんと反省のない人々であるか! こんなのが当選したら、アメリカ没落に急加速が付くだろう。その分、日本にも無理難題がふっかけられるはずだ。丁度、兄が金もないのに莫大な戦費を浪費して、日本も支援せよとか、今も紙幣をだらだらと刷っているとかやっているように。
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ハリルジャパン(15)Jは弱くなった!  文科系

2015年08月12日 22時07分30秒 | スポーツ
 久しぶりにJリーグ代表だけの東アジアカップを観て、表題のように感じた人は多かったろう。一言で言えば「軽いパスサッカー」に堕していて、闘っていない。

 Jのこの点に関しては前から国際比較で最大の弱点だったが、この大会はちょっと極端に悪かった。ハリルも相当の危機感を覚え、協会に指摘し続けているようだ。ハリルが度々語る「1メートル寄せるのと、1メートル20センチしか寄せないのとでは、全然違う」など、彼のいろんな言葉のはしばしにこれを感じることができる。

 多分フランス語の「デュエル」が弱いとか、ドイツ語の「ツバイ・キャンプフ」が弱いとかよく言われるのが、「1対1に弱い」ということ。いやそれ以上に、マーク相手と距離を取りすぎているから「1対1」になっていかない。敵を遅らせればよいというだけのこんなチーム防御スタイルで、どうやって敵ボールを奪うというのか。今野、山口のように相手ボール保持者に厳しく突っかけてこそ、味方に敵ボールも流れて来るというのが守備の基本。厳しく突っかける場面が少なければ、チームのボール奪取戦略もないというに等しい。そんなチームは、敵にシュートで終わられることも多くって、失点も多くなる理屈である。

 J弱小チームだった仙台が手倉森監督の下でJ2から急台頭してJ1優勝争いに殴り込んだ時、その特長は最少失点。チーム全体の敵ボールへのプレッシャーが強くなっていて、そのボールを角田、富田の2ボランチが刈り取っていたもの。あーいうチームが最近少なくなった気がしないか。

 あまり強調されないことだが、優男・内田篤人はドイツの強豪シャルケというチームでも1対1に強い選手として有名だ。先回書いたように、イングランド初戦で完投して「拾いもの」と好評の岡崎も、この点が前よりもずっと厳しいプレーへと鮮やかに変身していた。そして、ドイツで最も長くやっている長谷部がいつも言うことはこれ。「1対1で負けていたら話にならない」。対するにJの選手たちはまるでいなされるのを恐れてばかりのように、対面相手と長めに距離を取る。その姿が味気なく、みっともなく見えるのは、僕だけではないはずだ。

 そもそもこんなスタイルでは、大事なゲームになるほど勝てない確率が増えるだろう。Jは何か勘違いを強めてきたような気がする。
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「よたよたランナーの手記」(130)続右足首痛   文科系

2015年08月12日 15時24分22秒 | スポーツ
 前回に、こう書いた。
 この痛みの原因究明が意外に難しくってずっーと探ってきたのだが、やっとわかった。この足首外側痛は、知らぬ間の老化により走法が変形していた結果だった。左脚のけりが弱くなっていて右踏み出しがやや狭くて踵から強く着地してさらに強く蹴らねばならないという、そんな走りになっていたのである。踵と足首外側が痛むのはこのせいだった。ここまでが、前回に分かったことだった。

 痛みが小さいからと言って外って置けば右足踵骨疲労骨折にも繋がったはずで、原因が分かってホッとしている。でも、暫く慣れ親しんだ走法を変えるって難しい。同じ一日のうちでも、ちょっと気を抜いて走っているといつの間にか右足踵に痛みが来ていて、慌てて正しく走り直す。すると効果てきめんで痛みが消えるから怖ろしいものだ。
 そしてもう一つ分かったこと。左脚の筋肉も明らかに弱っている。僕にとって右足首が痛くなくなる正しい走り方をすると左膝が痛むほど疲れるから分かったことだ。

 年寄りランニングは本当に難しい。いろんなスポーツの習慣があったとはいえ、ランナー入門が59歳のよたよたランナーである僕には、なお難しいのだろう。

 ただ、前回以降6,9,11日と走って、8日に階段往復90回をやったのだが、その本日11日、やはり朗報があった。この暑さもあって暫くアップできなかったスピードを、11日には上げてみた。30分2回でジャスト9キロを走った。1時間9キロと言っても、30分2本のそれぞれを初めはいつも時速7~8キロで暫く走るLSDが基本である。これで9キロに届こうとすると後半にはかなり上げねばならず、2本目30分の最後には、10・5キロ時で10分走った。久しぶりに、30分で4.8キロまで行った。
 暑い中で久しぶりのこの速度は、疲れたが後遺疲労が何もない。走法が改善された効果だろうが、このごろでは塩分の摂取も大切にしている。普通の食事ではやはり、走る日の塩分としては少なすぎるのだろう。猛暑のこの頃は走る日には岩塩をなめていくことにしている。すると、足の疲れ具合、時々事後に起こるフクラハギの攣ったような感じが無くなるのである。
 年寄りって、塩分の貯えも少なくなるのかな。とにかく、走る日には塩をなめていこう。ある大きな運動に対して体内塩分が不足するということは、熱射病と同じ意味を持つと、聞いたこともある。
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原発事故は理科系の責任なのか?    らくせき

2015年08月11日 15時38分47秒 | Weblog
なぜ科学が豊かさにつながらないのか?(矢野誠・中沢正彦・編)
という本を読んでいます。
自由な質の高い市場があるか、どうかがポイントである、という問題意識の本です。
そのなかの一節に、原発事故の責任は理科系にあるのか?文科系にあるのか?
という面白い分析がありました。

事故の後、理科系の学者からは事故を防げなかった責任を感ずるという声がありました。
しかし社会学者からは自らの責任を云々する声が一切ありませんでした。
これはオカシイというのが著者の主張です。

その理由はこうです。
モノづくりの際には、対応する費用が高すぎる事故の原因は
想定外とするべきであるというのが経済学の教えるところ。
つまり、経済学的にみれば、事故の原因をつくったのは、
津波でも原発をつくった技術者ではない。

では誰に責任があるのか?それは使い手側にある。
使い手側とは文科系。経済学や政治学・法学の社会科学です。
社会科学が社会に浸透しておらず、大きな危険を伴う
科学技術を有効に利用できる社会がつくれていなかった。
それは文科系の、社会学者の責任である、と。

どうも今ひとつピンときませんが、面白い論点なので紹介しました。



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