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新聞の片隅に載ったニュースから(208)     大西五郎

2015年08月20日 09時29分09秒 | Weblog
武藤議員 出資金返さず 「未公開株」で4000万円集める 文春報道(15.8.19 毎日新聞夕刊)

滋賀4区選出の自民党衆議院議員、武藤貴也氏(36)が、未公開株購入を名目に知人から出資を募り、株を購入せず出資金を返さないとしてトラブルになっていると、19日発売された週刊文春が報じた。武藤氏は同日、「ご迷惑をおかけした皆さまには心よりお詫びを申し上げます。今後関係者らと相談し、きちんと対応してまいりたいと思います」とのコメントを出した。
週刊文春によると武藤氏は昨年「国会議員枠で買える」とソフトウエア会社の未公開株購入を知人らに勧め、23人が計約4000万円を武藤氏の政策秘書の口座に振り込んだ。だが、株は購入されず、出資金の一部は戻っていないという。
武藤氏は、安全保障関連法案に反対するデモを呼び掛ける学生らのグループを「『戦争に行きたくない』という極端な利己的考え」などとツイッターで批判していた。

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その後のインターネットなどを通じた報道で武藤氏は代理人を通じて自民党に離党届を出し、「党に大変な迷惑をかけ、心苦しく思う。プライベートなことで党にこれ以上の迷惑を掛ける訳にはいかない」というコメントを発表しました(時事通信)。武藤氏は謝るべき相手を間違えています。党に謝るのではなく、議員を辞職するなど、国民にこそ謝るべきです。
この問題は武藤氏の資質の問題でもありますが、武藤氏に限定されるべき問題ではなく、小選挙区制というシステムの中で議員になれた自民党の若手議員が共通して抱えている問題であるように思えます。
中選挙区制の選挙では、他党候補と政策を争うとともに、自党の他の候補ともしのぎを削って勝ち抜かなければなりませんでしたが、小選挙区制の下では、その選挙区の党の候補に選ばれると、党の全面支援の下で選挙を行うことになり、その地区で党が強ければ当選が保証された形になります。自民党の若手議員の中には、二世、三世議員も多く、云うなれば苦労せずに議員になったケースも目立ち、自分の政治的能力と勘違いしている者もいるようです。
武藤氏は京都大学大学院在学中に、滋賀県の嘉田由紀子知事を支持する会派の政策スタッフになりました。2007年の総選挙に向けて自民党滋賀4区で立候補者と目されていた候補予定者が政治資金問題などから立候補を辞退したため、自民党が全国から候補者を公募し、武藤氏がこれに応募して候補者に選ばれたという経歴を持っています。自民党と対立していた嘉田知事の陣営から自民党の候補者に鞍替えしたのです。「国会議員になりたい」が行動の基準になっており、全く政策の違う会派に安易に入っていったのです。
武藤議員は「マスコミを懲らしめろ」などと主張した安倍首相の親衛隊の文化芸術懇話会に所属しており、「(日本国憲法の)国民主権、基本的人権の尊重、平和主義は欧米の思想であり、日本精神を破壊する」として憲法改正を唱えています。
自民党は院内での議員数の多さを誇っていますが、小選挙区での自民党の得票率は50%に満たないのに3分の2近くの当選者を得ているのも小選挙区制の魔術です。小選挙区制を考え直してみませんか。                             
                                               大西 五郎
コメント (14)
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