韓国と北朝鮮が22日から高官協議での対話を開始した裏で米中がある種の役割を果たした可能性が指摘されている。
中国は抗日戦争勝利70周年の記念式典(9月3日)を控え、軍事的な緊張が高まることを望んでいないとされる。中国の6カ国協議首席代表を務める武大偉・韓半島(朝鮮半島)事務特別代表は21日、「中国は『建設的な役割』を引き続き担っていく」と述べた。中国外務省の華春瑩副報道局長は「(南北に)自制を求める」とした。これに対し、北朝鮮は同日の外務省声明で、「我々は数十年間自制を重ねてきた。誰による自制の呼びかけもこれ以上情勢管理には役に立たなくなった」と反論した。
成均館大の李熙玉(イ・ヒオク)教授は「北朝鮮が中国の抗日戦争70周年記念行事に党、政府、軍の幹部を大規模に中国に派遣する問題を話し合うため、中国との外交ルートを稼働させてきたと聞いている。中国はそのルートを通じ、北朝鮮に対話を促した可能性がある」と述べた。
香港紙の蘋果日報(アップル・デーリー)は23日、中国版ツイッター「微博(ウェイボー)」を引用し、「中国が北朝鮮との国境地帯に装甲車や戦車などの兵力を集中させている」と報じた。同紙はまた、「南北の対立仲裁に乗り出そうとしている中国がいつでも発生し得る武力衝突にも備えているとの見方がある」と分析。マカオ国際軍事学会の黄東会長は「中国が軍事パレードなどを行う時期にも兵力を動員できることを北朝鮮に示す狙いがある」と指摘した。
国際政治専門家は、米国が北朝鮮の挑発に対し、表面的には強硬な態度を取りながら、内心では対話での収拾を望んでいるとみている。韓国外国語大のナムグン・ヨン教授は「北朝鮮の地雷による挑発と砲撃について、韓米両国は強固な軍事同盟ぶりを行動で見せつけているが、今後も北朝鮮が大小の挑発に及ぶ余地はいくらでもある。事態の拡大を防ぐため、米国は韓国に北朝鮮との対話を促した可能性がある」と述べた。