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ネット右翼諸氏の大前提   文科系

2015年08月25日 01時39分23秒 | 国内政治・経済・社会問題
これは、昨日載せたコメントだが、補足修正してエントリーに入れさせて頂く。僕がここで10年やり合ってきたネット右翼諸氏に共通する大前提は、こういうものだという私見である。


 このブログ10年で多くのネット右翼諸氏と討論し合った。ここの「9条バトル」という名前を見て反論を述べてやろうということで訪れてくる人が、右傾化の時節柄とても多いのである。
 今は「平成の侍」という人が8月19日付で「いざ尋常に勝負」と題してやって来て、討論継続中である。このように彼が宣戦してきた舞台は、6月29日の拙稿「集団的自衛権と谷内正太郎国家安保局長」。なかなか丁重かつしっかりした文章の方で、今は僕の提起への回答待ちというところ。

 ところで、しっかりした相手が現れると色々又、相手の文章を読み、考える。そして思う。彼我の「決定的な分かれ道」がどこなのだろうかと。これにつき、大体こういう仮説がこの10年で浮かび上がってきた。

①ネトウヨ諸君は、戦争違法化ということをほぼ否定的にしか考えた事がない。20世紀二つの総力戦への反省などこの流れの歴史にもほとんど無知である。一定知っている人でも、戦争を無くすなどというのは一時の思いつきないしは幻想だと考えている人がほとんどだろう。

②戦争違法化など幻想であるという考え方というか感じ方の背景、理由に、社会ダーウィニズム風のこういう「思想」が存在する。戦争、人間の争いというものを「永遠の現実」と認識するということだ。ただしこういう「思想」の内実は、①のようなその反対物を知らない人が多く、これを考えた事がない人がほとんどだから、みずからの社会ダーウィニズム風「思想」にも無自覚である場合がほとんどである。そして、こういう無自覚な観念は感性的なものでもあって、きちんとした言葉になっていないから討論にもならないものだ。

③この二つが大前提として存在するどんな考え方、政治論も、その出発点はこういうことにしかならない。
「戦争は永遠の現実で、攻めてくる国は必ずある。それに備えることが国家外交の最大問題」
 この戦争対策の問題はそれどころか、国家の全てになってしまう場合も多い。「憲法守って国滅ぶ」という揶揄がよくでてくるのはそういうことだ。ヒトラー、東條の軍国主義がそんな例と言える。「テロとの戦争」も、国家存亡がかかってしまうように理解する人々には軍国主義にしかならないだろう。911以降の米国は軍国主義者が急増した時代、国と言えるはずだ。


 こう整理した時に僕の場合、彼らの言い分がすっきり理解できるようになった。この3点に触れない彼らへのどんな議論、反論も、空回りに終わるはずだとも。
「無意識あるいは無理解な大前提」って、おそろしく怖いもんだということだろう。


 なお社会ダーウィニズムとは、動物進化の理論を人間社会(論)にも当てはめたものである。進化論とは又、環境によく適応した動物は身体をもそのように変えていくこと、そういう身体変化史として動物進化があるということ、というような適者生存の理論である。
 この社会ダーウィニズムで最も有名な日本人が、明治の東大総長・加藤弘之。著書には「人権新説」があるこの人、日本が進化的強者である欧米(白人)列強に対していくことができる道というものを必死に考えた。社会ダーウィニズムに出会って捻り出したその道が「天皇中心の強力国家」というものだった。これでもってこそ、日本国が弱肉強食的世界に進化、適応していけると。

 アジア太平洋戦争敗戦は、こういう思想の敗戦でもあった。
コメント (25)
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