Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

蚊取湖殺人事件

2005-03-19 22:19:40 | 読書
泡坂妻夫「蚊取湖殺人事件」光文社文庫の新刊.2002年4月から2004年4月にかけて,いろんな雑誌に発表された,腰巻にあるようなジャンルの小説を集めたもの.カバーの紋様も著者によるものだが,この作者のファンでない人の購買欲はそそりそうもない.表題作は問題編と解決編に分かれているが,他のも含めミステリとしてはいまいち.しかし十年以上前に書かれた作品と同じ脇役が登場する作品では,思わずニヤリとしてしまう.
昔の作品,特に,「しあわせの書?迷探偵ヨギガンジーの心霊術」,「11枚のとらんぷ」,「亜愛一郎の狼狽」,「死者の輪舞/毒薬の輪舞」,「奇術探偵曾我佳城全集」...あたりは大好きですが,直木賞以後の人情味あふれる作品や,捕物帖はちょっと...泡坂氏もお歳をめされてばかばかしいミステリを書くのがばかばかしくなったのでは..と心配していました.今回はアワサカ節をミステリの文脈で堪能できただけで良しとすべきでしょう.
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