鳥飼否宇,光文社文庫(2005).
「蝶々殺蛾事件」「哲学虫の密室」など,目次を見るだけでニヤリとしてしまう.
腰巻に「昆虫世界の本格推理」,まさにそのとおり.トリックはすべて昆虫学的につじつまが合っているらしい.とはいうものの門外漢にはけちのつけようがないところはちょっと寂しい.物理をネタにしたミステリ,たとえばコリン・ブルース「名探偵ホームズの科学事件簿」などよりずっと楽しい.著者の力量か,あるいは昆虫に対する思い入れのためだろうか.
ミステリとしては,文庫のために書き下ろしたという「ジョロウグモの拘(こだわり)」が良いが,最後の「ハチの悲劇」もでたらめで面白い.
「蝶々殺蛾事件」「哲学虫の密室」など,目次を見るだけでニヤリとしてしまう.
腰巻に「昆虫世界の本格推理」,まさにそのとおり.トリックはすべて昆虫学的につじつまが合っているらしい.とはいうものの門外漢にはけちのつけようがないところはちょっと寂しい.物理をネタにしたミステリ,たとえばコリン・ブルース「名探偵ホームズの科学事件簿」などよりずっと楽しい.著者の力量か,あるいは昆虫に対する思い入れのためだろうか.
ミステリとしては,文庫のために書き下ろしたという「ジョロウグモの拘(こだわり)」が良いが,最後の「ハチの悲劇」もでたらめで面白い.