Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

サム・ホーソーンの事件簿

2006-01-31 21:33:54 | 読書
このタイトルは創元推理文庫でIからIVまで出ている.いずれもエドワード・D・ホック著 / 木村二郎訳.いずれもサム・ホーソーン医者が活躍する12の短編プラスおまけの短編.最初の刊行は2000年.カバーのイラスト(どれも西山クニ子)がださいように思うが,反面のんびりした感じが内容と合っているようにも思える.

どの短編も一見不可能な事件をホーソーン先生が解決するという筋.舞台はアメリカの田舎町.時代はいまのところ1920-30年代.

沢山あるから,出来不出来があるのは当然だが,ちかごろのミステリーだったら長編にしてしまいそうなトリックが惜しげもなく使われている(こともある).丁寧に書いてあるが,よけいな描写はない.被害者は殺されるために登場し,犯人は殺すために登場する.性格付けは探偵と看護婦と保安官くらいにしかない.さっぱりしたもので,読後感はとてもいい.2006年1月刊行すなわち最新のIVのマイベストは「革服の男の謎」だ.

しかしこうたてつづけに殺人事件が起こったら,この町は呪われた町ということになって,住人はみな逃げ出してしまうだろうな.

このようにどの短編も「...の謎」というタイトルだが,原文では"The Problem of ...."である.いまは老境に達した先生が「御神酒」を飲みながら昔を回顧するというスタイルだが,御神酒はどういう英語の訳だろうか.今度丸善に行ったら原本を探してみよう.
コメント (3)
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