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芥川賞受賞作を読むべく,文芸春秋3月号を買った.
文春CMによれば,鈴木結生「ゲーテはすべてを言った」は学者一家の名言をめぐる謎解きミステリ,安堂ホセ「DTOPIA(デートピア)」は恋愛ゲームを勝ち抜く謎の男「Mr.東京」の冒険譚.後者の方がおもしろそうだったが,ぼくの好みではないと判って,途中でリタイアした.
芥川賞選者島田雅彦によれば「ゲーテは...」では「全編ゲーテを巡る書誌学的ペダントリーで押し,その過剰さで読者を捩じ伏せる」.
その人物たちは四の五の言っているが,ぼく的読者の視点では能天気な,悩み知らずのエリート一家.でも,それなりに知らない世界はおもしろく,一気読みしてしまった.
謎解きミステリ ??
ティー・バッグのタグに印刷されていた文言がゲーテの言か否かがひとつのテーマ.ぼくは そんなことバッグの製造元に問い合わせればよかろうと思うのだが,なかなかそう運ばないところが歯痒い.
教授による捏造と盗用問題も出てくる.バラしたのは誰か ? 犯人はすでに登場している,というミステリの定石に従っている.
人物はみな奇妙な姓あるいは名あるいは両方.
博把統一 ひろばとういち,博把義子 ひろばあきこ
芸亭 學 うんていまなぶ
然 紀典 しかりのりふみ
紙屋綴喜 かみやつづき
...
鈴木,高橋,斎藤... では小説にならないのだろうか.
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