心理学者アイゼンク(Eysenck,Hans Jurgen 1916-97)は,人格を三次元でとらえたそうだ.それまで(1970年代まで)は内・外向性と神経症傾向の二次元とされていたところに、第3の基本次元として衝動のコントロール性(タフマインド度・精神病質傾向)を加えた.この第3次元は、冷淡さ、攻撃的衝動、反社会性、などに関する項目を含み、精神分裂傾向や非行、犯罪傾向などを予測するとされる.
彼のタフマインド度はわれわれがことばから連想するのとは違う意味のようだが,とにかくこのタフマインド度が高いのは若い男性に多いそうだ.さらに人格と音楽の好みの相関を分析すると(Rawlings 1995),タフマインド度が高い人は不協和音を好み,ロックやジャズが好きだそうである.
ちょっと皮相な見方のように思える.
「新音律」と称するある種の前衛音楽に参加してくれる面々は,不協和音志向,ロック・ジャズ志向だが,冷淡さ・攻撃的衝動・反社会性・精神分裂傾向・非行・犯罪傾向はうかがえない.好奇心が強く,「混濁併せ飲む」的太っ腹さという共通点はある.ついでだが音楽的には,演奏の技量とか,絶対音感の有無とは無関係に思える.
上記の分析はもっぱら音楽を聴く側が対象だが,ぼくたちは音楽を作る側に立っているという違いはあるかもしれないが...
全共闘時代には,バリケードのなかのジャズ等というのもあった.当時のジャズファンはタフマインドを持っていたのかもしれないが,いまジャズにかってのエネルギーはない.ロックもウッドストックあたりがピークだったのでは.と言うことは,この理論はすでに時代遅れと言うことだろうか.
参考書 谷口高士「音は心の中で音楽になる-音楽心理学への招待」北大路書房(2000).
彼のタフマインド度はわれわれがことばから連想するのとは違う意味のようだが,とにかくこのタフマインド度が高いのは若い男性に多いそうだ.さらに人格と音楽の好みの相関を分析すると(Rawlings 1995),タフマインド度が高い人は不協和音を好み,ロックやジャズが好きだそうである.
ちょっと皮相な見方のように思える.
「新音律」と称するある種の前衛音楽に参加してくれる面々は,不協和音志向,ロック・ジャズ志向だが,冷淡さ・攻撃的衝動・反社会性・精神分裂傾向・非行・犯罪傾向はうかがえない.好奇心が強く,「混濁併せ飲む」的太っ腹さという共通点はある.ついでだが音楽的には,演奏の技量とか,絶対音感の有無とは無関係に思える.
上記の分析はもっぱら音楽を聴く側が対象だが,ぼくたちは音楽を作る側に立っているという違いはあるかもしれないが...
全共闘時代には,バリケードのなかのジャズ等というのもあった.当時のジャズファンはタフマインドを持っていたのかもしれないが,いまジャズにかってのエネルギーはない.ロックもウッドストックあたりがピークだったのでは.と言うことは,この理論はすでに時代遅れと言うことだろうか.
参考書 谷口高士「音は心の中で音楽になる-音楽心理学への招待」北大路書房(2000).