Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

となりのアインシュタイン

2007-11-12 09:21:05 | 読書
福江 純 著, 長崎 訓子 絵 「となりのアインシュタイン 」PHPエディターズグループ (2004/08)

あとがきに,相対論や量子論は大学でも物理にでも進まない限り習うことはないだろうとある.まったくそのとおり.ぼくは工学部だったが,相対論は教養学部でノガミ先生に教わっただけ.ちなみにこの先生のお母さんはノガミヤエコさんだそうだった.
光速不変という仮定のもとで初等的な数式をいじるだけで,手品のようにE=mc^2という結果 (原子力と核兵器のモト) が出てきた!!

その後粒子加速器を作ることを仕事にしたが,特殊相対論だけで十分だったので,一般相対論は知らない.

というわけで,この本は相対論に縁のない人のための解説書.先生と生徒ふたりの問答プラス・ナレーションで進められる.問答体というのは書く側にとっては恥ずかしいものだが,生徒は太郎と花子ではなく星斗と明理 (ほしととあかり,星斗はねこの名前から借用したそうだ) という文学的な名前するなどして,著者は気を紛らわせているようだ.しかし先生役のアル (アルバート?) は「わしは...じゃ」と,お茶の水博士口調.
「光のきもち」「たましいの重さ」...などの章のタイトルのつけかたもうまい.

ぱらぱらと見たら絵がきれいなので図書館で借用.この本の魅力は絵の魅力だな.絵のモチーフは紙飛行機らしいが,本文との関係はわからない.絵の星斗と明理は幼すぎるとも思うが,まあ,可愛いからいいでしょう.「不思議の国のトムキンス」のような感動がなかったのは,こちらの歳のせいだろうか.

技術系にはすらすら読めるが,そうでないひとにはどうだろうか.逆に言えば,この本がすらすら読めるくらいなら,本格的に勉強したほうが良い.特殊相対論までなら,すらすらとはいくまいが,高校数学で十分理解できるように書いた本も多いはず (と,思うけれど,具体的にどの本ということはできません).
まぁ すらすら読めない本は読みたくない人のためにこういう本があるわけだけど.
コメント
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reading

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