三島由紀夫「お嬢さん」角川文庫(2010/04).
今では芥川賞と直木賞の境界はかなり曖昧だが,その昔はかなりはっきりしていた.すなわち,純文学と通俗小説の境界がはっきりしていた時代の,純文学側の作家が書いた通俗小説である...ということが,解説に強調されている.
ても,若尾文子主演で映画化されたことには全然触れていない.
重役の娘 (お嬢さん) が重役の部下と結婚する とか,結婚を機に女子大を中退 とか,時代を感じさせる.この結婚相手がプレイボーイで,お嬢さんもそれを知って,というより,無意識にそこに惹かれて結婚してしまうのだが,当然波乱が生じる.
1960 年.雑誌「若い女性」1月号-12月号連載.ストーリーはかなりいい加減.強引に引っ張って,12月号になったので終わらせた,という感じ.
文章,とくにお嬢さんの心理描写に関する部分は,皮肉っぽく,歯切れがよい.
電車のなかで読むには最適でした.
今では芥川賞と直木賞の境界はかなり曖昧だが,その昔はかなりはっきりしていた.すなわち,純文学と通俗小説の境界がはっきりしていた時代の,純文学側の作家が書いた通俗小説である...ということが,解説に強調されている.
ても,若尾文子主演で映画化されたことには全然触れていない.
重役の娘 (お嬢さん) が重役の部下と結婚する とか,結婚を機に女子大を中退 とか,時代を感じさせる.この結婚相手がプレイボーイで,お嬢さんもそれを知って,というより,無意識にそこに惹かれて結婚してしまうのだが,当然波乱が生じる.
1960 年.雑誌「若い女性」1月号-12月号連載.ストーリーはかなりいい加減.強引に引っ張って,12月号になったので終わらせた,という感じ.
文章,とくにお嬢さんの心理描写に関する部分は,皮肉っぽく,歯切れがよい.
電車のなかで読むには最適でした.